どこよりも早い大予想…コスモバルクを除いて最終追い切りもまだ、出馬表もまだ、という段階で有馬記念の予想をする。
こんな無謀なチャレンジに大きな助っ人となるのが、ユダヤの神秘主義思想を礎に体系化された「カバラ数秘術」だ。日本ではいまいち聞きなれないカバラ数秘術であるが、ヨーロッパではタロットと並び非常にポピュラーな占術のひとつである。
多くの研究家たちにより、現在では簡易的なカバラ数秘術の使い方が一般的になってきたが、もともとは高度な数学的要素までをも含む知識と技術を必要とする占術だ。日本でも真の使い手は数えるほどしかいない。
今回はユダヤカバラの本場・イスラエルで数秘術を学んだカトリーヌ・ミカ先生にお話を聞き、有馬記念を占ってみる。
「カバラ数秘術を馬に当てはめるのは不可能ではありませんが、資料が少なすぎますし、あまり良いことではありませんので騎手の生年月日を元に予想をして見たいと思います」
カバラ数秘術では、占いの際に水晶やカードなどの小道具は使わない。しかし、カトリーヌ先生は10冊以上のボロボロのノートとメモ用紙を手元に置き、数秘術で有馬記念を分析する。
「まず過去の有馬記念にカバラ数秘術の理論がどのように働いたのか、お話しましょう。まず2004年の有馬記念で1着だったペリエ騎手(ゼンノロブロイ)ですが、1973年1月12日の金曜日に生まれた彼は、非常に芸術性にあふれた運命です。04年12月26日は彼にとって特別素晴らしい日ではありませんでした。ただ、彼は仕事においてはどのような状況でも一定の力を出せる人です。ですから力のある馬に乗ればその馬の力を最大限に引き出す運命の人です。面白いのは2着(タップダンスシチー)の佐藤哲三騎手ですね。彼はこの日、非常に高い運気を持っていました。しかし、正午から日が沈むまで限定的に運命の波が低くなっています。それが勝てなかった原因でしょう。彼は非常に波のある運命です」
05年のケースはこうだ。
「この日の武豊騎手(ディープインパクト=2着)の運気は決して低いものではありませんでした。ただ、ルメール騎手(ハーツクライ=1着)との相性がすごく悪いのです。一方、横山典騎手(リンカーン=3着)はルメール騎手との相性がとてもいい。それが結果につながっています」
続けて06年…。
「実は武豊騎手の運気は05年の11月をピークに徐々に落ちています。おそらく今年の9月が大底で来年の5月ごろまでは不本意な状況が続くかもしれません。ただ、彼は基本的に持っている運命が他の人と違います。しかも、政治的に優れた能力を持っています。いずれ、競馬の世界よりさらに大きなところで活躍するかもしれません。注目は安藤勝騎手がこの年の12月から2年以上続くすばらしい運命サイクルに入りました。非常に強い力で人間を引きつけ、さらにそれを力に大いなる光を発します。この日の3着(ダイワメジャー)はよくできた結果といえます」
カバラ数秘術は生年月日を元に運命のサイクルを導き出すことが可能だ。秘術を極めると1時間単位の運勢をも見いだすことができるという。金融トレーダーにカバラ数秘術を信じる人間が多いというが、それは絡む人によって運命が左右されることを判別できるカバラ数秘術の特徴があるからだろう。よって競馬では、良い運気でも一緒に走る騎手との相性で結果に大きな変化があるというのだ。
それではさっそく、今年の有馬記念の予想をしてもらおう。
「まず07年12月23日に一番いい運気のポジションにいるのは1960年3月28日生まれの安藤勝騎手です。他の人と比べると頭ひとつ飛び抜けています。ただ、川田騎手とルメール騎手との相性があまりよくありません。その2人は人の強い力を自分の力に変える力をもっています。この2人のそばにいると結果に変化が出るかも知れません」
その変化が出た場合、台頭してくるのは…。
「次に岩田騎手(1974年3月12日生まれ)とペリエ騎手(1973年1月12日生まれ)の運気が好調です。岩田騎手は計画通りに物事が進まない運命ですが、全体的な運勢は悪くありません。心を無にして物事に臨むと素晴らしい結果が待っているはずです。一方、ペリエ騎手はいいというより、彼をジャマする運気がないという意味で本来の力をストレートに出すことができます」
また。気になるファン投票1番人気に輝いたウオッカについては…。
「騎乗予定の四位騎手ですが、彼は非常に短期的に暗闇に包まれる混乱の運命を持っています。そして、23日はあまりよくないようです。本人の能力ではなく、もっとほかの要因が彼の足を引っ張る可能性が大きいです」何やら不穏な空気が漂う。
引退レースを迎えるダイワメジャーはどうか。
「騎乗予定のデムーロ騎手は、いろいろな意味で運命の気まぐれに左右される人です。今年の3月ごろから来年の末まで非常に強い運気があり、彼の運命を決定つけるでしょう。23日の運気は上昇気流ですが、何か思い切ったことを考え、有馬記念を引っかき回す役になるかもしれません。勝ち負けについては前日の星によりそうです。前夜晴れていたら、いい結果が出るでしょう。ただ、その日は勝ちそうですが、有馬記念かどうかはわかりません」
最後に23日自体の全体の運気の流れについて話してもらった。
「23日は何かが起きる流れは、とくにないようです。しかし、01年に大きな配当金(馬連4万8650円)がついたときも、その日に何かが起きる運気の流れはありませんでした。しかし、個人レベルでいくと、その日は江田照騎手(アメリカンボス)の運気が高く、それに引っ張られる形で江田照騎手と相性のいい蛯名騎手(マンハッタンカフェ)が勝利を収めました。今回もその日の流れは自然ですが、結果に関しては驚くような出来事がある可能性は十分にあります」
話を総括するとカバラ数秘術による最有力はアンカツ=ダイワスカーレットになるが、相性の悪い川田=デルタブルースが隣の枠に入ったら危険信号。対抗はダイワメジャーか。一方、危険な人気馬は四位=ウオッカということになる。また、現在、ジョッキーが未定の出走予定馬も数頭残っている。騎乗馬の決定していない前出のジョッキーたちが、またがってきた場合には注意を払いたい。