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レジャー 2006年12月19日 15時00分
メジャー 悪役買って出る
ディープインパクトに死角あり!24日の「第51回有馬記念」(GI 芝2500m 中山)は、ラストランを迎えるディープインパクト一色のレースとなりそうだが、他陣営も虎視眈々(たんたん)と主役の座を狙っている。なかでも天皇賞・秋→マイルCSと目下GI2連勝中のダイワメジャー(牡5歳、美浦・上原厩舎)陣営は、打倒・ディープに自信をのぞかせている。 ラストランを迎えるディープインパクトに、今年も超ド級の迎撃ミサイルがロックオン。国内で唯一、英雄が低空飛行のままレースを終えたこの舞台に、今年は稀代のマルチホース・ダイワメジャーがスタンバイだ。 A級戦犯という“栄誉ある”役目とともに、年度代表馬の座までも奪わんとするメジャー。競馬史上最凶の“ヒール”は、自ら望んでこの悪役を演じきる算段だ。中山競馬場が悲鳴の渦に包み込まれた昨年の歳末GP。それまで末脚一辺倒だったハーツクライが、まさかの先行策を取ったことから“悲劇”の幕は開けられた。平成の天馬にはあまりにも短い滑走路。セーフティーリードを保ったままのハーツに対し、ディープはこの短い直線で離陸できずにあえいでいたのだ。最後は半馬身差まで詰め寄ったが、2着が精いっぱい。競馬ファンならあの衝撃は今でも記憶に新しいはずだ。 その昨年の“惨事”がこの人の頭の隅にも浮かんだのであろう。メジャーを管理する上原師はニヤリと笑う。「確かにディープは強いし、2500mになると、これまでと流れは違うでしょう。でも、まずうちの馬のペースにはなるだろうね。前めで自然に流れに乗りながら、直線手前までにいったん(ディープを)離しておくような…」 明らかに昨年のハーツを意識したような言い回し。皐月賞、天皇賞・秋、そしてマイルCSで名だたる強豪馬を封じ込んできた2番手追走→直線先頭→終いもうひと伸び、という3段方式の勝ちパターンが、師の脳裏にはしっかりと描かれている。無論、一番のカギとされる距離についても策は練ってある。2200m以上では<0003>。数字だけ見れば苦しいが、「有馬出走が決まってから、調教で長めから乗っている。ただそれだけといえばそうかもしれないし、ひいき目かもしれないが、効果は出てきている」。 名門・藤沢和厩舎が長距離戦対策に使うこの調教法。1週前追い切りの動きには、師の言う「効果」がはっきりと感じ取れた。Wコースで5F64秒8→50秒7→38秒0→13秒2(稍重、馬なり)。ほどよく気合が乗りながらも、決して馬に力みは見られない。終始リラックスした走りに、指揮官も「スムーズで流れるような走りだったね。馬の気持ちに任せて行かせようという考えだったんだが、67、68秒ぐらいの予定が、楽々とこれだけの時計が出るんだもの。とにかく馬は順調だよ」と戦前から破顔一笑だ。 ライバルには不得意なコースで、そのライバルの鞍上も、とかくこの有馬記念と相性が悪い。加えて相手陣営には相当量のプレッシャーもある。対して<2211>のベストコースにして、「来年も現役は続行しますよ」と、いい意味で切迫した状況になく、リラックス態勢のメジャー。いよいよ波乱のムードが現実味を帯びてきたのではないだろうか。
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レジャー 2006年12月18日 15時00分
有馬追い切り バルク 完璧 インパク倒へ渾身仕上げ
今年最後の大一番「第51回有馬記念」(GI 芝2500m 中山24日)に向け、道営の雄・コスモバルク(牡5歳、道営・田部和厩舎)が18日、美浦トレーニングセンターで追い切りを行った。打倒ディープインパクトを狙う陣営は愛馬をこん身の状態に仕上げるべく、意欲的な追い切りを敢行。バルクはデビュー以来、最高といえる状態に仕上がった。 雑草のように、踏まれても倒れても立ち上がるファイティングスピリッツが多くのファンの共感を呼ぶ。道営競馬の星、コスモバルクのことである。打倒ディープインパクトと、悲願の国内GI制覇を合言葉に18日、美浦で追い切りを行った。 美浦に入厩したのは15日。今回が5回目の美浦入りとあってまさに泰然自若。長旅の疲れも見せず、早速、厩舎運動をする姿は悠然としていて、風格さえ感じられる。ビッグレッドファームの認定厩務員・榎並さんに「相手にとって不足はないですね」と水を向けると、「不足はないけど、向こう(ディープインパクト陣営)は何と言うか…」。最後は言葉を濁したが、笑顔の中に決意をみて取ることができた。 宿敵ディープの前に4着と後塵を拝したジャパンCは、10kg増と太め残りが響いたもの。