ようやくKIDがHERO'Sに舞い戻ってきた。
北京五輪出場を目指しアマチュアレスリングに専念していたことから、総合格闘技への参戦を休止していたKID。この日の会見では昨年の大みそか以来、約8カ月ぶりとなる総合リングへの参戦が決定し「アマチュアの方は様子見。北京もチャンスあれば出たいけど、ケガして総合やりたくなった。っていうか、やりたいことをやるって感じ」と参戦経緯を明らかにした。
9・17「HERO'S 2007ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦」では、初代王座のタイトルを持つ70kgのミドル級ではなく、63kg契約のスーパーファイトでビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)と対戦することが決定。KIDは「もうミドル級は盛り上げたから、やっぱこれからは軽量級でしょ」と、ミドル卒業とともに今後は軽量級を主戦場にすることを言明した。
これまでHERO'Sには軽量級はなかったが、KIDが「軽量級はプロレスでいえばスピードのある闘龍門とかルチャみたいな感じだから、面白いと思うよ」と猛プッシュすれば、谷川貞治イベントプロデューサーも「KID君がやるなら、来年にもライト級の軽量級トーナメントを開催したい」と同調した。
来年をめどに軽量級新設の動きが出てきたHERO'S。だが、今回のKID参戦にはある台所事情が存在するという。テレビ関係者が明かす。
「ミドル級トーナメントが苦しい中で9・17にはドル箱スターのKID選手を呼ばざるを得なかったんです。それにKID選手はいまナチュラルな体重でいなければいけない理由があります。レスリングの道を諦めていないので、HERO'Sでは70kgのミドル級で闘うことは無理。だから今回ライト級新設の話が出てきたんです」
とはいえ、ライト級の新設には懸念材料もある。「ただ軽量級をやるかどうかはKID選手次第。本人は『ミドル級のときに嫁さんから食後に大量のプロテインを飲まされたりして相当苦労したから、軽量級のナチュラルな体重でやりたい』なんて軽い感じのことをおっしゃっていたので、心配ですね」(前出関係者)
HERO'Sが誇る絶対的エースKIDのため新設に向け動き出した軽量級。ただ、その行方は「オレ、気分屋だから」と豪語する神の子のテンションにかかっている。