逮捕容疑は、昨年7月19日午後、豊田市内の同校グラウンドで練習中、当時1年生だった野球部の男子生徒(16=同県一宮市)の頭や顔を殴った上、腹や足を蹴り、肋骨(ろっこつ)骨折の重傷を負わせた疑い。
男子生徒は同年8月上旬、病院で診察を受けたところ、骨折が判明。同年12月に退部した。保護者が今年2月に県私学振興室に相談したが、学校は「暴行の事実はない」と否定。そのため、生徒側は今年3月5日に同署に被害届を提出。県警が捜査を進めていた。生徒は3月に通信制高校に転校している。
県警の調べに対し、監督は「反抗的な態度を取られたため腹を立て、手で頭や頬をたたいたが、蹴ってケガを負わせてはいない」と、容疑を一部否認しているという。
逮捕を受けて、同校の加藤順一校長は「調査の結果、暴行は把握できなかった。監督が逮捕されたことについては、お騒がせして申し訳ない」と話した。野球部は当面、練習を自粛して、部員は自宅待機する。
同校は84年に名古屋大谷高豊田分校として設立され、88年に豊田大谷高に名称変更。89年に創部された野球部は97、98年の夏の甲子園に出場した強豪校。今年の愛知大会では4回戦で延長15回再試合の末、半田工に敗退している。
監督は98年夏の甲子園に、「5番一塁手」で出場。同期生には後に横浜(現DeNA)ベイスターズ入りし、4番も打った古木克明がおり、ベスト4まで進出した。現役OBには、オリックスの齋藤俊雄捕手(30)がいる。
近年、同校野球部は低迷していたため、再建を期し、12年8月に同監督が就任していた。
(蔵元英二)