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レジャー 2007年03月01日 15時00分
GII弥生賞 勝って皐月賞へ 急成長 ドリームジャーニー
クラシックの蹄音が聞こえてきた。今週の中山競馬場では皐月賞TR「第44回弥生賞」(GII 芝2000m 4日)が行われる。毎年ここをステップに若駒が次々と飛躍していくが、今年も例にもれず好素材がズラリ。中でも、栗東キャップ・谷やんが注目したのは昨年の2歳王者ドリームジャーニーだ。 勝負にこそ敗れたが、アーリントンCのローレルゲレイロで見せた男・本田の闘魂騎乗は「これぞ、真剣勝負の叩き合い」という競馬の醍醐味を深くまぶたに刻ませた。同着重賞Vという誰もが予想だにしなかった筋書きのないドラマで、今年も勝利の女神が天から舞い降りてきたエイシンドーバー・湯浅師の阪急杯。そして、ファイナル日曜阪神12R(25日)では、な、なんと、瀬戸口師→鹿戸幸師のワンツーフィニッシュでエンディング。 ターフを去りゆく人たちに、これほどまでに名残惜しさを感じたのは、長きにわたる記者人生においても初めてだし、偉大なるホースマンの今後に幸多かれと祈らずにはいられない。 もっとも、そんな記者の思いとはよそに、「これからはオレたちの時代」といわんばかりに若い息吹は着実に芽吹いている。とりわけ開業3年目にしてGI制覇を達成。しかも、過去10年を振り返っても伊藤雄二、藤沢和雄という東西の名伯楽が独占していた最高勝率調教師の栄えあるJRA賞を奪取した殊勲の池江泰寿師の前途は洋々だ。 「3歳馬がキッチリ2勝したことと、古馬500万馬がキッチリ勝てたことが受賞の最大の要因ではないでしょうか。古馬の1000万、準オープンとなると出走できるかどうか分からず、調整が難しいですからね。今年は障害戦にもチャレンジしたい。ダービー以降は除外で優先権が発生しますから」とは鋭い分析とチャレンジ精神おう盛な若き名トレーナーの弁だ。 そして、そんな師がしかとクラシックの頂きを見据え、今週の弥生賞に送り出すのが昨年の2歳王者に輝いたドリームジャーニーだ。 「1週前の追い切りが強すぎて、あれで一気にテンションが上がってしまって、レースでも出遅れ。反省する点は多かった」と振り返った東スポ杯2歳Sこそ3着に敗れたが、すかさず、その反省点をバネにして、「ソフト調教に即座に切りかえたし、当日はパドックから返し馬までメンコ装着した」と、対策を講じた朝日杯FSは万事休すの最後方から”異次元の末脚”を繰り出し、見事、4戦3勝の好成績でチャンピオンの座を射止めた。 あれから3カ月。「体重は今で10kg増だけど、首回りや腰回りにいい筋肉がついて、数字以上にボリューム感が出ている。先週あたりから常歩(なみあし)のキャンターでもピリッとしてきたし、競馬が近いことを察知している」と、ケイコ役の吉村助手は前走後のスケールアップにお墨付きを与える。 「ちょっと今週のケイコが速くなっちゃって少しオーバーワークだけど、ホント、ここまで予定通りにきましたからね。最優秀2歳馬の名に恥じないよう、ここを制して皐月賞本番を迎えたい」 ドリームジャーニー。そのネーミング通り、2007年のクラシックの夢の旅路は、この弥生賞から始まる。
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レジャー 2007年02月28日 15時00分
チューリップ賞 弥生賞追い切り速報 角居厩舎東西重賞ジャック ウオッカ&サムライタイガー
今週は東西で桜花賞、皐月賞の両トライアルが行われる。今朝はその出走各馬が最終追い切りを敢行したが、注目は何といってもこの2頭。「第14回チューリップ賞」(GIII 阪神芝1600m 3月3日)のウオッカと、「第44回弥生賞」(GII 中山芝2000m 3月4日)に出走するサムライタイガースだ。今年の3歳世代を席巻する角居軍団は、果たしてプレマッチでどんな競馬を見せてくれるのか。両重賞とも本番と同じ条件で行われるだけに、この結果がそのままクラシックに直結するといっても過言ではない。 今週も角居旋風が吹き荒れる!先週のアーリントンCをトーセンキャプテンで制した角居厩舎が、今週は桜花賞TR・チューリップ賞にウオッカを、皐月賞TR弥生賞にサムライタイガースを送り込む。クラシック本番前に3歳世代完全制圧を目論む角居軍団。