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レジャー 2009年03月24日 15時00分
高松宮記念(GI、中京芝1200メートル、29日) GI虎の巻 丹下日出夫はあの伏兵に熱視線
今週は春のGIシリーズの第1弾「第39回高松宮記念」(GI、芝1200メートル、29日)が中京競馬場で行われる。本来なら断然の主役を張るはずの昨秋のスプリンターズSの覇者スリープレスナイトが病み上がりのため、ぶっつけ本番を余儀なくされた一戦。波乱ムードが充満するなか、競馬評論家の丹下日出夫は宮記念を制す“ツボ”は3つあるとした上で上昇一途の伏兵に注目した。 スプリントGIの舞台は、春に高松宮記念、秋にはスプリンターズSが設定されているものの、ここ数年、春秋両方を制した馬は、ビリーヴくらい(2002年秋のスプリンターズSと、03年春の高松宮記念の変則制覇だったが…)。 スプリント戦線といえど、一年を通して調子を保つのは意外と難しく裏を返せば、その時々で最も勢いのある旬の馬が狙い目ということにも通じる。 もちろん、重賞実績、平坦コースの巧拙、別定重量での良績が背景になくてはならないが、その条件を近3走という短いスパンであっさりクリアしたのがアーバンストリート。 3走前に57キロを背負い、とりあえず1600万をクリア。続く尾張Sは、追い込み届かずの3着に敗れたものの、上がり3Fは最速。前走のシルクロードSでは、尾張Sで先着を許したヘイローフジに借りを返すと同時に、一気にGIIIを奪取した。ラスト1Fで、ヌッとばかりに現れた見た目の迫力も満点なら、上がり3F33秒9も最速。それまで条件クラスで足踏みが続いていたキャリアを考えると飛躍的な成長を遂げている。 しかも、中京は<3022>というコース巧者。シルクロードSをステップに、このGI・高松宮記念を制した昨年のファイングレインと姿がダブって仕方がない。その名とは対照的にローカル限定馬だったアーバンストリートが、平坦コース唯一の高松宮記念で表舞台に立つときがきた。 もっとも、スリープレスナイトという壁は強大。ただ、いかんせん今回は6カ月ぶりの実戦。鉄砲実績もあるにはあるが、調整の意味での放牧と違って、今回は休養中にジンマシンを発症。必ずしも意図したものではない。 1週前の追い切りで、800メートル50秒3という坂路一番時計は出たものの、テンに飛ばして力んだ分、ラスト1Fは13秒1とアップアップ。元来、坂路で動く馬とはいえ、いいころは、流れるようなラップを刻み、ラスト1Fも12秒5前後でスパッと伸びていた。直前の追い切りでどう変わるかだが、今回に限っては、付け入るスキがあるはずだ。 ほかでは、京阪杯で上がり3F32秒6というケタ違いの末脚を駆使したビリーヴの仔ファリダットにも一瞬、心が揺らいだが、いまだ重賞未勝利の上、57キロでは勝ち星すらない。左回りにも若干、課題が残る。 アーバニティは連闘明けの一戦。冒頭で述べた上がり馬の条件はクリアしているものの、目に見えない疲れが心配だ。
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レジャー 2009年03月24日 15時00分
高松宮記念(GI、中京芝1200メートル、29日) 究極の上がり馬ビービーガルダンが怪気炎
勢いで挑む。春のGIシリーズの開幕戦「第39回高松宮記念」(中京芝1200メートル、29日)。実力馬がそろい混戦模様だが、前哨戦の阪急杯を完勝したビービーガルダンが初GIを狙っている。放牧明けで状態がいまひとつだった前走を制して、陣営の意気は上がるばかり。得意の小回り6F戦で一気に夢をかなえるか。 強気で鳴らす領家調教師だが、それにしても前向きだ。「相当にデキはいい。もちろんメンバーは強いけど、この状態ならやってくれると思う」とうなずいた。 確かにビービーガルダンの前走・阪急杯は、陣営をそこまで乗り気にさせる要素に満ちていた。昨年11月の京阪杯以来の一戦。3カ月ぶりのうえ、放牧帰りで完ぺきな仕上がりで送り出すのは難しかった。 