芸名は、何度も選挙へ出馬し落選を繰り返しているマック赤坂にちなんだものであるが、同時にオフィス北野の所在地である赤坂にかけた意味もある。ビートたけしのネーミングセンスは単なる思いつきのようでありながら、複数の意味を含んだものが多い。
「浅草キッドの水道橋博士は、手塚治虫の『鉄腕アトム』に登場するお茶の水博士のパロディです。それと同時に、博士はたけしを慕って明治大学へ入学するも4日で中退しているため、大学のある御茶ノ水に達していないということで、ひとつ手前の水道橋の名前がつけられたといわれていますね」(芸能ライター)
たけしは出身校である明治大学工学部(現・理工学部)に6年在籍したのち除籍となっているが、特別卒業認定を受けている。この大学をめぐっては、あの芸人の名付け親ともなっている。
「なべやかんですね。1991年に明治大学の替え玉入試が発覚し、渦中の人となります。明大OBでもあった父親のなべおさみの前に『謎の紳士』が現れ、彼のアドバイスにのっとって息子であるやかんの替え玉入試に手を染めました。手口は体育会系の相撲部の推薦枠で入学させるもの。やかんは受験票は記入したものの写真は貼らず、大学に呼び出された時にはまったく別人の写真が貼られていたそうです。やかんをたけしが引き取ることになり、台所用品のなべに対する“やかん”と、入学先だった夜間学部である明大二部の“やかん”にかけて、なべやかんとなりました」(前出・同)
『水曜日のダウンタウン』(TBS系)では「ビートたけし本気で弟子を売る気ない説」が取り上げられたこともあるが、適当なようで実は深いのが、たけしのネーミングセンスの特徴とも言えよう。