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社会 2008年05月28日 15時00分
事件法廷「実母殺害事件の闇」(下)
ささいな母娘の言い争いが殺人に発展した「実母殺害事件」で被告A子(48)は母親(84)への殺意を否認した。弁護人は精神科への通院歴を基に限定責任能力を主張し、殺意と責任能力があったとする検察側と真っ向から対立した。 思春期のA子は恵まれた環境にあった。両親は高齢で授かった一人娘をだれはばかることなくかわいがった。都内の有名私立女子中高を卒業した後は系列の短大に進み、某大学病院の研究室で働き始めた。両親の期待通りに成長した。 しかし、27歳のときに父親が急死してから生活が一変する。母親との2人暮らしが始まると、精神科に通院するようになった。子宮筋腫を患って子どもを生めない体になった。仕事をしなくなり、月20万円ほどの生活保護を頼りに暮らすようになった。気がつけば48歳。自宅アパートで母親と、ツケ払いのきく中華店からとった出前のチャーハンを食べていた。言い争いのあとには晩ごはん用の2人前の焼きそばと、母親の遺体が残った。 殺意についての供述は二転三転した。当初は「気が付いたらベルトで母の首を絞めていた」と述べていたが、後に「ベルトの両端を握って最後に強く引っ張ったことを思い出した」と変えた。捜査段階ではベルトで首を絞めたこと自体を「憶えていない」としている。 責任能力の有無についても一悶着あった。検察側が用意した精神鑑定人は責任能力は認められると判断。A子は不満げな表情を浮かべた。犯行状況を一部聞き取りしたとする鑑定人に対し「全くなかった」と反論した。新鑑定人を求めたが、東京地裁は却下した。 検察側は「刑事責任を軽くしようと嘘の供述をしている。真面目な反省の態度が見られない」などとして懲役15年を求刑した。 事件現場となった自宅アパートには小・中学校が隣接している。A子は「とにかくあのアパートは嫌だった」と繰り返し述べた。子宮摘出で子どもを生めない体になったA子には、その環境が耐えられなかったのか。犯行直前に母親が漏らした「子どもがいれば…」の言葉に、A子は「言ってはならないことを口にした」ときっぱり言い切った。 判決は28日に言い渡される。
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トレンド 2008年05月28日 15時00分
書評「痛み解消メソッド 驚異のエゴスキュー」ピート・エゴスキュー著、KKロングセラーズ
最近はチョットがんばっただけで疲れてしまう…。スポーツを始める前から節々が痛んで…。そんな悩みを歳のせいにしてごまかす前に、読んでみたい一冊が登場した。 ヨガやデトックスに続く米国発の新しい健康法として、今一部で話題になっているのが「エゴスキュー」だ。毎日20分程度の簡単なエクササイズで体の歪みが解消され、あらゆる部分の痛みがとれるという。 ゴルフ界の帝王ジャック・ニクラウスが「何をやってもダメだった腰の痛みが手術をせずに取れた」と推薦するほど米国での評判は高い。 ヘルニアなどの痛みから、小さなものでは頭痛や魚の目まで、その部位ごとの効果的なエクササイズが図解で紹介されている。この本ひとつで、あなたも「エゴスキュー」体験が始められるのだ。 唯一のルールは日々続けること。それだけはどうしようもないようだ。(税別1700円)
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トレンド 2008年05月28日 15時00分
書評「出口なし」藤ダリオ著、角川書店
目覚めると、そこは窓も扉もない密室。それまでの記憶もなく、部屋には年齢も職業もまったく異なる男女が5人。机の上の一台のパソコンに送られてきたメールを開くと、このゲームの支配者マスターからのとんでもない指示が書かれていた…。 本書は人気映画「ソウ」や「CUBE」に代表されるソリッド・シチュエーション・スリラーと呼ばれるジャンル。限られた状況下に放り出された人間の極限状態をスリリングに描いた作品のことで、近年非常に人気が高まっている。 「密室の12時間分の酸素が切れる前に、クイズの答えを探してゲームに勝ってここから脱出せよ。間違えれば即、死が待っている」 次第に個々の本性が露わになり、策略、裏切り、報復の果てに、いったい彼らは何を見るのか。 本書がデビュー作となる新人作家が大胆にも書ききった長編。謎が謎を呼ぶ展開の上でのラストシーンは、評価が分かれるところだ。(税別1300円)