「牧場から戻って3週間あまりしかなかったからね。正直いって、具合に関しては自信がなかったんだ。こういってはなんだけど、あのレースは攻め馬がわりと覚悟して臨んだほどだった。それがあの強さだからね」 ローレルゲレイロの逃げを2番手でぴったりマーク。直線は余裕を持ってあっさり抜け出した。2着のローレルには1馬身1/4差の完勝。勝ち鞍のほとんどが北海道の小回りコース、しかも1200メートルだっただけに、坂と1400メートルを克服したのには恐れ入る。まさに成長の証しだ。 勝った勢いそのままに、中間は上昇ぶりが目立つ。18日に栗東CWで行われた1週前追い切りは、初コンビとなる武幸騎手が騎乗。5Fから70秒3、ラスト1F12秒1と鋭い伸びを見せた。 「本当に乗りやすい。状態はまったく問題ない」と武幸がいえば、トレーナーは「馬場状態が悪かったのに、しっかり伸びた。前走とは見た目からして違う」と上積みは計り知れない。 阪急杯で重賞初Vを達成した勢いで、今度はGI初制覇に挑む。もちろん相手は強力だ。しかし、今度はベストといえる小回りの1200メートル。舞台設定は文句ない。 「今なら時計の速い決着にも対応できるはずだし、テンが速ければ控えたっていい。今のデキなら…」。念を押すように、仕上がりの良さを強調した。勢いを味方に、一気のVも夢ではない。
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レジャー 2009年03月24日 15時00分
高松宮記念(GI、中京芝1200メートル、29日) キンシャサノキセキ もう銀メダルはいらない
昨年(2着)の雪辱を期すキンシャサノキセキに、暗雲が垂れこめた。その原因は、前哨戦のオーシャンSでよもやの10着と背信的な大敗を喫したことがすべてだ。 いったいレースで何があったのか? 堀調教師は戦前、次のようにレースを展望していた。「休み明けで)八分の仕上げだけど、それでも良馬場なら実力的にチャンスはある」。確かに、昨年の短距離2冠(2)(2)着の実力をもってすれば、たとえ八分のデキでも勝てるメンバー構成だった。 ところが、最も心配していたことが現実になったのだから、不運といえばあまりに不運。見えない敵(道悪馬場)にチャンスの芽を摘まれてしまったのだ。 「負けたのは残念だけど、敗因は道悪と明らか。それに、着順ほど差(0秒3)はなかったし、悲観はしてませんよ」と気丈に振る舞った。天気とケンカしても勝てる道理はなく、すでに気持ちはリセットされていた。 「幸い使った後も反動が出なかったのは何より」と笑顔を取り戻したトレーナー。その目安となった1週前追い切り(19日)は、南Wコースの大外をぶん回り、6F83秒3→68秒6→54秒2→40秒4→13秒3を一杯にマーク。意欲的な攻めで本番に向けて、確実に一歩を踏み出した。 「きょうは息をつくることに主眼を置いて、長目からやりました。大幅に良くなった感じはないが、使った分、上積みは見込めるでしょう。(一年越しの)大目標のレースだし、気持ちの面でしっかりつくっていきたい」 こん身の仕上げで勝ちに行く決意が、手に取るように伝わってきた。 スタートでつまずき、土俵際に追い込まれたキンシャサノキセキだが、神が与えたこの試練も、天気が意地悪をしない限り、乗り越えられるはず。陣営はもとより、ファンも栄冠達成のシーンを信じている。
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社会 2009年03月24日 15時00分
経済偉人伝 早川徳次(シャープ創業者)(16)
