谷は10日、民主党本部で小沢一郎同党幹事長と記者会見し、夏の参院選比例代表に立候補する意向を正式に表明。前回の北京五輪で銅メダルに終わった柔道について、「ロンドン五輪で金メダルを狙います」と語ったうえで「スポーツ振興であったり、スポーツの環境を整えたりすることに携わりたい。子育てしながらいろいろなことにチャレンジしているが、国民の皆様、誰もが望む国づくりをしたい」と述べた。
そんな谷の出馬を2002年6月に亡くなったナンシー関が予言していた。
「ツイッターでかなり話題になっています。やはりナンシーはすごいと」(週刊誌記者)
ナンシーといえば、著名人の似顔絵を中心とした消しゴム版画と、テレビ番組の視聴を通じて芸能人を批評する辛口コラムで知られた。今も後継者を狙う書き手は見受けられるものの、だれも足元に及ばない不世出のコラムニストだ。
ナンシーが谷の選挙出馬を言い当てた文章は「何もそこまで」(1995年発行)に収録されている。引用しよう。
元五輪メダリスト。世界一ツブシが利く肩書き。
何がツブシが利くってオリンピックほどツブシが利くもんはないだろう。ツブシを利かせているという後ろめたさも無い。オリンピックは世界でも指折りの正義だから、正当な権利なのである。オリンピックもまた、現在のテレビタレントとは基準がズレているのに。いくらオリンピック出たいからって7回も8回も無理矢理出るのはオリンピック的には美談でも、テレビ(というかバラエティ的世界観)的には「空気が読めないやつ」でしかない。
10年後、ヤワラちゃんは選挙に出ていると思う。
まさしく慧眼。ナンシーが亡くなってから、世の中で何か起こるたびに、ナンシーならどう書いてくれるか、と思う人は多いはず。つくづく惜しい人が逝ってしまったものだ。