プロ野球
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スポーツ 2020年02月04日 11時45分
今季の球界は「世紀の大トレード」が起こる? 56年ぶりの五輪イヤー、“4番とエースの交換”の再現はあるか
東京五輪が与えるプロ野球界への影響は――。今季のペナントレースは昨年より9日も早い3月20日に開幕する。そのため、どの球団も実戦形式の練習を前倒しして、オープン戦に突入する。 「サインプレーなどの実戦形式の練習を早めに行うということは、キャンプ序盤でやる個人練習の時間が減ってしまいます。バッターならティー打撃、ピッチャーであれば走り込みなどです。ひょっとしたら、シーズン成績が投打ともにレベルダウンし、エラーの多い一年になるかもしれません」(プロ野球解説者) 前回、オリンピックの行われた1964年の記録を見てみると、パ・リーグ覇者の南海ホークスの年間失策数は144個。確かに多い。とは言え、当時のパ・リーグは全体的に守備難の傾向があり、全6チームが3ケタの失策数をカウントすることも珍しくなかった。しかし、東京五輪がペナントレースに影響を与えたのは本当のようだ。 「64年の五輪は10月。五輪開催前に日本シリーズを終え、興行的に五輪の邪魔をしてはならないということで、ペナントレース全体が過密スケジュールとなりました。実際は日本シリーズと五輪が少し重なってしまい…。選手は過密スケジュールで、心身ともにボロボロ」 当時現役だった年長のプロ野球解説者はそう答えている。 「歴史は繰り返す」ならば、64年の優勝チームと似たチーム編成をしたところが2020年のペナントレースを制するのではないだろうか。ズバリ、64年の優勝チームはパ・リーグが南海、セ・リーグは阪神タイガースだ。 五輪イヤーに南海、阪神がペナントレースを制した勝因を探ってみた。阪神においては、前年オフのトレードが考えられる。阪神は日本中をビックリさせる超大型トレードをまとめてみせた。大毎(現千葉ロッテ)との間で、“4番とエース”を交換したのである。当時、このトレードは「世紀のトレード」と称された。パ・リーグを代表するスラッガーだった山内一弘氏と、阪神のマウンドを守り続けた大投手・小山正明氏をトレードで交換し、その衝撃で日本中の野球ファンが阪神に関心を寄せ、それを勢いに変えたのだ。 「当時の阪神は投手王国でした。小山氏が抜けても、村山実氏、バッキーさんなど他投手が大活躍されていました」(前出・プロ野球解説者) 「トレード」が五輪イヤーのキーワードになるのなら、フリーエージェント補強と人的補償、金銭トレードなどで7人の選手を入れ換えた東北楽天と千葉ロッテがあてはまる。 また、64年の日本シリーズは南海、阪神の間で争われたため、「御堂筋シリーズ」なんて呼ばれ方もした。「関西、大阪が強い」のならば、両リーグ覇者は阪神とオリックスになるのか? また、王貞治氏による「年間55本塁打」の日本記録(当時)が生まれたのも、五輪イヤーだった。令和2年の五輪イヤーに日本記録を塗り替えたバレンティンが王会長のいるソフトバンクに移籍したのは、単なる偶然だろうか。 64年の阪神だが、ペナントレースの最後の3試合で逆転させての優勝だった。昨季も最後の6試合で連勝し、CS進出を決めた。五輪イヤーのキーワードが「波乱」なら、今季の矢野阪神が「御堂筋シリーズ」を再現してくれるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年02月03日 17時30分
【DeNA】球春到来!「2位から1位になるため」5年目のラミレス・ベイスターズが沖縄で始動!