徳次の家の事情を知っている芳松が、他の者に気後(きおく)れしないようにと打ってくれた芝居だった。こんな芳松の心遣いに徳次は、口に出してはうまく言えなかったが深く感謝した。そして心の中に“この親方のために…”という誓いのようなものを抱いたのだった。 徳次の給金は小遣い銭として毎月貰う8銭だった。子供なりにお金の有難さをよく知っていた。給金を貰っても1銭も使わず、荷物の底に大事にしまっていた。 蓄えは毎月少しずつ増えていく。月の終わりに紙包みを開いて、貰った小遣いを入れ足していく時、日々の辛抱や努力がそこに蓄積されて報われていくような気がした。けれども、この蓄えは手元には残らなかった。義母が店にやって来ては徳次を呼び出し、せっかく貯めた給金を持って行ってしまったからだ。義母が初めて坂田の店に金をせびりに来たのは、徳次が丁稚に入ってから何カ月か経ってからのことだった。奉公に入ったときに熊八には5円という大金が支払われていた。それを使い果たしてやって来たのだ。義母は家の生活が苦しいことを訴え、徳次から芳松に頼んで金を少し借りてくれと言う。 そんなことは、できる筈(はず)もない。何と返事をしたらいいものか、困惑して黙って俯(うつむ)いたまま、道に転がっている石を見つめていた。義母も帰ろうとしない。いつまでも店から離れているわけにはいかない。仕方なく、徳次はその場を離れて大部屋に行き、荷物の底に大事にしまっていた何カ月分かの給金を取り出して義母の所に戻った。「これ」と言って差し出した給金の包みを、「あるんならとっとと渡しなよ。人をこんなに待たせるんじゃないよ」と悪態をつきながら受け取ると、また来るからと言い残してやっと帰って行った。 徳次は体の中を風が吹き抜けるような思いがした。そしてその後は小遣いが貯まる頃には決まって義母が現れ、蓄えを持って行くのだった。
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社会 2009年03月24日 15時00分
永田町血風録 献金問題で傷を舐め合う与野党
民主党の山岡賢次国対委員長や鳩山由紀夫幹事長の口から「(衆院解散で)国民に信を問え」といったコメントが、このところほとんど聞かれなくなっている。 山岡は共闘しているはずの野党の同じ国対委員長、共産党の穀田恵二、社民党の日森文尋と個別に会って、平成21年度予算関連法案について話し合い、「この不景気の時、やたらと審議の引き延ばしをしても意味がない。とにかく年度内成立に応じよう」と持ちかけたが、穀田は反対、日森も回答を保留した。 「なにも、そう急いですることはない。野党各党が個別に、それぞれ行動すればいい」という考えが民主党を除く野党間にあるのは確か。さながら、同床異夢だ。 なぜ山岡がこんな言動をするようになったか。いうまでもなく小沢一郎代表の秘書が、公共事業受注企業(西松建設)からの政治献金問題がある。小沢は「この献金による逮捕は国策捜査だ」と発言。国民の間に「やっぱり小沢だね。田中(角栄・故人)、金丸(信・故人)のカネにまつわる悪いところをそのまま引き継いでいる」といった自身への不信を、なんとか払拭しようとしてのものだった。 今までの民主党の主な役どころは“小沢教”であり、党内では誰一人として小沢に対しては口も利けなかった。しかし、小沢の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件を受け、党政治改革推進本部役員会で政治資金規正法の見直しが俎上に乗せられた。もちろん、その議論の中心になるのが「公共事業受注企業からの政治献金全面禁止」を打ち出すかどうか。小沢の判断次第だが、小沢はことのほか慎重な姿勢を示している。 一方の自民党も西松建設からの資金提供(パーティー券など)で閣僚などがスネに傷を持っている。あまり“大口”は叩けない立場にある。 国会で、これでもかとばかり中傷合戦を展開していた自民党と民主党はなぜか示し合わせたように、この献金問題などカネのことは言わなくなっている。 共産党や社民党は、このチャンスを逃している。社民党内には、今回の事件は共闘している民主党のエラーで、あまり接近して自分たちも砂を被りたくないと、そんな姑息なことを考えて一歩、下がっているフシさえある。国会で積極的に議論に加わらない方がいい、と言わんばかりなのだ。 そんなわけで、国会におけるカネと政治の問題は、四海波静かの状態。 「与野党とも同じ傷を舐め合っている。鳩山も言わないし、山岡も民主党内で口をつむんているのは、口を開いてシッポを掴(つか)まれたくないからだ。自民党にしても、そうだ。藪から蛇でも出したりしたら、今は致命傷になる」(政治ジャーナリスト) 自民党、民主党ともに今は、“イワザル”の心境なのだ。(文中敬称略)
