◆白富士S=メンバーを見渡せば、単騎の逃げはほぼ確実。良血・ニシノデューがようやく素質開花のときを迎える。
前々走・函館記念の惨敗(芝2000m 12着)や、母の実績(桜花賞、スプリンターズSなど)から、今回、ファンの購買意欲をそいでいるのは、いうまでもなく距離。しかし、全兄のニシノセイリュウは2000mの若駒S(99年)で勝利、2200mの御堂筋S(00年)で3着と、中距離で活躍した馬だった。つまり、血統的にはまったく不安はないのだ。
では函館記念に関してはどうかというと、足場の悪い馬場状態(道悪実績<0016>)にノメって、本来のハナに行く形が取れなかったもの。「決して長かったわけではなく、自分の競馬ができなかったから」と河内師もみている。
能力的に通用することは、前走・ニューイヤーSを見れば一目りょう然。休み明けの不利をものともせずに、好メンバーを相手に0秒4差3着と粘りに粘ってみせた。不得意なはずの道悪で重賞5着経験(エプソムC、0秒5差5着)もあるように、“通用する”どころか、オープン特別では上位の力を持っているといっても過言ではない。
開幕2週目で、まだまだ内側はグリーンベルト状態の東京競馬場。逃げ脚質は有利だし、自身<1101>(掲示板内はパーフェクト)のコース実績も心強い限り。実戦を1度叩いた上積みは計り知れなく、鞍上もエプソムC好走を導いた吉田豊騎手なら文句ないだろう。
くしくも半妹・ニシノマナムスメは同日に2歳女王とガチンコ勝負を繰り広げる(京都10R エルフィンS)が、こちらは早くも桜花賞候補とささやかれる超逸材。兄の威厳を保つには、勝利という結果しか許されない。