2月1日、日本プロ野球界のお正月とも言える、キャンプインの日が今年もやってきた。 5年目となるベイスターズ・ラミレス監督は、1月下旬に行われたスタッフミーティング後の囲み取材で、一軍のキャンプについて「今年はサプライズは余りない。一軍メンバーは大体が主軸になります」と明かしていた通り、順当なメンバーとなった。 サプライズとは言えないものの、1軍には先発期待の櫻井周斗と、ドラフト2位の坂本裕哉が選ばれた。層の薄い左の中継ぎ陣候補としては、昨年は不本意なシーズンとなった砂田毅樹、昨年シーズン開幕直前にトレードされ、オフにはメキシコリーグに参戦した濵矢廣大の左腕が選出。左腕王国のベイスターズの、更なる新戦力となれるのかも関心が寄せられる。 反対にオーストラリアンベースボールに武者修行していた大貫晋一、一皮剥けたい飯塚悟史や京山将弥、伸び盛りの阪口皓亮ら、右腕は軒並み2軍スタートとなった。昨年1軍のピッチングコーチを務めていた三浦大輔氏が、2軍監督として配置転換されたこともあり、同じ右ピッチャーとして“番長のDNA”を受け継がせるべく、その指導力にも期待したいところだ。 野手陣はセンター定着を狙う神里和毅、復活にかける梶谷隆幸や、筒香嘉智の直系の後輩乙坂智、右の大砲細川成也ら、外野手が6人と多く選出。内野手登録のネフタリ・ソトや、新外国人のタイラー・オースティン、更には今季からキャプテンを務める佐野恵太も外野も守れることもあり、筒香のメジャー移籍でぽっかりと空いた穴を狙うサバイバルレースにも注目が集まる。 ラミレス監督は5年目の長期政権となることもあり、「経験もあるので、やるべきことはわかっている。リラックスして挑みたい」と自然体で行くと強調。また、「ブラストモーション、トラックマンといった最近のテクノロジー使って、チーム全体を向上させていく」と、理論派のラミレス監督らしい一面も覗かせた。「2位から1位になるために」。この一点にターゲットを絞ったベイスターズ。悲願のペナント奪取に向け、戦いが始まった。取材・写真・文 /萩原孝弘
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スポーツ 2020年02月03日 17時00分
「腕に縫い目がついた」西武・松坂、人生最悪のピッチャーライナーを明かす アテネ五輪のアクシデントに「怖すぎる」の声
西武・松坂大輔が、2日午後7時ごろにアップされた元横浜・高木豊氏のユーチューブ動画にゲスト出演。高木氏と共に2004年アテネ五輪予選リーグ第3戦・キューバ戦での投球について振り返った。 同大会最大のライバルと目されたキューバ相手に先発した当時プロ6年目・23歳の松坂。「4-0」と4点リードで迎えた4回裏、相手打者の打球が利き腕である右腕に直撃するアクシデントに襲われたが、そのまま続投し「8.1回7安打3失点・7奪三振」と快投している。 アテネ五輪の野球日本代表で内野守備・走塁コーチを務めていた高木氏は、アクシデント直後の状況について「(当たった衝撃で腕に)縫い目がついてるの。(各球団から選手を)預かっている身もあるから俺たち(コーチ陣)も心配で。(でも)『まだ握力がしっかりしてるから行きます』って言うから『いや、大丈夫か!?』って(思った)」と、ベンチが動揺する中、松坂は続投を強く志願したことを告白。 高木氏の言葉を受けた松坂は「あれはたぶん、野球人生で食らったライナーの中で一番強烈だったと思います」と、プロ22年目・39歳となった現在でもキューバ戦のライナーが野球人生で最悪のライナーであったと告白。 また、それでも投球を続けることができた理由に関しては「アドレナリンもあったと思いますね」と、気持ちの高ぶりが痛みを和らげてくれたのではないかと推測した。 「(松坂は)『感覚がおかしくなるから、スプレーはやらないでくれ』って言って、そのままマウンド行ったの」と、松坂が患部へのコールドスプレーを拒否していたことも明かした高木氏。これを受けた松坂は、「特に処置はしないでそのまま投げて。(でも)やっぱり終盤はちょっと怪しかったですけどね、握力は」と述べていた。 今回の動画を受け、ネット上のファンからは「球の縫い目がつくほどの衝撃って怖すぎる、よく骨折とかしなかったな」、「当時テレビで観ててこれは降板だって思ったけど、本人は逆に闘争心に火がついてたのか」、「手負いの状態で続投したのに、何事も無かったかのように抑えたのはさすがとしか言いようがない」といった反応が寄せられている。 続投した松坂は8回まで無失点を続けるも、9回に3点を奪われたことで完投・完封はならず。