今朝はその精鋭2騎が最終追い切りを敢行した。 まずは2歳女王・ウオッカ。CWコースに朝一番で入ると例によって3頭併せの最内で有り余る気合を前面に出したまま、3頭併せの真ん中を力強くへ併入。ラスト1F12秒0と直線もシャープに伸び、「負けても仕方ない仕上げ」(岸本助手)だったエルフィンS時から一変してみせた。 「前走時がかなり余裕持たせ。そういう面でいうと上積みはかなり大きいし、だいぶ戦闘モードに入ってきたよ。テンションが上がりやすい馬で普段から調整は難しいが、今のところは順調そのものだね」 青写真通りの調整過程に岸本助手はにっこり。今朝の手綱を取った四位騎手も「テンションが上がらないように気を配って乗ったが、いい感じで併入に持ち込めた。バッチリだね」と愛馬の気配に大満足の表情を浮かべた。 前走のエルフィンSは前記のような仕上げに加え、1頭だけ他馬より2kg重い斤量56kg。それで2着以下を0秒5も突き放してしまうのだから、まさに次元が違ったということ。コメント上手として知られる岸本助手をしても、「強かったですねぇ」と感嘆の声を漏らすのが精いっぱいだ。探せど探せど、今のところはまったく死角が見当たらない。 「父はためて末脚を生かすタイプだったけど、この馬は折り合わせて、折り合わせて…という感じではない。徐々に正攻法の競馬もできるようになってきたし、まずはダイワとどんな競馬をしてくれるのか見てみたい」 弥生賞でも人気を集めるであろうアドマイヤオーラと接戦を繰り広げてきたダイワスカーレット。そんな強力なライバルとの初対戦にも、陣営に臆する気配は感じられない。 一方のサムライタイガースもCWコースで3頭併せ。こちらも最内に入り、ラスト1F11秒4と文句なしの切れ味を見せつけた。1週前追い切りの時点ですでに、併せたトーセンキャプテンに騎乗していた四位騎手が「そっちの方がええんちゃうか」と言うほどのデキだ。 「1回叩いて気合が乗ってきたし、以前の硬さもとれて、だいぶ柔らかみも出てきた。先週なんかはまっすぐに走れていたしね」(岸本助手) 右側によれる癖も徐々に解消されつつあるという。 「きさらぎ賞(3着)は久々で、しかもあれだけのメンバー相手によく頑張ってくれた。あらためて能力を感じたね。今回はもっと良くなっているし、クラシックの権利を何とか取ってほしい」 3カ月ぶりの競馬で、クラシック候補の一角ナムラマース(2着)とは同タイム(アタマ差)。これを物差しに考えれば当然、人気以上のマークが必要となってきそうだ。
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スポーツ 2007年02月27日 15時00分
K-1新遺恨 魔裟斗vsTBS
「K-1 WORLD MAX 2007」(4月4日 横浜アリーナ)の対戦カードが26日、都内のホテルで発表。“カリスマ”魔裟斗(シルバーウルフ)はオーレ・ローセン(デンマーク)との対戦が決定した。先ごろ女優・矢沢心との結婚を発表した新婚ホヤホヤの魔裟斗には、この日も私生活に関する質問が集中。序盤は「基本的になにも変わらないッス」と穏やかに応じていたが、ある質問を機に“プッツン”。カリスマをたきつけたのは。 カリスマの反逆魂に火をつけてしまった。 この日、オーレ・ローセンとの対戦が決まった魔裟斗。会見では谷川貞治イベントプロデューサーから「今回は開幕戦の前哨戦なのでMAXで一番殺傷能力のある選手とのカードを組みました」と対戦経緯を説明され、「戦績だけはたいした事ないけど、決して油断できない相手。6月(開幕戦)に向けて良い試合にする」と意気込みを語った。 2003年に世界王者となって以来、頂点に立っていないだけに、今年こそは是が非でもタイトルを奪還したいところ。「今年はもう失うものはない。チャレンジャーなんで。いまは昔みたいに毎日練習してますしね」とキッパリ。また、このほど女優・矢沢心との結婚を発表した魔裟斗にとっては、夫として臨む初めての試合となる。いや応なしに矢沢の“内助の功”が試されるだけに負けられない試合となるが、結婚してからの心境の変化を問われると「基本的になにも変わらないッス」と淡白に切り返した。 しかし、だ。相次ぐ「結婚余波」への質問。ついにカリスマが業を煮やす。TBSサンデージャポンの記者から「対戦相手について矢沢さんに相談は?」という趣旨の質問が飛ぶと、表情は見る見るうちに一変。「結婚とか関係ないよね」と吐き捨て、「家庭を持ったからといって守りに入ることもない」とズバリ。