「調教パターンを変えて試行錯誤しながらやっているが、直前のケイコが軽かった」と反省を口にする榎並さん。JCでの敗戦を教訓にこん身の仕上げで臨む。 その言葉通り、今朝の追い切りでは榎並さんを背に、Wコースで5F64秒6→49秒9→36秒8→12秒4。前半は引っ掛かる素振りを見せたが、すぐになだめられ、道中は絶妙なラップを刻んだ。直線で一杯に追われると抜群の反応。軽快な脚さばき、素軽い身のこなしを披露した。前走の敗因にもなった太め残りについても、榎並さんは「前日は520kgくらいだったが、追い切り後の計測で518kg。木曜にも追う話があったけど、これならあとは運動だけで大丈夫」と満足げな表情。愛馬のコンディションに太鼓判を押した。 攻守ところをかえ、コスモバルクには追い風が吹いている。中山は弥生賞、セントライト記念の2重賞(皐月賞2着)を勝っているゲンのいいコース。「左回りは内にモタれる癖がある。右回りの方がスムーズに走れる」と強調する榎並さん。万全の出走態勢が完全に整い、好走条件もそろったここを先途と、必死の闘いを挑む。 JCは0秒6差、天皇賞・秋が0秒3差(4着)。この着差なら巻き返しは十分可能だろう。悲願の国内GIを目指すコスモバルクに、千載一遇のチャンスがめぐってきた。
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レジャー 2006年12月16日 15時00分
GII阪神C 芝の長いニュー阪神は札幌巧者を狙え チアフルスマイル
今年の中央競馬も残すところあと2週。24日に行われる「有馬記念」(GI 芝2500m 中山)で今年最後の大勝負をするためにも、まずは今週のレースで軍資金を確実に稼ぐ必要がある。そこで本紙特捜班は、今年新設された「第1回阪神C」(GII 芝1400m 阪神17日)を勝負レースに、独自の視点と分析で確勝級の一頭を導き出した。 的中馬券を確実にゲットするためには、まずはリニューアルされた阪神コースの特性を把握することが必要不可欠だ。 「ジャイアント馬場」と称される外回りコースは直線距離が延長され、タフなコースへと大きな変ぼうを遂げた。一方、今回「阪神C」が行われる内回りコースは、直線は352.5mから356.5mと4m微延長されただけだが、コース幅が広くなって各馬が力を存分に発揮できるようになったといわれる。 ニュー阪神のここ2週の芝1400m戦を振り返ると、3鞍が行われ、2歳未勝利戦で3番人気のシャウトライン、2歳500万特別の千両賞で8番人気のマザーズウィッシュ、古馬1000万のゴールデンサドルTで2番人気のアドマイヤディーノが勝利と、人気馬も伏兵馬も関係なく好走している現状。3頭の脚質も差し、先行、追い込みとまちまちで、狙いを絞り込む材料は見い出せない。 しかし、ニュー阪神について各ジョッキーの話に耳を傾けると、実に興味深いコメントが聞かれた。どのジョッキーも口々に「芝が長い」と語っているのだ。天才・武豊騎手も開幕週の折に「芝が長くてタフな馬場になった」と口にしている。実際、現在開催中の3場を比較しても中山、中京が野芝6〜8cmと洋芝10〜14cmの混合芝に対し、ニュー阪神は野芝6〜8cmと洋芝12〜16cm。ニュー阪神攻略には長い芝の克服が絶対条件といえる。 長い芝といえば、洋芝100%の札幌競馬場が思い起こされる。10月デビューのシャウトを除く、ニュー阪神芝1400m戦の勝ち馬2頭は、マザーズが新馬戦で0秒3差2着、Aディーノは<1112>と札幌で好成績を残していた。札幌でのコース実績が、そのままニュー阪神でも反映されるとみる。 そこで本紙特捜班は「阪神C」の初代チャンピオンに札幌コース巧者を指名。狙いはこれまで札幌でこそ力を発揮してきたチアフルスマイルだ。 札幌での3歳夏のデビュー戦は後続を1秒1も突き放すという、ケタ違いの強さを発揮する内容だった。昨年のクイーンSでも3着しているし、今夏に待望の重賞初勝利を挙げたのも札幌でのキーンランドCだった。パワーを要するタフな長い芝でこそチアフルはポテンシャルを全開する。 近2走のスプリンターズS、スワンSで(6)(15)着と大敗したのも、芝の短い軽い馬場が合わなかっただけ。これまでは洋芝100%の札幌こそ主戦場だったが、馬場改修されたことで、今後は阪神がもうひとつの“自分の庭”となるはず。 1400mも3勝を挙げている適距離。1週前追い切りで長めから追われたのに続き、今週も素軽い身のこなしと軽快なフットワークを披露しており、出走態勢も万全だ。また、キーンランドCでスマイルを勝利に導いている岩田騎手とのコンビ復活も心強い。 有馬記念を前に、何が何でも軍資金を稼ぎたい読者の皆さまは、この馬から勝負すべし!