ただ、後を受けた石井弘寿(当時ヤクルト)がこれ以上の失点は許さず「6-3」で試合を締め、五輪では初めてキューバ相手に勝利を収める結果になった。 なお、患部の負傷が打撲にとどまったこともあり、松坂はその後準決勝のオーストラリア戦にも先発。チームは「0-1」で惜敗したものの、松坂は「7.2回5安打1失点・13奪三振」とアクシデントの影響を感じさせない好投を披露している。 今回の松坂の動画出演は、高木氏が現地で直接約束を取り付けたことで実現したものと思われる。高木氏は1日から始まったプロ野球春季キャンプに合わせ、同日から西武を含め5球団がキャンプを行う宮崎県を訪れているが、2日午後5時30分頃にアップされた動画では西武のブルペンを視察中に「次はちょっと松坂を探しに行こうか」と口にしていた。 今オフ14年ぶりに古巣西武に復帰し、多くのプロ野球ファンの注目を集めている松坂。その松坂をゲストに迎え16年前の裏話が明かされた今回の高木氏の動画は、ファンにとってもうれしい対談動画となったようだ。文 / 柴田雅人記事内の引用について高木豊氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCgr5CkgytiVfdnk4C0M42nQ
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スポーツ 2020年02月03日 12時10分
張本勲氏「キャンプで目立つ選手は活躍できない」と持論も物議 「結果を出している選手も」反論も
2日放送の『サンデーモーニング』(TBS系)で、張本勲氏がプロ野球選手の自主トレーニング、キャンプについて独自の見解を示し、物議を醸すシーンがあった。 番組では、プロ野球各球団の春季キャンプを取り上げ。日本ハム・中田翔や西武・森友哉が金髪でキャンプに臨んでいることが紹介される。 さらに、今季何かと注目されることが予想される「令和の怪物」こと千葉ロッテマリーンズ・佐々木郎希(大船渡高校)についても、カメラマンや報道陣でごった返す中、「厚底シューズ」を履き長距離走に励む様子が放送された。 また、「平成の怪物」で、今季埼玉西武ライオンズに復帰した松坂大輔も「西武キャンプは松坂一色」と取り上げる。この様子を見た張本氏は「プロ野球選手は自主トレとキャンプで目立つ選手は活躍できない傾向がある」と持論を展開。 関口宏が「あ?目立っちゃいかん?キャンプで。へー」と少々不満そうな声を上げると、張本氏は「そうそうそう、やっぱり面白いから記事になるんだけど、やっぱりスポーツ選手は内容だから、数字だから。キャンプで1年の計が決まるから、しっかり練習してもらいたいわね」とコメントした。 このコメントに、「取り上げているのはメディア。選手は頼んで見てもらっているわけじゃない。的外れだ」「そんなことはない。多くの人に注目されるためにはアピールも必要だし、結果を出している選手もいる」「今は野球だけをやっていればいい時代じゃない」「キャンプだけで1年が決まるとは思えない」とツッコミや反論が相次ぐ。 一方で、「一理ある。キャンプはしっかり打ち込んだ選手が結果を出す」「ふざけている練習はやっぱりだめだと思う」などと、意見を支持する声もあった。 佐々木のように、キャンプ期間中自分の意図しないところで一挙手一投足注目を浴び、ストレスを感じる選手は多く、日本ハム・斎藤佑樹のように戸惑い、結果を出せない選手もいる。 一方で、松井秀喜氏や大谷翔平など、注目されてもしっかりと結果を出す野球選手が大勢いることも事実。そのようなこともあり、目立った選手を活躍できないと一緒くたに結論づけてしまうことを暴論と感じた人が多かった。
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スポーツ 2020年02月02日 17時30分
一昨年にタイトルを獲得した選手も 球団消滅から約15年、時の流れに抗う近鉄戦士たち
1949年から2004年まで、複数回の名称変更を経ながらパ・リーグで活動を続けていた大阪近鉄バファローズ。「いてまえ打線」と呼ばれた強力打線で多くのファンを魅了した球団だったが、同じパ・リーグのオリックス・ブルーウェーブと合併し2004年をもってその歴史に幕を閉じた。 球団消滅から約15年が過ぎ、ほとんどの選手が現役を引退した“近鉄戦士”たち。現在、球界で生き残っている該当選手は、ヤクルト・坂口智隆、近藤一樹、巨人・岩隈久志の3名のみとなっている。 2002年のドラフトで1位指名を受け入団した36歳の坂口は、翌2003年に1軍デビューしプロ初ヒットもマーク。