人気になりそうなトーセンキャプテン。新馬500万以下を連勝と勢いは一番だが、その2戦は0秒1、0秒2差と、ともに衝撃的な強さとはいえない内容だった。これまで2連勝で消えていった馬がどれだけいるのか。3連勝すれば本物だが…。重賞の常連ローレルゲレイロにしたっていまだ1勝馬。善戦マンの印象はぬぐえない。本田騎手最後の重賞勝利というドラマも安易な発想だろう。
ならば、関東馬アロマンシェスで勝負。
とにかく「渋いね」(粕谷助手)の表現がピッタリと当てはまる馬。スパッと切れる脚はないものの、コース、距離、馬場等関係なく、安定した息の長い末脚で直線は確実に伸びてくる。
昨年の京王杯2歳S(3着)でも最内に入り、一旦、止まりかけたところから、再度鋭伸して勝ち馬から0秒1差だ。しかも、道悪馬場も難なくこなしてみせた。前走もその京王杯の再現かと思わせるような内容。最終週で馬場が悪い窮屈な位置(最内)から伸び、2着をクビ差退けたレースぶりは、着差以上に価値があった。
オープン、重賞で強敵相手と戦ってきた経験値の高さも強調したい。いちょうS(マイネルシーガル=ジュニアC勝ち)、朝日杯FS(ドリームジャーニー)、京成杯(サンツェッペリン)。それで(5)(7)(6)着なら、ここでは胸を張れる成績といっていいだろう。
距離も1600mがやはりベスト。事実、同助手も「マイルが一番競馬がしやすいし、流れが合う。京成杯(6着)の時はスタートが良すぎて、前半引っ掛かってしまった」とコメントしている。
この中間も鋭い動き(南Wコース5F66秒0、ラスト1F12秒3=馬なり)。「好不調の波がない」(同助手)と、デキ落ちの心配は無用だ。
「いままでオープンで成績を残しているからね。ここでも見劣りはしない」と同助手。ローレルの本田騎手も最後だが、粕谷助手(調教師試験合格)にとっても節目の重賞となることを最後に付け加えておきたい。