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社会 2008年05月27日 15時00分
事件法廷「実母殺害事件の闇」(上)
「何でこんな結果を招いてしまったのか。夢であればよかったのに…」。被告A子(48=仮名)の絶叫調の泣き声が法廷に響いた。東京地裁で4〜5月、娘が一緒に暮らす実母(84)を殺害した事件の公判が集中的に開かれた。 起訴状などによると、事件が起こったのは昨年9月。自宅アパートでたった一人の肉親である母親の首を絞めた。精神科に通院していたA子を凶行に走らせたのは母親の何気ない言葉だった。 母娘は都内の私鉄沿線某駅から歩いて15分ほどの2階建てアパートを借りていた。2DKで家賃は月6万円。閑静な住宅街にある優良物件だ。 事件当日、なじみの中華料理店から出前をとった。「焼きそば」と「チャーハン」を2つずつ、昼・晩ごはん用にまとめて注文した。高齢の母娘の2人暮らしは、世間の好奇の目を避けるようにひっそりとしていた。 A子は母親とチャーハンを食べ終えると昼寝をした。夕方近くになって母親に起こされる。 「薬を多く飲みすぎたんじゃないの?」 母親はいびきをかいて熟睡していたA子を心配した。以前に大量の薬を服用して救急車で運ばれたことがある。しかしA子は「飲みすぎてなんかいないわよ。どうして信じてくれないの!」と食ってかかった。 母親は「あんたに子どもでもいたらグウグウ寝てないのにね」と皮肉交じりに返した。A子は逆上した。 母親の胸ぐらをつかんで激しく揺する。母親の後頭部が壁にぶつかり仰向けに倒れた。近くにあったテーブルの足で頭などを何度も殴り、さらに皮製ベルトを首に巻きつけ絞めあげた。 A子の通報で事件が発覚した。 法廷でのA子は実年齢より老けて見えた。グレーのトレーナー上下に丸メガネ。およそ殺人とは結びつかない小柄で地味な女性である。入廷時には、検察官、弁護人、傍聴席にまで頭を下げた。 殺害を認めつつ「殺意を持っていたわけではない。ベルトで首を絞めたことは結果的には事実だが、その過程ははっきり記憶していない」と供述。弁護人は「犯行当時は心神耗弱状態にあった」と傷害致死罪を主張した。 裁判の争点は、A子の殺意と責任能力の有無に絞られることとなった。
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レジャー 2008年05月27日 15時00分
ベンチャーナイン、スマイルジャックの2頭出しで夢舞台に立つ小桧山師
今週は競馬の祭典「第75回日本ダービー」(JpnI 芝2400m 6月1日)が東京競馬場で行われる。この夢の舞台にスマイルジャック、ベンチャーナインの管理馬2頭を出走させるのが小桧山悟調教師(美浦・54歳)だ。とくにベンチャーナインは高額馬が並ぶ出走馬の中で、わずか420万円のリーズナブルな馬。「幸運にもベンチャーという宝物に出合えた」という“へそ曲がり”トレーナーが、熱い胸の内を語った。 8150分の18。05年に産声を上げたサラブレッドが今年のダービーに出走できる確率である。厩舎を開業して12年目の小桧山師は、この一生に一度の晴れ舞台に2頭の管理馬を出走させる。 02年ダービー馬タニノギムレットを父に持つスマイルジャックと、未出走のエイシンサンディが父のベンチャーナインだ。とりわけ、ベンチャーナインはエリートが集うダービーの舞台にあって、雑草のたくましさを持つ。 当馬は06年のサマーセール取引馬で、購買価格は420万円。出走登録馬26頭中14頭を占めるサンデーサイレンス系産駒の1頭だが、ほかの高額馬と比較すると何ともリーズナブルだ。 そんなベンチャーナインを「1頭(個人)馬主の“希望の星”と言ってるんです」と笑う小桧山師。