同年はこのデビュー戦1試合のみ、近鉄最終年となる翌2004年も7試合の出場にとどまったが、球団消滅後に移籍したオリックスでは11年間で936試合に出場している。 その後2016年からプレーするヤクルトでは、昨シーズンまでの4年間で438試合に出場している坂口。昨シーズンは開幕直後に受けた死球の影響で「22試合・.125・0本・2打点・8安打」と不振に苦しんだため、今シーズンは逆襲を期すシーズンとなるだろう。 2001年のドラフトで7位指名を受けて入団した36歳の近藤は、プロ2年目の2003年に一軍デビューすると、2004年には11試合に登板しプロ初勝利を記録。その後2005年から所属したオリックスでは、2016年7月にトレードでヤクルトに移籍するまで120試合に登板した。 トレード先のヤクルトでは、昨シーズンまでで既にオリックス時代を上回る195試合に登板し、2018年には最優秀中継ぎ投手(35ホールド)のタイトルを獲得するなど活躍を見せている近藤。今シーズンも中継ぎ陣の一角として、一軍の試合でフル回転することが濃厚だ。 1999年のドラフト5位で入団した38歳の岩隈は、プロ2年目の2001年から先発として頭角を現すと、2004年に最多勝(15勝)、最高勝率(.882/当時の名称は最優秀投手)の2冠を獲得。その後2005年から2011年までプレーした楽天では、7年で65勝をマークした。中でも強烈なインパクトを残したのが「28試合・21勝4敗・防御率1.87」といった数字を残した2008年で、同年は最多勝、最高勝率(.840)、最優秀防御率の投手3冠に加え、沢村賞やリーグMVPまで手中に収めている。 2012年から2018年(2018年はマイナー)まで所属したマリナーズでも、7年間で63勝をマークした岩隈。しかし、巨人に移籍した昨シーズンは2017年に手術を受けた右肩の調子が上がらず、一軍での勝利どころか登板もゼロという苦しい結果に。残留こそしたものの、2年連続の不振なら去就が不透明になることも予想される。 全員が30代後半と、いつガタが来てもおかしくない年齢に突入している近鉄戦士たち。今シーズンが3年契約の2年目である坂口、単年契約ながら年俸がアップした近藤はともかく、岩隈に関しては“今シーズンダメなら引退、もしくは戦力外”という見方もされているが、果たしてこの3名の2020年はどのようなシーズンとなるのだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年02月01日 11時30分
昨季キャリアハイを叩き出した選手も 球団身売りから15年、絶滅危惧種となった球界の“ダイエー戦士”たち
1989年から2004年まで、パ・リーグに存在した球団である福岡ダイエーホークス。1994年オフに就任した王貞治監督(現ソフトバンク球団会長)の下、リーグ優勝3回、日本一2回を成し遂げたが、2004年オフにソフトバンクへ身売りしその歴史を終えている。 ソフトバンクへの身売りから15年が経過する中で、ダイエー所属経験を持つ選手は一人、また一人とユニフォームを脱いでいる。しかし、そんな時代の流れにも負けず、今なお日本球界で現役を続けている“ダイエー戦士”もいる。それがソフトバンク・明石健志、和田毅、オリックス・山崎勝己の3名だ。 2003年のドラフトで4位指名を受け入団した34歳の明石は、翌2004年5月2日近鉄戦で1軍デビューし、初打席でいきなり三塁打をマーク。同年はこの試合を含め7試合の出場にとどまったが、その後現在に至るまで所属するソフトバンクでは昨シーズンまでの15年間で859試合に出場している。 昨シーズンは春季キャンプ中にヘルニアの摘出手術を受けるも、99試合に出場しキャリアハイとなる5本塁打を記録した明石。体調が万全ならば、今シーズンも内外野を守れるスーパーサブとして多くの出場機会を得る可能性は十分といえるだろう。 2002年のドラフトで自由獲得枠として入団した38歳の和田毅は、1年目からいきなり14勝をマークしチームのリーグ優勝・日本一に大きく貢献。翌2004年は2年連続2ケタ勝利となる10勝を挙げるかたわら、8月に行われたアテネ五輪の野球日本代表にも選出された。 その後ソフトバンクでも7年間プレーした和田は、2011年オフに海外FA権を行使してメジャーに挑戦し、2015年オフに古巣へ5年ぶりに復帰。翌2016年は「24登板・15勝5敗・防御率3.04」といった数字を残し最多勝、最高勝率(.750)の二冠に輝いた。ただ、2017年以降は3年間で8勝と思うような結果が出せていないため、今シーズンも不振なら現役続行に黄信号がともる可能性は否定できないところだ。 