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その他 2009年03月24日 15時00分
WEB読者プレゼント コロコロ洋服クリーナーミニ
花粉の季節。せっかくオシャレをして出かけたのにスーツやワンピースに花粉が! 最近は中国から海を越えて黄砂が日本列島に降り注ぐ。室内に入って服を見たらホコリだらけなんてことも。 そんな時、頼りになるのが日用品メーカーのニトムズ(東京・中央区)の「コロコロ洋服クリーナーミニ」。粘着テープを床に転がして使う清掃用具「コロコロシリーズ」が大ヒットした同社が新発売する洋服用ホコリとりだ。 ケータイとほぼ同じコンパクトサイズで持ち運びも手軽。服の上からコロコロするだけで、花粉やホコリ、ペットの毛などを取ることができる。色はピンク、グリーン、イエローの3色を用意。ポップカラーがカワイイ。 この商品を3色3名、計9名にプレゼント。 ※プレゼントの応募は締め切りました。
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芸能 2009年03月24日 15時00分
アラフォーになっても大人気の小泉今日子
3月14日から公開されている映画「ホノカアボーイ」の主題歌「虹が消えるまで」を歌っている小泉今日子(43)。80年代にはトップアイドルだった小泉だが、アラフォーになっても、その人気は衰えない。キョンキョンはおじさんたちの永遠のアイドルといえそうだ。 先ごろ、行われた映画の試写会に登場し、歌を披露した小泉。 「試写会で歌う前は『緊張でちびりそう』と言ってましたが、終了後、ギタリストの斉藤和義から『とってもエロかったです』と言われ、さかんにテレていました」(芸能リポーター) 小泉は昨年、5年半ぶりのアルバム「Nice Middle」を発売。記念企画ではデビュー26年で初めてイベントプロデュースも務め、大成功を収めている。 また、昨年末には主演していた2本の映画「グーグーだって猫である」「トウキョウソナタ」で報知映画賞の主演女優賞に輝いた。 「映画では等身大のアラフォー女性を演じ、高い評価を得ました。実際、キョンキョンは40歳を過ぎても新しいことにチャレンジしてるし、同年代女性のあこがれ、アラフォーの星的存在です。また『ロンブー』の田村淳や『品川庄司』の品川祐に代表されるように、若手芸能人にも絶大な人気を誇っています」(芸能ライター) 村上里佳子、渡辺満里奈、鈴木保奈美、安田成美…とアラフォー女性芸能人は数多いが、その中でも小泉の存在は飛び抜けて大きい。 「しかし、キョンキョンはアラフォーというと、いつもキレイにオシャレをして、格好よく生きなければならないというイメージがあるらしく、息苦しさを感じる言葉ととらえているようです。ちなみに映画『おくりびと』で話題を独占した本木雅弘とは同い年で、芸能界でも同期という間柄です」(芸能リポーター) そんな小泉がアラフォー世代になって初めて興味を示したのがTバックのパンツだという。 「季刊誌『真夜中』(リトルモア)に掲載された短編エッセイの中で“四十二歳にして初めてTバックのパンツを買ってみた”と告白しているんです。30代はオンナ度が低い男物のトランクスのような四角いパンツばかりをはいていたようです。ここにきてのお色気度アップは、こにへんに原因があるのかもしれません」(芸能ライター) 今後、ますます進む高齢化社会で、キョンキョンは再びおじさんたちのアイドルになる。
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その他 2009年03月24日 15時00分
「大王世宗DVD」プレゼント
日本の「篤姫」や「天地人」に負けじとばかりに、韓国でもいま大河ドラマが大注目。 特に「大王世宗 テワンセジョン」は昨年公開されるなり、韓国大河ドラマのなかでも最高峰の面白さと話題だ。 朝鮮時代の最高のリーダーと称される世宗の激動の生涯を壮大なスケールで描く。2万人の出演者と20億円以上の製作費をかけて作られた全86話の歴史大作。 日本でも4月29日よりレンタル開始。この第1話を収録したDVDを5人にプレゼント。 ※プレゼントの応募は締め切りました。
