▼6月26日〜7月1日 オリックス戦績
【対 埼玉西武 メットライフドーム】
6月26日
○アルバース 4-2 十亀剣●
6月27日
△金子千尋 3-3 ウルフ△
※延長12回
6月28日
●山岡泰輔 11-14 多和田真三郎○
【対 北海道日本ハム 札幌ドーム】
6月29日
○西勇輝 2-1 マルティネス●
6月30日
●山崎福也 2-5 高梨裕稔○
7月1日
○ディクソン 6-3 吉田侑樹●
※74試合37勝34敗3分。3位(3チーム同率)、首位・西武との差は4ゲーム。
25年ぶりに6チーム中5チームがAクラス、ソフトバンク、千葉ロッテとともに3位が同率で3チーム並んでいるという珍事が起こっている今年のパ・リーグだが、2位の日本ハムとは3ゲーム、首位の西武とは4ゲームと、射程圏内ながら少し離されている。オリックスは前半戦を3日から京セラドーム大阪でロッテと3連戦、7日にほっともっとフィールド神戸、8日に京セラでソフトバンクと2連戦と、3位チームとの直接対決が控えている。西武と日本ハムは3日と5日に首位攻防戦を2試合行うので、オリックスとしては抜け出しておきたいところ。3位対決が終わると10日に山形、11日に仙台で楽天と対戦し、前半戦を終了。チームとしては束の間のオールスター戦休み(出場選手は除く)に突入する。
ベテラン小谷野栄一、ルーキー田嶋大樹、リリーバーの黒木優太をリフレッシュ的な意味も込めて登録抹消した矢先、チームは怪我人に襲われた。先に離脱した小田裕也をはじめ、一発のあるT-岡田、絶好調だった中島宏之の離脱は痛手だが、大きな当たりはないものの「繋ぐ野球」をモットーにしているあの男が大奮闘している。西野真弘だ。西野はルーキーイヤーの2015年に“オリの希望”として、初のBsオリ姫デーでヒーローになり、シンデレラ・ボーイの誕生と騒がれた。しかし、骨折によりその年は前半戦終了を待たずしてシーズンを棒に振り、期待された2016年は全試合に出場したものの満足な結果を出せなかった。昨年は尊敬している平野恵一(現・阪神コーチ)から継承する形で背番号5を受け継いだが、守備と打撃の双方で精彩を欠いてしまい、シーズン終盤は大城滉二にセカンドのポジションを取られてしまった。
あの時の輝きを取り戻すべく臨んだ昨年秋の高知キャンプ。福良淳一監督は藤井康雄打撃コーチとともに、自身が現役時代に書いたノートを照らし合せながら、バッティングフォームがバラバラになっていた西野の再生に乗り出した。
「あの時とは全然フォームが違うんですけど、あれはあくまでもバラバラになったフォームを直すためにやったこと。シーズンが始まってからも修正作業は続けてて、今の形になりました」
そんな話をする西野からは、ルーキーイヤーではよく見られた笑顔が溢れていた。かなり充実しているという。この上位とのビジター6連戦では打率.444という驚異的な数字を弾き出した。最近10試合でも.436の好成績だ。ルーキーイヤーは得点圏打率が.480を超えて話題になったが、現在の.386も立派な数字。盟友の小田裕也とはルーキーイヤーで「いつか1、2番を俺たちで打ちたいね」と約束した仲。それが実現した矢先に小田が離脱したのは西野にとって原動力になっている。
「レギュラーを獲りを諦めたことはありません!」
大城、ルーキーの福田周平と内野手争いをしながら、唯一レギュラーが保証されている安達了一とともに三塁を守り、打撃だけではなく守備でもチームに貢献する姿は、ルーキーイヤーの輝きを取り戻していた。西野真弘完全復活である。西野にはここまで溜まりに溜まったうっ憤を持ち前の全力プレーで晴らしてもらいたい。
取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