続けざまに「相談してないし、相談したとしても言わないし」と怒りをにじませ回答したのだ。 語気を強めたのはそればかりではない。「ハッキリ言って、試合会場に彼女が来たからって、テレビで抜かれるのも嫌だ」。いまにもパンチが飛んでもおかしくないほどの殺気を放って、同大会を主催、テレビ放送するTBSに予防線を張ったのだ。 この緊急事態にK-1関係者は「会見前の魔裟斗選手が終始にこやかだっただけに、サンジャポさんの質問にはヒヤッとしました」とポツリ。「まあアレで魔裟斗クンがかつての殺伐とした部分をみせてくれましたし、試合が楽しみになってきました。世界王者になった年も殺伐としてましたからね」と起爆剤としてサンジャポに一定の理解を示したが、その表情は完全に青ざめていた。 魔裟斗をたきつけた格好のTBS。MAX不動のエースのボルテージはすでに“MAX”に達しているといっても過言ではないだけに、どんな試合になるのか、注目だ。
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レジャー 2007年02月26日 15時00分
弥生賞 2歳王者陣営直撃 ドリームジャーニー
今週は中山競馬場で皐月賞トライアルの「第44回弥生賞」(GII 芝2000m 3月4日)が行われる。本番を見据え、クラシック候補が集結するが、注目は昨年末の朝日杯FSを制した2歳王者のドリームジャーニー(牡3歳、栗東・池江寿厩舎)だ。わずか2カ月半ほどの休養で大きく成長したと陣営も太鼓判。一気に皐月賞最有力候補に躍り出るか、その走りに注目だ。 西では2歳女王ウオッカが桜花賞TR「チューリップ賞」に臨むが、中山ではいよいよ2歳王者が今年初戦を迎える。ドリームジャーニーは、皐月賞と同舞台でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。そして、東スポ杯2歳S(3着)で後塵を拝したフサイチホウオーとの差は、いったいどこまで詰まっているのか。 前走の朝日杯FSは道中最後方から競馬を進め、4角でもまだ前から12番手。中山の短い直線を思えば決して届きそうにない位置から、矢のような伸び脚で“その他”をすべて一蹴してしまった。これまで4戦してすべて上がり3Fはメンバー最速。前走にしても34秒0と、次元の違う切れ味を発揮してみせた。 池江寿師は「この馬の持ち味が最大限に発揮できた。しかし、それにしてもいい脚を使ってくれたね」と自身初のGI制覇を振り返り、再度その喜びをかみしめるように愛馬を褒め称える。 中間は「グリーンウッドFに放牧」に出され一時の休暇をすごしたが、「幅がでて、ひと回り大きくなって帰厩してきた」と、着実に成長の跡を示している。1週前追い切りでもDWコースで6F85秒3→69秒0→53秒9→40秒1→12秒7と、キビキビした動きで好調をアピールしている。 焦点となる2000mへの距離延長については「やってみないと分からない。トライアルなのでペースも緩くなるだろうから…」と未知な部分もあるが、「徐々に精神面は成長しているからね」と同師。ここまで4戦すべてが輸送競馬で結果を出していることからも、イレ込んでレース前に燃え尽きてしまう心配もない。 「(皐月賞への)権利ということに関しては問題ないので、ここで何が何でもというわけではないからね。それに、もし今回掛かるようなことがあっても、本番はまたペースが速くなるから」 とにもかくにも、“前哨戦”を強調する師だが、そのリラックスムードこそがGIホース陣営の余裕の表れ。ホウオーへのリベンジを果たすまで、恥ずかしい競馬は許されない。
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レジャー 2007年02月24日 15時00分
GII中山記念 超大穴 ブライトトゥモロー