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レジャー 2006年12月15日 15時00分
愛知杯 穴 超熟娘スプリングドリュー
牝馬限定戦になった一昨年以来、馬単配当は1万6730円→9万3220円と2年続けての大マンシュウ。土曜の中京メーンとして行われる「第44回愛知杯」(GIII 芝2000m)は、ストレートに予想していては逆に当たりが遠のいてしまう…といっても過言ではない。ここは思い切った選択が必要となりそうだ。本紙・清水は7歳を間近に控えた“超熟れっ娘”スプリングドリューに白羽の矢を立てた。 下馬評ではアドマイヤキッス、コスモマーベラスによる2強ムードの様相を呈している愛知杯。しかし、前者はGI2連戦の後というハードローテに加え、3歳牝馬には手厳しいハンデ56kg。確かに桜花賞2着などの実績はズバ抜けているが、未経験のこの酷量は確実にレースに響いてくるはずだ。最終追いでも、一杯いっぱいに追われて併入がやっと。前記の通り、強行ローテは少なからず影響していると見た。 また、コスモマーベラスも重賞での連対経験すらないのに56kgとキッスと同じトップハンデを背負わされた。2連勝の勢いは脅威だとしても、中京初見参というのも気に掛かるところだ。 そこで浮上してくるのが、ニューマーケットCでマーベラスを完封したスプリングドリューだ。続く府中牝馬Sでは順位が入れ替わっている(スプリング6着、マーベラス5着)ものの、差はわずかクビ。しかも、こちらは大外を回らされたロスがあってのものだ。この2戦を見れば両者の間に実力差がないどころか、わずかながらでもドリューに分があるとさえ判断できる。斤量差3kg(ドリュー53kg)が、どれだけおいしいものかがお分かりだろう。 前走の福島記念12着惨敗に関しては「馬場がすべて」(堀師)。荒れに荒れた開催最終週の馬場にして、連日降り続いた雨により「重」発表。道悪実績<1014>では、さすがに仕方ないの結果だろう。今週末の名古屋は幸い雨予報はなく、きっちりと力を出し切ってくれるはずだ。 中京は出走回数こそ少ないが、今夏の新潟での活躍、そして前述の府中牝馬S好走から左回りは大歓迎。当地も1000万時代にはきちんと勝ち鞍がある。確かに持ち時計はないが、前にも行け、後ろにも控えられる器用な立ち回りから、舞台に不安はない。 そしてそして、鞍上に据えるはローカルの鬼・中舘。現在96勝(リーディング7位)を数えているように、彼の頭の中には残り2週間で何とか年間100勝をの強い意志があるはず。200勝という目標が事実上立ち消えている武豊(=Aキッス)より、モチベーションは断然上だろう。いわゆる「着狙い」などということはあり得ず、全身全霊をかけて勝利を目指してくれるに違いない。
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スポーツ 2006年12月14日 15時00分
大みそかボビー弟と対戦 金子賢 前田道場入り
大みそか「K-1 Dynamite!」(大阪・京セラドーム)の対戦カードが13日、都内ホテルで発表。イケメン俳優の金子賢(フリー)がボビー・オロゴンの実弟アンディ・オロゴン(チームオロゴン)と対戦することになった。「ラストマッチのつもりでいく」と悲壮決意をにじませた金子だが、当然負ければプロ格闘家として廃業すら考えられる大一番。しかし、一部関係者間では早くも「金子再生プラン」なるものが浮上。なんと禁断の“前田道場”入りが持ち上がっているという。 「ラストマッチのつもりでいく」。ボビー・オロゴンの実弟アンディ・オロゴンとの対戦が決定した金子はみけんにシワを寄せながらクールに言い切った。決してセリフを読んでいるのでもなければ、カッコつけているワケでもない。悲壮な決意を示したまでだ。 金子にとってプロ3戦目。いまだ1勝も挙げられてないだけに、自らを追い込むためにあえて“引退”を口にしたのは無理もない。会見でも谷川貞治プロデューサーがあくまで今回は「真価の問われる試合」としたのに対し、金子は「ホント最後の気持ち」と呪文のように繰り返した。