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「軍事マニア大百科」軍港ツアー初の女性ガイド・滝元梓さん密着取材記

 横須賀といえば海軍の街。地元の航路運航会社「トライアングル」(神奈川県横須賀市)が運航中の「YOKOSUKA軍港めぐり」に初の女性ガイドが登場し、「美女が艦船を詳しく説明してくれる」と話題を呼んでいる。6月から現場で活躍する滝元梓さん(21)に密着取材した。

 身長148センチと小柄な滝元さんは噂にたがわぬ美女だった。ハキハキしていて、元気がよくて、笑顔を絶やさない。バスガイドならばまだ分かるが、なぜ軍港ガイドの道を選んだのか? 滝元さんは「海の仕事がしたかったんです。今はとっても充実しています」と目を輝かせた。
 軍港巡りでは必ず決まった艦船が停泊しているわけではない。出入港があり、日にちや時間帯で見られる艦船は異なる。そこがツアーの魅力でもあるのだが、案内人は個々の艦船を瞬時に判断し、詳しく説明しなければならない。滝元さんは艦船の大きさを東京タワーと比較し、全く知識のない人にも分かりやすいガイドを心がける。参加した男性は「熱心さがビンビン伝わってきて楽しめました」と満足していた。
 「仕事の合間には本を読んだり、先輩に聞いたりして勉強しています」
 丁寧な解説の陰には日々の努力があった。入社当初は艦船の知識はあまりなかったというが、今では約40隻の艦船を即座に判別できるまでになった。「お気に入りの艦船は海上自衛隊の護衛艦『ひゅうが』です。ヘリポートが4つもあり、その大きさに圧倒されました」などと力説する姿はもう立派なプロだ。

 長崎県にある人口2000人程度の小さな島、福島に生まれた。中学1年のとき、“海洋版ボーイスカウト”ともいえる「海洋少年団」で海上保安庁の船に乗ってからすっかり船と海の虜となった。思春期を迎えても海への情熱は冷めず、故郷を離れて国立清水海技短大(静岡)に進学。両親も喜んで応援してくれたという。
 女子学生は約1割しかいなかったが、船員に必要な航海技術や海事法規、海洋気象など多岐にわたる知識を学び、海技士資格を得て今春卒業。あこがれの仕事に就いた。
 趣味は料理で、仕事場には毎日手弁当を持参。「ハンバーグに自信があります!」と胸を張る。休日は買い物や掃除、友達とドライブに出かけることもあるという。「最近は部屋のインテリアが気になるんですよ」と話す姿はやはり21歳の女の子。
 ちなみに彼氏は募集中とのことで「明るくてやさしい人がタイプです」と恥ずかしそうに答えてくれた。立候補したくても艦船の知識がないとキツそうだが、「そこは気にしてないです」と笑っていた。
 仕事中、ナンパされるのではと心配すると、「覚えてませんが、そんなことがあっても笑顔でごまかせるくらいにはなりましたよ」とのこと。参加する方は決して仕事の邪魔をしないように!
 順風満帆な仕事ぶりにも「男性に比べて体が小さいので、重いものを持つときなど限界があり、悔しい」と悩みもチラリ。負けず嫌いな性格という。
 「目標は、全く知識のない女性にも分かりやすいガイドができるようになることです。先輩たちを一日でも早く追い抜きたい」
 取材の最後に「きょうの私のガイドわかりやすかったですか?」と真剣な眼差しで聞いてきた滝元さん。きっと目標を達成する日も遠くはないはずだ。

◎YOKOSUKA軍港めぐりとは
 米海軍第7艦隊が基地を置く「横須賀本港」と海上自衛隊司令部のある「長浦港」などをガイド付き遊覧船で巡る約45分間のツアー。米海軍や海上自衛隊のさまざまな艦船を間近に見学できる国内唯一の航路で、曜日を問わず毎日4便運行(各便定員130人)。米海軍や関連各機関の関係で欠航となることもある。料金は大人1200円、小人600円。乗船場は京浜急行線汐入駅から徒歩3分。

<プロフィール>
 たきもと・あずさ 1988年4月19日生まれ。長崎県出身。両親と2人の姉、弟の5人家族。取得している資格は海技士4級、機関士4級、小型船舶免許。

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