23万円馬券を的中させた石沢記者がファイナルジャッジを下した本命馬は?25日、中山競馬場で行われる「第81回中山記念」(GII 芝1800m)の◎には、またも穴中の穴ブライトトゥモローを指名した。「開幕週=前残り」のイメージは安易な発想と切り捨て、過去の傾向も踏まえながら持論を展開。ブライトの豪快な差し切りが決まると判断した。 開催がわりと聞くだけで”前残り”という短絡的なキーワードを思い浮かべてしまうのは競馬ファンの悲しき性(さが)か。だが、開幕週に施行されるようになった2000年からの「中山記念」の結果を見ると、安易に先行馬に飛びつくのは危険だ。 00年1着ダイワテキサス(4角7番手)、02年2着トラストファイヤー(同10番手)、04年2着サイドワインダー(同14番手)、05年2着カンパニー(同12着)と差し、追い込みがバンバン決まっているからだ。 もっとも、逃げ勝った馬もいる。03年ローエングリン、06年バランスオブゲームがそれだ。が、馬場状態はともに重。いまのところ日曜に傘マークはついていないだけに、ここは差し、追い込み馬から狙うのが筋だろう。 詰めが甘いエアシェイディ、展開頼みのシャドウゲイト、ノド鳴りのダンスインザモア、折り合い難のインティライミと有力各馬にウイークポイントがあるならば、狙いはズバリ! ブライトトゥモローだ。 強調したいのは前々走のテレビ静岡賞。前半1000m通過62秒9のヨーイドンの競馬だったとはいえ、上がり3F33秒3は驚異的な数字。末脚の爆発力はエアシェイディと比較しても何ら見劣りはない。 実際に、前走・鳴尾記念(GIII)は出遅れ+道悪+プラス10kgの重めの三重苦ながら、33秒8の末脚で0秒8差7着。3走前の大原Sでもスズカフェニックス(東京新聞杯勝ち)に0秒3差2着と互角の勝負を演じている。 1着3回、2着2回、3着1回の1800mの距離もいい。5歳にしていまだ12戦しか使われていないのも、伸びしろを期待できる意味で好感が持てる。昨年12月以来の出走になるが、約11カ月ぶりだった05年のニューマーケットCで2着と鉄砲は苦にしないタイプ。大外一気が決まる。
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レジャー 2007年02月23日 15時00分
アーリントンC 爆穴アロマンシェス 前走Vは価値絶大
先週の土曜京都9R「つばき賞」3連単23万4670円を◎○▲で完ぺき的中させた石沢記者に今週も乗れ! その絶好調・石沢記者は「第16回アーリントンC」(GIII 阪神芝1600m 24日)の本命に関東馬アロマンシェスを指名。人気の2頭トーセンキャプテン、ローレルゲレイロには見向きもせず、コース、距離、馬場等関係なく伸びてくる安定した末脚にかけた。 人気になりそうなトーセンキャプテン。新馬500万以下を連勝と勢いは一番だが、その2戦は0秒1、0秒2差と、ともに衝撃的な強さとはいえない内容だった。これまで2連勝で消えていった馬がどれだけいるのか。3連勝すれば本物だが…。重賞の常連ローレルゲレイロにしたっていまだ1勝馬。善戦マンの印象はぬぐえない。本田騎手最後の重賞勝利というドラマも安易な発想だろう。 ならば、関東馬アロマンシェスで勝負。 とにかく「渋いね」(粕谷助手)の表現がピッタリと当てはまる馬。スパッと切れる脚はないものの、コース、距離、馬場等関係なく、安定した息の長い末脚で直線は確実に伸びてくる。 昨年の京王杯2歳S(3着)でも最内に入り、一旦、止まりかけたところから、再度鋭伸して勝ち馬から0秒1差だ。しかも、道悪馬場も難なくこなしてみせた。前走もその京王杯の再現かと思わせるような内容。最終週で馬場が悪い窮屈な位置(最内)から伸び、2着をクビ差退けたレースぶりは、着差以上に価値があった。 オープン、重賞で強敵相手と戦ってきた経験値の高さも強調したい。いちょうS(マイネルシーガル=ジュニアC勝ち)、朝日杯FS(ドリームジャーニー)、京成杯(サンツェッペリン)。それで(5)(7)(6)着なら、ここでは胸を張れる成績といっていいだろう。 距離も1600mがやはりベスト。事実、同助手も「マイルが一番競馬がしやすいし、流れが合う。京成杯(6着)の時はスタートが良すぎて、前半引っ掛かってしまった」とコメントしている。 この中間も鋭い動き(南Wコース5F66秒0、ラスト1F12秒3=馬なり)。「好不調の波がない」(同助手)と、デキ落ちの心配は無用だ。 「いままでオープンで成績を残しているからね。ここでも見劣りはしない」と同助手。ローレルの本田騎手も最後だが、粕谷助手(調教師試験合格)にとっても節目の重賞となることを最後に付け加えておきたい。
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レジャー 2007年02月22日 15時00分
GII・中山記念 伊藤雄師 重賞Vで花道 メイショウ王手!