そもそもイケメン俳優として映画「キッズリターン」に出演するなど順風満帆なタレント生活を送っていたが、2年前から格闘技に専念するため俳優業を休止している金子。 とはいえ、今回「元モデルだった」という同じ“色物出身”のアンディに完敗すれば俳優業に“リターン”することも十分考えられるが、金子は「そりゃない」の一点張り。あくまで強気だ。不退転の覚悟をチラつかせながらも「格闘技はやめない」とチグハグ回答する金子だが、その舞台裏ではなんと「金子は負けてもOK」という耳を疑う声もあがっているという。 TBS関係者は次のように指摘する。「金子さんはたとえ負けても全然OKだと思いますよ。だって今度は前田さんのところで特訓とかして再生させれば面白いじゃないですか。来年、前田さんは本格的に選手育成に乗り出すみたいですし。番組としても良い前フリが作れる。あの遺恨を使わない手はないですからね」 前田日明スーパーバイザーと金子といえば、物議をかもした「センズリ発言」の一件がある。HERO'S 10月大会で戦前から前田に「金子がリングに上がるのはタレントの自己満足。センズリ参戦だ」と揶揄(やゆ)され、試合後も「アマチュアからやったほうが良い」「プロでやらせるのはかわいそう」などと強烈な“物言い”をつけられた。にもかかわらず、今回はプロ最高峰のリングに上がることになるが、金子はまだ前田に報告はしていないようで「その辺は分かんないっすね」と煙に巻いてみせた。 当初はイケメン俳優・押尾学とのタレントマッチなどがウワサされていたが、押尾が矢田亜希子と結婚するという“ハプニング”に伴い結局のところアンディとの大みそか決戦に落ち着いた金子。とはいえ、負ければ禁断の“前田道場”入りが持ち上がっているだけに、是が非でもアンディを仕留めて初勝利を挙げたいところだ。
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スポーツ 2006年12月12日 15時00分
珍指令 KID 秒殺禁止
大みそか「K-1 Dynamite!!」(大阪・京セラドーム)の対戦カードが11日、都内ホテルで発表。北京五輪を目指してレスリングに専念している山本“KID”徳郁(KILLER BEE)がアテネ五輪レスリング金メダリストのイストバン・マヨロシュ(ハンガリー)と対戦することが決定した。今年に入ってから総合格闘技ではたったの4秒しか闘っていないKID。ここにきてテレビ局サイドからは異例の秒殺禁止令が飛び出した。 金メダリストとの対戦が決定したKIDに珍指令が下された。 5月3日のHERO'Sで神懸り的な秒殺劇をやってのけた“神の子”KID。元五輪レスリング日本代表の宮田和幸を相手にゴングと同時に飛び出し、左跳びヒザ蹴りでKO。HERO'S史上最短となるわずか4秒での瞬殺劇だった。 その後、KIDは7月22日に突然レスリング転向を表明。2008年の北京五輪を目指してレスリングに専念することを明かし、総合のリングを“小休止”することにしたが、大みそか「Dynamite!!」にだけは参戦する意欲をみせていた。 谷川貞治プロデューサーによれば「KID選手が北京オリンピックを目指すことを発表したときから大みそかには出てくれることになっていた」。KIDも「来年の1月にレスリングの大会があるからケガしたら怖いけど、大みそかに出るのはノリ」と口をそろえた。 この日の会見ではアテネ五輪レスリング・グレコローマン55kg級金メダリストのイストバン・マヨロシュと対戦することが発表。北京五輪で金メダル獲得を目指すステップマッチとして格好の相手にKIDは「グレコの選手なんで、組む力がすごい強いでしょうね。クリンチの時にどれくらいのパワーがあるのか。たぶん、今まで組んだことのないパワーでしょうね」と胸を高鳴らせた。 ただし、KIDの大みそか出撃には思わぬところからある“注文”がついている。TBS関係者は言う。「KID選手はKOが多いので視聴率が取れる試合をしてくれるんですが、欲を言えば1Rは闘ってほしい。