強気で鳴らす領家調教師だが、それにしても前向きだ。「相当にデキはいい。もちろんメンバーは強いけど、この状態ならやってくれると思う」とうなずいた。
確かにビービーガルダンの前走・阪急杯は、陣営をそこまで乗り気にさせる要素に満ちていた。昨年11月の京阪杯以来の一戦。3カ月ぶりのうえ、放牧帰りで完ぺきな仕上がりで送り出すのは難しかった。
「牧場から戻って3週間あまりしかなかったからね。正直いって、具合に関しては自信がなかったんだ。こういってはなんだけど、あのレースは攻め馬がわりと覚悟して臨んだほどだった。それがあの強さだからね」
ローレルゲレイロの逃げを2番手でぴったりマーク。直線は余裕を持ってあっさり抜け出した。2着のローレルには1馬身1/4差の完勝。勝ち鞍のほとんどが北海道の小回りコース、しかも1200メートルだっただけに、坂と1400メートルを克服したのには恐れ入る。まさに成長の証しだ。
勝った勢いそのままに、中間は上昇ぶりが目立つ。18日に栗東CWで行われた1週前追い切りは、初コンビとなる武幸騎手が騎乗。5Fから70秒3、ラスト1F12秒1と鋭い伸びを見せた。
「本当に乗りやすい。状態はまったく問題ない」と武幸がいえば、トレーナーは「馬場状態が悪かったのに、しっかり伸びた。前走とは見た目からして違う」と上積みは計り知れない。
阪急杯で重賞初Vを達成した勢いで、今度はGI初制覇に挑む。もちろん相手は強力だ。しかし、今度はベストといえる小回りの1200メートル。舞台設定は文句ない。
「今なら時計の速い決着にも対応できるはずだし、テンが速ければ控えたっていい。今のデキなら…」。念を押すように、仕上がりの良さを強調した。勢いを味方に、一気のVも夢ではない。