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芸能 2009年03月24日 15時00分
人物クローズアップ 加藤健一
二組の老夫婦と孫の離別を通じて家族のきずなを描いた「川を越えて、森を抜けて」が現在、下北沢の本多劇場で上演されている。笑いと涙を織り交ぜ、親子とは何か? 家族とは何か? 見る者に訴えかけるハートフル・コメディー。主役のフランクを演じる加藤健一(59)に話を聞いた。 原作は米の劇作家ジョウ・ディピエトロが自身の家族について描いた戯曲。初めて舞台にかけた演目だったが、安心して初日を迎えられたという。 「けいこの段階からうまくいってたし、手ごたえがありましたから。けいこは1カ月半ほど。演出家の高瀬久男さんも“必ずうまくいく”と自信を持ってたので、安心してお任せしました。まぁ、失敗する作品はけいこの段階からもめるものですが、今回は1から10まで演出家の言うがまま。指示が的確だったからです。そのイメージを舞台で再現すれば、必ず成功すると思っていました。それに僕自身、原作を読んだときは感動して、泣き笑いでしたから(笑)。これは大丈夫、必ず観客も感動すると」 米ニュージャージー州の小さな町に住むフランクとアイーダ(竹下景子)夫妻。その2軒隣には娘の夫の両親ヌンツィオ(有福正志)とエンマ(一柳みる)夫妻。そして、両祖父母の近くで暮らす孫のニック(山本芳樹)。毎週日曜の夜は、そろって夕食を共にする仲の良いイタリア系家族。だが、ニックのシアトル転勤が決まり、それを阻止すべく祖父母らは若い女性のケイトリン(小山萌子)とお見合いさせるという話だ。 「家族の話を軸にした会話劇で、ストーリー的なものはほとんどありません。孫が転勤で家を出て行く、それをジジババが引き止めるという、ただそれだけの話。物語に展開はないけど会話がオシャレなので、セリフで観客は引き付けられる。ストーリーを書かずに引っぱっていけるのは作者に不思議な、相当な筆力があるからだと思います。話に行き詰まると事件を起こしたり、何か展開させたくなるもの(笑)。でも、この話にはそれがない。作者に自信があるんでしょうね」 映画「ゴッドファーザー」の例を出すまでもなく、イタリア系アメリカ人は家族のきずなが強固なことで知られている。マフィアに限らず、ごく一般的な人々でもだ。この話もイタリアとアメリカという二つの国のフィルターを通した“異国”の話。だが、演じられる舞台は驚くほど、そっくり日本社会にも当てはまる。 「原作を読んで感動できるのは、国に関係なく共通項があるということです。とても海外の話は思えない。日本と非常に状況が似てるんですよ。僕らの二世代ぐらい前までは家族のつながりが濃密でした。でも、私の世代あたりから親と一緒にいることが少なくなって、さらに下の世代はもっと関係が希薄でしょう。現にこの話でも主役はニックの祖父母で、両親は出てきませんし」 日本の観客が違和感なく受け止められるのはアメリカっぽさが強調されていないから。それが異国的ではなく、身近に感じられる要因だろう。 「あまりアメリカっぽくすると逆に感動できないんですよ。ずっと昔なら外国人を演じる際は顔にシャドー塗って金髪のカツラ、付け鼻つけたりしてましたけど、今はやってません。外国の話でも無国籍っぽくするのが最近の潮流でもありますし。それに今回は4人とも顔も体型も超日本人ですから(笑)。着るものもアメリカっぽくならないようにしています。自分としては外国人を演じているのではなく、人間を演じているんだと。そこに存在する共通点を演じれば、見る人には伝わると思うんです。じゃないと逆に離れてしまうでしょう」 上演時間は2時間、途中で休憩を挟む長尺物。途中で劇的に盛り上がることも、緩んでダレることもなく、話は淡々と進む。しかし会場からは絶えず笑いが起こり、そしてすすり泣きが聞こえる。