5月のHERO'Sのときは4秒殺でしたから番組の編成上、こっちが面食らってKOされた感じでしたからね。秒殺だけは勘弁。勘弁…」 そればかりか、マッチメークした谷川プロデューサーも「なにせ今年KID選手はまだ4秒しか試合してない。もうちょっとみてみたいですね。今度は大みそかなので視聴率のことも考えて、ちょっと長めに試合をしてくれればありがたいんですけどね…」と早くも気をもんでいる。 異例の秒殺禁止令を下されたKID。相手がレスリングの相手だけに、高速パンチがうなりを上げれば再び秒殺劇が展開されるのは必至。約6カ月ぶりに総合のリングに立つKIDの戦いから目が離せない。
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スポーツ 2006年12月11日 15時00分
生還小橋に捧ぐ 三沢 GHC奪還
小橋に捧ぐGHC奪還!10日のノア日本武道館大会でキング・三沢光晴が、若きGHCヘビー王者・丸藤正道を危険度Eの雪崩式エメラルド・フロウジョンで撃破。3年9カ月ぶり、3度目の王座奪還を果たした。また、腎臓ガンで長期欠場中の鉄人・小橋建太が189日ぶりにリングにあがり、「必ず帰ってきます」とファンに宣言。GHCの歴史を共に築いてきた盟友の姿を前に、ベルトを巻いた三沢は「小橋が戻るまでがんばらないとな」と頂点で鉄人の帰りを待つことを約束した。 ノアの中心に立つのは、やはり三沢だった。 今年9月に第9代王者・秋山準を破り、新時代の扉をこじ開けた天才王者・丸藤。3月には田上明を倒し、4月には鉄人・小橋と互角の勝負を展開した。残るは三沢の首ひとつ。だが、かつての師匠でノアの象徴である男の壁はとてつもなく分厚かった。 序盤は丸藤のヒザ攻めに苦しんだ。三沢の得意技・フェイスロックも極められた。だが、本紙に予告していたタイガー殺法でペースを取り戻した。エルボースイシーダ、ウルトラタイガードロップと立て続けに空中殺法をさく裂させた。 天才児が放った、花道から場外への不知火という想定外の大技で大の字になる場面もあったが、大「ミサワ」コールがキングを後押し。雪崩式タイガースープレックス85、タイガードライバー91と封印していた殺人技を立て続けに浴びせ、最後は雪崩式のエメラルドフロウジョン。武道館には悲鳴がこだまし、丸藤も3カウントを聞くしかなかった。 03年3月以来、3年9カ月ぶりに頂点へ返り咲いた。「やっぱりうれしいよね」と素直に喜びを爆発させた。戦前は、世代交代が声高に叫ばれ、4度あった前哨戦では王者の好調ぶりばかりが目についた。それでも、大一番での勝負強さは、やはり三沢だった。 「まだまだくじけちゃいないしね。オレらの世代でも強い人間はまだまだいるよ」。新時代を期待する声に対し、キッパリ言い放った。オレたちの世代。そこには、この日、189日ぶりにリングに立った小橋がいた。 GHCの歴史をともに築いた盟友は、病魔に冒されながらも必死にリング復帰の道を手繰り寄せている。「焦ってほしくないけど、オレたちの試合をみて、いい意味で早く復帰をね、『よし、がんばろう』と思ってくれればいいよね」と三沢らしいエール。小橋からも「ケガしないようにがんばってください」とのゲキがあった。第5代王者時代、三沢のベルトを奪ったのが小橋で舞台は同じ武道館。絶対に負けるわけにはいかなかった。 次期挑戦者には森嶋が名乗りを上げ、三沢も呼応。来年1・21武道館大会での初防衛戦が決定的となった。今年覚醒した次代の怪物である。それでも三沢は、「小橋が戻ってくるまで防衛する?そこまでは保障できないな(笑)。でもそれぐらいの気持ちでやりますよ」と、冗談交じりで王座死守を約束した。 盟友・小橋への思いを胸に、三沢がノアの頂点に立ち続ける。
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レジャー 2006年12月09日 15時00分
GI朝日杯FS 藍子 オースミダイドウ 逆らえない
