西では2歳女王ウオッカが桜花賞TR「チューリップ賞」に臨むが、中山ではいよいよ2歳王者が今年初戦を迎える。ドリームジャーニーは、皐月賞と同舞台でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。そして、東スポ杯2歳S(3着)で後塵を拝したフサイチホウオーとの差は、いったいどこまで詰まっているのか。
前走の朝日杯FSは道中最後方から競馬を進め、4角でもまだ前から12番手。中山の短い直線を思えば決して届きそうにない位置から、矢のような伸び脚で“その他”をすべて一蹴してしまった。これまで4戦してすべて上がり3Fはメンバー最速。前走にしても34秒0と、次元の違う切れ味を発揮してみせた。
池江寿師は「この馬の持ち味が最大限に発揮できた。しかし、それにしてもいい脚を使ってくれたね」と自身初のGI制覇を振り返り、再度その喜びをかみしめるように愛馬を褒め称える。
中間は「グリーンウッドFに放牧」に出され一時の休暇をすごしたが、「幅がでて、ひと回り大きくなって帰厩してきた」と、着実に成長の跡を示している。1週前追い切りでもDWコースで6F85秒3→69秒0→53秒9→40秒1→12秒7と、キビキビした動きで好調をアピールしている。
焦点となる2000mへの距離延長については「やってみないと分からない。トライアルなのでペースも緩くなるだろうから…」と未知な部分もあるが、「徐々に精神面は成長しているからね」と同師。ここまで4戦すべてが輸送競馬で結果を出していることからも、イレ込んでレース前に燃え尽きてしまう心配もない。
「(皐月賞への)権利ということに関しては問題ないので、ここで何が何でもというわけではないからね。それに、もし今回掛かるようなことがあっても、本番はまたペースが速くなるから」
とにもかくにも、“前哨戦”を強調する師だが、そのリラックスムードこそがGIホース陣営の余裕の表れ。ホウオーへのリベンジを果たすまで、恥ずかしい競馬は許されない。