確かにストーリー的なものはないのに、観客を飽きさせることがない。 「原作を読んだとき、ちょうど2時間ぐらいになるかなと予想してました。実際やってみたらテンポもちょうどいい。これ以上早くても遅くても難しいですね。これも50代の俳優が80代の役を演じる方法をとっているからでしょう。本当の80代の役者だと、このテンポはキツい。俳優と役割の20〜30歳というギャップ、これが大きいんです。50代である私たちが80代を遊んでいるわけで。言わば青島幸男さんの『いじわるばあさん』みたいなものですよ(笑)」 劇中、竹下演じるアイーダとのキスシーンがある。実はここが最もこだわったシーンだという。 「もちろん最初から台本にありましたよ、途中で付け加えたりしてません(笑)。80歳の老人同士のキスシーンですから、もし日本人夫婦だと何となく気恥ずかしいですが、アメリカ人夫婦ですから何気ない感じで。でも、会場がシーンとなるかと思ったら笑い声が聞こえて。今までキスシーンは数え切れないぐらい演じてきましたが、笑いを取ったのは初めて(笑)。ダンスを踊ったり歌を歌ったりして青春を回顧するシーンの後だったので、なおさら艶(なまめ)かしかったのでしょう」 演じる側と見る側の気持ちがピタッと重なった、心地よい舞台。上演は本多劇場で29日まで。31日には東京・亀戸のカメリアホールでマチネ(昼)公演が予定されている。 「客席での笑いが、すべてこちらが予想していたところでズレなく起こっていましたし、舞台も客席も雰囲気よかったですね。ただ、キスシーンだけは笑いを計算できなかったけど(笑)。上演が終了してもお客さんからの要望があれば、ぜひ再演したいですね」
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芸能 2009年03月24日 15時00分
シネマレビュー「昴」
公開中配給/ワーナー・ブラザース映画 ともにバレリーナを目指した宮本すばると弟の和馬。しかし弟は、病気のために若くして最期の時を迎えてしまう。絶望の淵をさまようすばるを助けたのは、小劇場“パレ・ガルニエ”のオーナー五十鈴だった。この運命的な出会いによって、すばるは和馬の残した“ダンス”の世界へと、のめり込んでいく。美しく育ったすばるは、やがて踊ることのみが唯一彼女に残された道であると悟る。ライバルとの出会い、恋、友情をバレエを通じて知った彼女は、いつの日かプロのダンサーになることを夢見る。 原作は韓国や台湾、香港でも若者に人気がある曽田正人の同名漫画。監督・脚本はリー・チーガイ。恵まれているとは言えない家庭にバレエの才能を持って生まれた宮本すばるが、その才能を開花させていく物語。恋や友情より大事なものがあると訴える、前向きな気持ちになる作品だ。主演は猛特訓の末に役を勝ち取ったバレエ未経験の黒木メイサ。劇中で素晴らしいダンスを披露。特にラストのコンテンポラリーダンスは、この映画最大の見所と言える。五十鈴役を桃井かおりが好演。
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大みそか参戦ほぼ決定 芸能人対決 金子賢vs押尾学
2006年10月10日 15時00分
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GII毎日王冠 テレグノシス花道V
2006年10月07日 15時00分
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アイルランドT キンシャサノキセキ断然
2006年10月06日 15時00分
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よしお兄さん、だいすけお兄さんの結婚を祝福「直接聞きました」 パパとしての喜びを語る
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マギー司郎「童貞は舞台に立たせない」
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