今週は2歳王者決定戦「第58回朝日杯FS」(GI 芝1600m 10日)が中山競馬場で行われる。女優・佐藤藍子はデビューから無傷の3連勝、将来性十分なオースミダイドウに熱視線。「勝つのはこの馬で間違いない!」と確信を抱く自信の◎を打った。 来年のクラシック戦線を占う意味でも非常に楽しみな「朝日杯FS」。今年はデビューから無傷の3連勝を飾っているオースミダイドウが人気を集めていますが、私もこの馬の能力は頭ひとつ抜けていると思います。まずはこの馬の単勝を。 ダイドウに関しては、私の母がスペシャルウィーク産駒が大好きということもあって、デビュー前から評判をさんざん聞かされてきました。しかも、新馬の際はテレビでも評論家の方がダイドウを強く推奨しているではありませんか。実際、レースを見たら評判にたがわぬ大物感を漂わせていたし、「やっぱり強いんだ」と私も強く感じました。 ディープインパクトは超特別なので、それほどの馬になるかまでは分からないけど、来年のクラシック戦線をにぎわすことは間違いないはず。大げさに言えば、私にはこの馬の“ヴィジョン”が見える!父スペシャルウィークが制したダービーを勝って、ぜひ親子2代制覇を成し遂げてもらいたいです。 サンデーサイレンス亡き今、SSに匹敵するような種牡馬はまだ出ていないけど、私も大好きなその仔SWが、父に匹敵する活躍を見せてくれるのでは、と期待してます。SSの孫でズバ抜けた強さを誇る馬が見たい。ダイドウはそんな馬になってくれるんじゃないかな。 今回は武豊騎手からペリエ騎手への乗り替わりになるけど、ユタカはまだ朝日杯FSは勝ったことがないので、むしろペリエ騎手の方がいいんじゃないでしょうか。 単勝でもう一頭狙いたいのはマイネルシーガル。同じ事務所の後藤騎手が手綱を取るので“声援”を送りたいと思います。 一昨年はマイネルレコルトに騎乗してこのレースをレコード勝ち。近況も先々週のJCダートをアロンダイトで制し、先週も日曜中山メーンのターコイズSを勝つなど、目下絶好調。今週もやってくれる気がします。(プレゼンターを務めた)JCダートのときもそうだったけど、私が競馬場に足を運んだときには後藤騎手が勝つんです。今回は競馬場に行けないけど、気持ちは競馬場にいるつもりなので、好騎乗を期待します。 今週はダイドウで頭は間違いないと思っているので馬単で勝負します。 まずはダイドウを頭に、シーガルに。あとはステイゴールド産駒のドリームジャーニーを狙います。 父のステイゴールドは現役を引退してからもヤンチャなままで、ステイ産駒はそんな父の性格が受け継がれているようです。父同様に小柄(前走時420kg)なジャーニーは毛色の違いこそあれ、まさに父の生き写しといった感じ。前々走の芙蓉Sで1600mを勝っているし、父譲りの気性の強さが、GIという大舞台で爆発するんじゃないかな。 また、私は馬体の写真を見て馬券を買うことがあるんですが、今回ひかれたのがフライングアップルとローレルゲレイロの2頭。特にアップルはお尻の筋肉がいい!東スポ杯2歳S2着の実績もあるし、ぜひ押さえたい。ゲレイロも胴が短くマイルは合いそうだし、皮膚が薄く全体的にシャープな感じの馬体が好印象です。 現在の2歳馬のアドマイヤコジーン産駒はかなりデキがいいとの情報を聞きました。実際、私がグリーンチャンネル「競馬場の達人」に出たときに、パドックを見てピンときたAコジーン産駒も勝ったんです。Aコジーン産駒には2歳から力を発揮するタイプが多そう。アドマイヤヘッドは札幌2歳S、京王杯2歳SとGIII、GIIで(2)(3)着と結果も出しているし、好勝負に持ち込みそうです。 本命のダイドウと本賞金(3100万円)が同じマイネルレーニアも実績的に押さえます。父グラスワンダーと同じく筋骨隆々でお尻もプリップリなんです。左回りでしか勝っていない点が若干気掛かりだけど、いかにも走りそうな馬ですよね。 あとは3連単で勝負。今回と同じ1600mのデ杯2歳Sの1、2着馬を高く評価。でも、やっぱり勝つのはダイドウだと確信しています。フォーメーションで1着欄はダイドウ、2着欄にゲレイロとシーガル、3着欄にはゲレイロとシーガルの2点で勝負します。 (11)と(12)の単勝、馬単は(11)を軸に、(12)(3)(7)(9)(14)(4)へ。3連単はフォーメーションで(11)→(9) (12)→(9)(12)。以上10点に100円ずつの合計1000円。