いよいよ競馬界の“ドン”がラストウイークを迎える。2月いっぱいで定年が決まっている伊藤雄師が「第81回中山記念」(GII 芝1800m 中山 25日)のメイショウオウテで最後の重賞獲りに挑む。果たして有終の美を飾ることはできるのか、オウテの近況とともに師の素顔に迫った。 昨日は瀬戸口師の引退について触れたが、今年はもう一人、忘れてはならない人物が定年を迎える。重賞77勝、うちGI級レースは12勝(グレード制導入以前も含む)。関西の、いや、中央競馬の重鎮・伊藤雄二師が、調教師生活最後の週にメイショウオウテを送り出す。 あくまでも「中締め」を強調する師は、このオウテについても「何が何でもここを勝たなければいけないというわけではない。先のある馬だし、ボクが最後でも、お馬さんはそうじゃないんだから」と自然体の仕上げを強調。決して自分本位ではなく、馬を第一に優先してきた生きざまをここでも貫いている。 オープン昇級後は(5)(4)(5)着と、勝ち切れない現状については「展開や位置取りに左右されてしまう馬やからね。好みの流れにならなかったということ。最後はジリジリきているんやけどね」。前走の白富士Sにしても、上がり3Fは勝ち馬と同じ(3F)34秒6を計時して0秒4差。まさに師の言う位置取りの差が明暗を分けた格好だが、流れひとつでチャンスがあることもまた事実である。 「馬場さえ悪くならなければ、テンが速くなるだろうから折り合いや追走は楽になる。元気良く仕上がっているし、天気ならまずいいレースになると思いますよ」 ニッコリと笑みを浮かべ、自身の「ひと区切りとなるレース」で愛馬の好走を期待していた。 今後、伊藤雄厩舎の所属馬は、主に新規開業となる庄野(靖志)、梅田(智之)の両厩舎へ振り分けられる。師が「中締め」という言葉に固執するのも、このことからだ。馬だけでなく、人の育成にも重きをおく伊藤雄師だけに「彼らにはいろいろと教えていかなあかんから。調教師業というものなど、伝えられるべきことは伝えていきたい」と話す。 マックスビューティにエアグルーヴ、ファインモーション、そしてダービーを制したウイニングチケット。数え上げればきりのないスターホースの数々。師の経験した育成術、調教術は今後もしかと受け継がれていくはずだ。 「まっ、最後、最後とあなた方はいうけど、肩を張らずにいきますわ。ファンの皆さんにはいっぱい応援をいただいて励みになりましたが、今後も新たな2つの厩舎を見てあげてください」 中央競馬の一時代を築いた名伯楽は、ひとまず表舞台から身を引く。しかし、彼の競馬人育成、競走馬育成生活は、まだまだ終えんを迎えることはない。“雄二イズム”は今後も脈々と継承されていく。
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社会 2007年02月21日 15時00分
上層部スタッフが告発 NOVA 怪文書
“駅前留学”のNOVAが、全国各地で中途解約トラブルを起こしている。前納した授業料の未受講料の返還トラブルが裁判沙汰に発展しているのだ。だが、同社は「最高裁まで闘う」と強気の姿勢を見せている。しかし、この騒動、かなり前から起きていて、「NOVAの危機説」を訴える内部告発もあるのだ。NOVAが抱える「3つの爆弾」とは!? 「NOVAのホームページによると、英会話教室の統合などのリストラで今期中間期の売上高は285億4700万円。この数字は前年同期の11.6%減です。利益面でも営業利益はマイナス21億6700万円、経常利益はマイナス21億400万円、中間純利益はマイナス33億6500万円と赤字のオンパレードです。売上高は第4四半期(1月〜3月)に集中することから下半期に最大の効果が現れてくる、と言っていますが、今回の中途解約トラブルが表面化したことで、かなり難しくなりましたね」(経済ジャーナリスト) NOVA(本社・大阪、猿橋望社長)の中途解約トラブルは何も今に始まったことではない。かなり以前から、問題にされてきたのだ。 NOVAの内情に詳しい元同社幹部は言う。 