自分自身を「へそ曲がり」というだけに、その発想もユニークそのものだ。 「高い馬が手に入らないというか、高い馬を買える馬主さんとは付き合っていない。だから発想も自然と逆になってね。手に入る馬でそういった馬(血統馬)を負かす方向でいくしかないと。イジケ根性ですね」 それが“小桧山流”のポリシーであり、開業以来、そのスタンスは一貫して変わることがない。トレーナーは限られた予算の中での牧場視察やセリへの参加を感慨深げに、こう例える。 「ボクはある意味で、宝物のない場所で宝探しをしているのかもしれない。でも、幸運にもベンチャー(ナイン)という宝物に出合えた」 宝探しの話になると子どものように目が輝いた。 「ダービーに出られる馬も宝物だけど、自分の中では40回、50回と、5歳、6歳まで厩舎にいて競馬をしてくれる馬を見つけるのも宝探しと思ってる。3戦3勝で引退する馬と、50回、60回走って2つ、3つしか勝ってない馬とどっちが面白いか、甲乙付けがたい」 決して背伸びをせず、身の丈にあった、分相応の厩舎経営にこだわる小桧山師の姿勢に、共感を覚えるファンも少なくないだろう。 「見るだけのレースと思っていたダービーに、2頭も参加させられるのは調教師冥利に尽きる。ボクらは結果を受け止める仕事なので、他馬のジャマをせず、人様に迷惑をかけないで走ってきて、それで結果が良ければ最高」 荒れ模様のダービーだけにベンチャーナイン、スマイルジャックの伏兵2頭が、人気の高額馬にひと泡ふかせるシーンも十分。小桧山師は気負うことなく、静かにその時を待っている。〈プロフィール〉 ◆小桧山悟(こびやま・さとる) 1954年1月20日兵庫県生まれ。81年4月より畠山重厩舎で調教助手を務め、95年に調教師免許を取得。同年、美浦で厩舎を開業した。主な活躍馬にイルバチオ(03年アイビスサマーダッシュ)、スマイルジャック(08年スプリングS)がいる。また、大相撲小結の稀勢の里の私設応援団長の顔も持つ。
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レジャー 2008年05月27日 15時00分
優等生スマイルジャックが混戦を断つ
デビュー時から小桧山師が「優等生」と評し、将来を嘱望されていたスマイルジャック。スプリングSを制して臨んだ皐月賞は4番人気と伏兵視されたが、結果はまさかの9着。デビュー以来、初めて複勝圏から外れる屈辱を味わった。 だが、芝崎助手は「緩い馬場が影響したのか、息を入れず、気負って走っていたからね。掛かり気味になったのもそのせい」と実力負けを否定。「疲れは多少あったが、今は持ち直している。今年は抜けた馬がいないし、折り合いがつくようなら」と巻き返しを誓う。セールスポイントは相手なりに走れる堅実さ。混戦の追い比べとなれば、浮上の余地は十分。
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レジャー 2008年05月27日 15時00分
末脚の破壊力はナンバーワン ベンチャーナイン
ダービー路線の中で最も地味なTR・プリンシパルSを制して乗り込むベンチャーナイン。僚馬スマイルジャック同様、惜敗が続いていたが、プリンシパルSではこれまでのうっ憤を晴らすかのような圧勝劇で地力強化を印象付けた。 年明けの京成杯では皐月賞3着のマイネルチャールズにクビ差まで詰め寄ったように、能力は相当なもの。また、全9戦のうち、実に7回もメンバー最速の上がり(3F)をマークしており、切れ味だけなら現3歳でも屈指の存在だ。 「右回りはササるが、左回りは本当にスムーズ。とにかくタフな馬で連戦の疲れはないし、前が引っ張ってくれる展開なら」と芝崎助手。ハマれば“混戦”を切り裂くだけの破壊力はある。
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レジャー 2008年05月27日 15時00分
距離経験は大きな強みアドマイヤコマンド