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レジャー 2006年12月08日 15時00分
朝日杯FS マイネル軍団の若大将 シーガル
2歳王者を決定する「第58回朝日杯FS」(GI 芝1600m 中山10日)の枠順が、きょう8日確定した。本紙「パドック最前線」の古谷剛彦記者は、今年の2歳戦線で新種牡馬が活躍している点に着目。牧場時代から評判の高かったゼンノエルシド産駒のマイネルシーガルに白羽の矢を立てた。
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レジャー 2006年12月07日 15時00分
GI朝日杯FS マイネルレーニア 血の魔力で勝つ
2歳王者決定戦「第58回朝日杯FS」(GI 芝1600m 中山10日)まで、あと3日と迫った。谷やんこと栗東キャップの谷口昭弘記者が、今年の注目株として熱視線を送るのは大挙4頭がエントリーしてきたマイネル軍団の中でも最多の3勝を挙げているマイネルレーニアだ。中間の気配も絶好で、陣営も待望のGI奪取に意欲を見せている。 「絶好調」(西園調教師)の言葉通り、京王杯2歳Sの覇者となったマイネルレーニア。 栗毛の雄大な馬体と、前肢を高らかに舞い上げターフを叩きつける豪快なフットワークは、まさしくグランプリ3連覇(98年有馬記念、99年宝塚記念、有馬記念)の偉業を成し遂げた父グラスワンダーからしかと受け継いだDNA。京王杯2歳Sから朝日杯FSという父も歩んだ栄光の蹄跡を踏むべく、陣営のボルテージも早、臨界点の“熱さ”だ。 「競馬は『ブラッドスポーツ』と呼ばれているが、あの(武)豊が99年の有馬記念でスペシャルウィークに騎乗、ゴール板できっちり差し切ったと思ってガッツポーズ、ウイニングランをして引き揚げてきたのに、結果はグラスワンダーのハナ差勝ち。こういう血の因縁はその産駒たちにも巡るものだよ」と、西園師は開口一番、この2歳王者決定戦で1番人気と目されるスペシャルウィーク産駒の無敗馬オースミダイドウに堂々の挑戦状を叩きつける。 決戦の舞台となる中山のマイル戦についても、「押し出されて目標になった新潟2歳Sこそ不覚を取った(3着)が、自分のペースをきっちり守って走った前走の京王杯は位置取りには関係なく結果が出せた。しかも、不得手の雨も降っていたなかで。とにかく、直線入り口でジョッキーがステッキを落としながらも勝ったダリア賞を見ても分かるように、スピードがあって自分で競馬をつくれる脚質は、小回りの中山1600mにおいては大きなアドバンテージ」とベストマッチを断言する。 古馬1000万のタムロイーネーを外から並ぶ間もなく交わし切った1週前の追い切り以上に、単走で切れに切れた6日の超抜の最終調整(CW6F80秒6、ラスト3F36秒5→11秒2)を目の当たりにすれば、「素晴らしい動きだったし、顔つきはもちろんのこと、日に日に走るフォームが父親のグラスに似てくるんだ」と師のほおも緩んで当然だ。 最後に、「谷口、いい話を教えてあげようか」と、師が私めだけに肩を抱いて耳打ちしてくれた話を内外読者にもコソッとお教えしよう。 「レーニアのネーミングは母親のチェリーラブにちなんだもので、アメリカンチェリーの最高級品種のこと。オレのアンチャン時代から知っているおまえだから覚えていると思うが、初めてジョッキー時代に重賞を勝たせてくれたのがチェリーテスコで、区切りの300勝達成馬がウインドチェリー。そして、調教師になって初めてのGI勝ちが阪神JFのタムロチェリー(01年)。これだけチェリーに縁があるのは、ホント珍しいこと。何だか、プンプン甘い香りがしてるんだ。京王杯2歳Sから朝日杯を勝ってスターダムに駆け上がったグラスワンダーのように」 師の“予言”通り、ここは迷わずサラブレッドの血の魔力を信じてみようではないか。
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