「生徒から授業料を前受け金として受け取っているのに、なぜ半期で21億6700万円もの赤字を出さなければならないんだ、ということです。“現金商売”なのに赤字というのは固定化した経費が多すぎるんです。もっとリストラしなければ、このままでは破綻しますよ」 悲惨なのは株主だ。96年の公開時は6610円だったNOVAの株価は、現在200円前後で見る影もない。経営危機を裏付けるような内部告発もある。 「株式会社NOVAの反社会性を告発する」というタイトルの怪文書は、「…ただ客を食い物にした反社会性に満ちている。また女ずきな社長の女性関係で会社組織は動いていて、社長の趣味のマルチメディアに莫大な金が注ぎ込まれている。その上、経済ゴロと思しき輩が社内を横行する様は、とても健全な経営など望むべくもない状態だ」と、怒りに満ちている。この怪文書の冒頭には「私はNOVAの社員であり上層部のスタッフです」という書き出しがある。信憑性はかなり高いと言われている。 また、“お茶の間留学”の電話システムが足を引っ張っていると指摘する元幹部もいる。 「テレビ電話システムの機器はNOVAの子会社が販売しているんですが、約9万円もするんです。このほかに入会金、月会費、さらに利用料、通信料、授業料がかかる。インターネットの普及がここまで浸透して、接続料もますます安くなっている。インターネットの英会話教室も登場していますから、このテレビ電話システムは大誤算というわけです」 さらに、前出・元幹部はNOVAの不透明な資金調達法を暴露する。 「関連子会社がNOVAの株式を担保に銀行から借りているんです。この関連子会社は非連結ですから、決算のとき『非連結の会社ですから、NOVAとは関係がありません』と逃げられるんです。しかし、非連結とはいえ関係会社の役員には猿橋社長はじめNOVA本体の役員が就任している。そのうえ、この関連子会社はNOVAの利益で設立されたものです。商法上は問題ないかもしれませんが、社会常識からいえばNOVAと一体といえます。株主代表訴訟が起きても不思議ではありません」 現在、英会話教室は乱立し多様化している。加えて、インターネットでも簡単に英会話が出来るようになった。こうした現状を考えると、NOVAの苦境は察しがつく。前納した授業料を中途解約者に返金したくない気持ちは分かるが、経営危機説も流れるNOVAの奮起を望みたいところだ。
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レジャー 2007年02月20日 15時00分
GIII アーリントンC 本田ゲレイロ 有終
昨年のオープニング阪神は騎手引退を目前に控えた松永幹現調教師が、「阪急杯」で“奇跡のライディング”(1着ブルーショットガン騎乗)を演じ、幕を閉じた。やはり、ここ一番でドラマを見せてくれるのが競馬というスポーツである。そして、今年、が然注目を集めるのが3月から調教師への転身が決まっている本田騎手だ。「第16回アーリントンC」(GIII 阪神芝1600m 24日)はローレルゲレイロとのコンビで有終の美を狙う。 2歳王者決定戦・朝日杯FS2着をはじめ、重賞でのトータル実績は<0310>。管理するローレルゲレイロを昆師は「何かもうひとつ足りない」と評す。確かに形の上ではオープン馬でも勝利はわずかに1つのみ。最強の1勝馬…今にもこう揶揄(やゆ)する声が聞こえてきそうだが、世代トップクラスとの競馬でも崩れないのは能力なくしてはできない芸当。指揮官が苦笑混じりに話すのも、愛馬の力を熟知しているからこそなのだ。 前走のシンザン記念にしても、不利を考慮すれば3着は立派だった。他馬に外から“フタ”をされ、動くに動けない状態。これが尾を引き仕掛けのタイミングが遅れてしまったが、それでも上がり3Fのタイムは33秒7だ。アドマイヤオーラの強さが際立つ一方で、きっちり「能力の片りんは見せていた」と師は振り返る。 「まあ、あれだけ厳しい状況に置かれてしまったから。