同様のケースとしては1996年、ダート2戦2勝のアドマイヤビゴールが初芝で挑んだが、10着に惨敗している。当然ながら、ハードルはかなり高い。
「普通にユニコーンSを使っていればきっと勝っていただろう。でも、それじゃあ、面白くない。やはり出走できるならダービーを使いたいし、勝つ可能性は決してゼロではない」
藤原英師は出走の経緯についてこう語る。父シンボリクリスエスは2002年のダービー2着馬であり、母サクセスビューティは02年のGII・フィリーズレビューを勝利。両親ともに芝での活躍馬だった。血統からいえば、むしろダート専従できたキャリアの方が不可思議なくらいだ。
「ダートを使ってきたのは脚元が弱かっただけで、決して芝がダメだから使わなかったわけじゃないんだ。もちろん、こなせると確信している」
藤原助手は初芝にも自信をのぞかせた。そもそも手応えを感じていなければ、クラシック追加登録料(200万円)を支払ってまで夢舞台には出走してこないだろう。しかも、今年は傑出馬不在。未知の可能性を感じずにはいられない。
「初芝さえ戸惑わなければチャンスはあると思う。もちろん、希望を持って出走させる」
初芝でのダービー制覇…今回の挑戦を無謀とかたづけるのは危険だ。