遅れてきたダービー候補アドマイヤコマンドが一気に頂点を狙う。 青葉賞は強かった。4、5番手にサッとつけると直線はメンバー最速の鋭い伸び脚であっさりと突き抜けた。史上まれにみる混戦ダービーだけに、同じ距離と舞台を経験している強みは大きい。 3月の阪神でデビューして今回が4戦目。これでダービーを制覇すれば3戦目で制したフサイチコンコルドに次ぐ最少キャリアになる。しかも、その中身はライバルより濃いかもしれない。 「青葉賞が上がりの競馬なら、その前の毎日杯はハイペースの厳しい競馬だった。2つの違ったパターンの競馬を経験し、結果を出しているんだからね。キャリア不足は十分補えると思う」と橋田師は強調した。 デキもいい。1週前の追い切りは栗東坂路で800m53秒8。時計は平凡だったが、「重い馬場は走らないから格下馬に遅れたのも気にならない。その前の週のケイコがすごく良かったし、馬自身は一戦ごとに良くなっている」とうなずいた。 毎日杯ではNHKマイルCを制したディープスカイに完敗したが、伸びシロと2400mの経験値を加味すれば逆転は十分可能だろう。 「能力は相当なものを秘めている。期待しています」 アドマイヤベガ以来、2度目のダービー制覇が師の視界には入っている。
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レジャー 2008年05月27日 15時00分
ダート最強馬サクセスブロッケンがダービーへ殴り込み
無謀なチャレンジなのか、あるいは勝算のある戦いなのか?無敗のダート4勝馬サクセスブロッケンが、ダービーに挑戦状を叩きつけた。 同様のケースとしては1996年、ダート2戦2勝のアドマイヤビゴールが初芝で挑んだが、10着に惨敗している。当然ながら、ハードルはかなり高い。 「普通にユニコーンSを使っていればきっと勝っていただろう。でも、それじゃあ、面白くない。やはり出走できるならダービーを使いたいし、勝つ可能性は決してゼロではない」 藤原英師は出走の経緯についてこう語る。父シンボリクリスエスは2002年のダービー2着馬であり、母サクセスビューティは02年のGII・フィリーズレビューを勝利。両親ともに芝での活躍馬だった。血統からいえば、むしろダート専従できたキャリアの方が不可思議なくらいだ。 「ダートを使ってきたのは脚元が弱かっただけで、決して芝がダメだから使わなかったわけじゃないんだ。もちろん、こなせると確信している」 藤原助手は初芝にも自信をのぞかせた。そもそも手応えを感じていなければ、クラシック追加登録料(200万円)を支払ってまで夢舞台には出走してこないだろう。しかも、今年は傑出馬不在。未知の可能性を感じずにはいられない。 「初芝さえ戸惑わなければチャンスはあると思う。もちろん、希望を持って出走させる」 初芝でのダービー制覇…今回の挑戦を無謀とかたづけるのは危険だ。
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レジャー 2008年05月27日 15時00分
日本ダービーびっくりデータ編 “潜伏確変台”は柴田善と蛯名
今年のダービーの馬券を演出する騎手は、ヨシトミと蛯名。主役不在の混戦GIでは、過去のデータを分析して予想の一助にするのもアリではないか。 過去10年のダービーを調べるうちに、3着までの騎手絡みの意外なデータが浮かび上がってきた。3連対騎手そのものではない。その3騎手の隣接馬番(1着3番なら、2番と4番)の騎手に注目するのだ。 有力ジョッキーは対象にならないのでは、と早合点してはいけない。3連対した馬番の両サイド馬番には、リーディング上位の騎手がぞろぞろ入っているのだ。 今年のダービーで乗り馬がいる騎手では、(柴田)ヨシトミ(写真左)と蛯名(同右)が4回と3回で1、2位。ヨシトミは過去10年で9回騎乗していて連対は2着が1回だけ(06年アドマイヤメイン)。蛯名は10年連続騎乗していて馬券になったのは04年の3着ハイアーゲームだけ。 2騎手には申し訳ないが馬券で狙うより、“裏メーカー”としてのほうが頼りになる。パチンコでいえば“潜伏確変台”にあたるか。 関西の騎手は福永、四位らが2回までであまり頼り?にはならない。裏メーカーは関東の騎手というのもナンダカナーなのだが、予想には使えるのではないか。
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