斤量を背負っていたこと、展開が不向きだったことを考えればよく頑張っている」 確かにオーラからは離されてしまったが、ゲレイロ57kgに対し、相手は56kgと1kgの“ハンデ”があったのも事実。展開面の不利を加味すれば決して悲観することはない。 前走後は今後の矛先としてクラシック路線を自重。昆師は「NHKマイルCを目標に」する決断を下した。そのためにも、本番までにマイル重賞の1つは手にしてハクをつけたいところである。 中間は課題の詰めの甘さを解消するため、終いを重点に置いたケイコが中心。3週前からは本田騎手が手綱を取り、3週前がラスト1F11秒9、2週前は同11秒5、そして1週前追い切りでは6F81秒2→65秒6→51秒3→37秒9→12秒4(すべてDW)と意欲的に乗り込まれている。 「順調。今は何もいうことない。前走は全力を出し切れなかったこともあって、レース後もケロッとしていたからね。このままいけば、いい状態でレースが迎えられる」 納得顔で話す師の表情からも、さらなる上昇カーブを描いていることが手に取るように伝わってくる。 「阪神は初だって?今は折り合いにも進境を見せているから心配はしていないよ。とにかく、この馬を育てたのは本田。勝っても負けても悔いのないように乗ってもらいたいね」 当の本田騎手も「騎手に未練はないが、今週で最後。しっかりと乗りたい」と自身の集大成をかけ、完全燃焼宣言だ。果たして“孤高のベテラン”は最終週にどんな競馬を見せてくれるのか。その一挙手一投足に注目だ。
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スポーツ 2007年02月19日 15時00分
棚橋時代到来
18日の新日本プロレス両国大会のメーンはIWGP王者・棚橋弘至VSジュニアのカリスマ・金本浩二の階級を超えた頂上対決が行われ、棚橋が飛龍原爆固めで3カウントを奪いV4に成功。金本の首固めであわやフォール負けという場面もあり、客席からは厳しいバ声を浴びた棚橋だが、次期シリーズ開幕のニュージャパンカップ制覇を高らかに宣言。次期挑戦者に名前が挙がる永田裕志、越中詩郎らにも「誰でもかかって来い」と王者のプライドを爆発させた。 エースはオレだ。新日本を守るのはオレなんだ。窮地に立たされた王者を支えたのは、新日本LOVEしかなかった。 昨夏の「G1クライマックス」でジュニアながらベスト4入りを果たし、裏MVPとまで評価された金本を挑戦者にむかえた棚橋。ヘビー級王者として勝って当たり前という重圧に、「ジュニアのカリスマということもあって、周り全部が敵に見えた。いつも以上に追い込まれた」(棚橋)。 試合でも苦しんだ。“ドS”を自称する金本は、容赦ない打撃を顔面にブチこんでくる。棚橋も得意のスリングブレイド(変形ネックブリーカー)で苦しい局面を打開しようとするが、両国のファンはジュニアのカリスマを後押し。王者はなかなか波に乗れなかった。 それでも初公開のスイング式飛龍裸締めで金本をブン投げ、ハイフライフロー(ボディプレス)を決めるが、2カウント。その直後に、金本の首固めがズバリ。あわや3カウントというシーンもあった。最後は、猛虎原爆から飛龍原爆という2大スープレックスをたたき込み、薄氷の勝利を奪ったが、客席からはブーイング、ヤジが飛び、王者の顔に笑顔はなかった。 それでもIWGPを死守し、新日本を支えてきたというプライドだけは崩れなかった。「何があろうと新日本はオレが守る。だからみなさん信じてついてきて下さい。愛してます!」。王者の叫びが、厳しい声を歓声に変えた。 次期シリーズは、春の祭典ニュージャパンカップが開幕。王者として狙われる立場にあり、早くも永田、越中らがベルト取りに名乗りを上げた。「NJC?必ず優勝する。IWGPも、誰の挑戦でも受ける。文句のあるヤツは誰でもかかって来い!」。NJC制覇、そして長期政権の樹立。棚橋は、それがイバラの道であろうと歩みを止めるつもりはない。
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