トップバッターのセェキットンは、キャリア7年。「俺は7年のとき、『笑っていいとも!』(フジテレビ系列)の前の番組『笑ってる場合ですよ!』の司会をやっとったわ」と、弱冠30歳ですでに天賦の才を開花させていた洋七。イベントラストでダイマルが体当たり漫才を披露すると、「オチの数を増やさなあかん」と、真剣にアドバイス。洋七にその考えを叩きこんだのは、あの“天才漫才師”故・横山やすしだという。
やすしは、「7回逮捕されてる」が、洋七がもっとも愛する芸人。 特に印象深いのは、やすしがセスナを購入したときだ。
「『明日何してんねん』言うから、『暇です』言うたら、「飛行機乗りに来い!』って。翌日、大阪の八尾空港いうとこに行って、個人で買ったセスナに乗せてもらった。『忙しいなか、よく免許を取りましたね』言うたら、『免許? そんなもんあるかいな!』て(笑)」
セスナは当時で8,000万円。だが、やすしは800万円しか払っていなかったため、業者は、完済するまで乗らせまいと、プロペラの片方をへし折った。それでもやすしは、同じ方向にだけ旋回するという手段で運転を続け、あげくに、もう片方も奪われると、エンジン音だけ楽しんだ。
劇場の控室では、こんなこともあった。
「隣の楽屋から、『いつも遅刻ばかりしやがって』と、きよし師匠がやっさんの頭をドライヤーでどつく音が聞こえた」。その一部始終を聞いていた洋七は、「誰にも言うなよ」とクギを刺されたという。
師匠との思い出や、面白エピソードも絶えない洋七。2014年の正月には、テレビで久しぶりにB&Bの漫才を復活させる予定がある。意気軒昂な63歳は、死ぬまで現役だ。(伊藤雅奈子)