2000年のドラフトで4位指名を受け入団した37歳の山崎は、翌2001年から2004年までは一軍出場がゼロ。ダイエー時代は時の正捕手・城島健司の牙城を崩すことができず、ソフトバンク時代も初年度の2005年はわずか3試合しか出場機会を得られなかった。ただ、同年オフに城島が海外FA権を行使してメジャーへ移籍すると一軍に定着し、2013年までの8年間で634試合に出場した。 同年オフに国内FA権を行使してオリックスに移籍し、昨シーズンまでの6年間で304試合に出場している山崎。昨シーズンは24試合に出場にするも無安打に終わってしまったため、今シーズンは“背水の陣”として練習・試合に臨む必要がありそうだ。 どの選手も、年齢的には既にベテランの域に達しているダイエー戦士たち。また、和田、山崎に関しては、成績次第で引退、もしくは戦力外となる可能性もゼロではない状況だ。来たる2020年シーズン、“生き残り”としての意地を見せることはできるだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年01月31日 17時08分
長嶋監督が「お前何やってんの?」元巨人・村田氏、陰険な“クビ宣告”を明かす ドラ1ルーキーと別れた明暗に「シビアすぎる」の声
元大洋・横浜でプロ野球解説者の高木豊氏が30日に投稿したユーチューブ動画に、元巨人・村田真一氏が出演。ルーキー阿部慎之助(現巨人二軍監督)からポジションを奪われ、その後現役を引退する決断を下した2001年シーズンに関するエピソードを語った。 1982年に巨人に入団し、1990年ごろから正捕手として出場機会を増やした村田氏。2000年には日本シリーズで優秀選手賞を獲得する活躍も見せていたが、翌2001年は同年に入団したばかりの阿部に開幕からレギュラーの座を奪われてしまった。 この世代交代の経緯について、村田氏は「開幕の2、3日前に原さんに呼ばれて、『村田すまん、開幕は阿部でいく』と言われて『えっ?』みたいな」と、当時の原辰徳一軍ヘッドコーチ(現巨人監督)から直接開幕戦では使わない旨を告げられたと告白。 続けて、「『何でですか』って聞いたら、『チームが阿部でいくからだ』って(言われた)」と、自身より阿部が優先された理由については明確な回答が得られなかったことも明かした。 お役御免と言わんばかりの通告にもめげず、「開幕は阿部でも、終わってみたら俺の方が試合(に)出てたらええんや」とレギュラー奪還を目指していたという村田氏。しかし、「4月に練習してたら、長嶋監督から『お前何やってんの?もういいだろ』って(言われた)」と、開幕後には長嶋茂雄監督(現巨人終身名誉監督)からも“肩たたき”を受けたという。 その後翌5月から出場機会が激減したことを受け、8月ごろに「もう参りました。ユニフォームを脱がせていただきます」と原ヘッドに報告したという村田氏。プロ15年目、37歳での決断だったが、「まだ体元気だったし、まだまだできると思ってましたよ」と未練が残る状態での報告だったと述べていた。 今回の動画を受け、ネット上のファンからは「去年までのレギュラーに対して『もういいだろ』ってシビアすぎる」、「長嶋さんがそんな陰険なこと言ってたなんてなんか信じられないけどなあ」、「首脳陣もそれだけ阿部を評価してたってことか、まあ実際に凄かったんだけども…」、「ほぼ強制的な世代交代、そりゃ色々と思うところがあるよな」、「辞めさせられそうな空気なのに何でいるんだろうっていう、ミスターの天然発言だったんじゃないの?」といった反応が寄せられている。 首脳陣の意向により、苦渋の決断を下すこととなった村田氏。ただ、半ば強引に“干して”しまったことに球団側も思うところがあったのか、村田氏は2001年の引退後巨人で計15年(2002-2003,2006-2018)コーチとして登用され続け、退団後も『日本テレビ』や『スポーツ報知』(報知新聞社)といった、巨人の親会社である『読売新聞グループ本社』の関連メディアで野球解説を行っている。文 / 柴田雅人記事内の引用について高木豊氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCgr5CkgytiVfdnk4C0M42nQ
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スポーツ 2020年01月31日 11時43分
広島、V奪回ローテに異変? 新人が開幕投手争いに参戦、悩みを抱えるエースも波乱を巻き起こすか
“シンキングタイム”は終わったようだが、昨季ジョンソンと並ぶチームの勝ち頭でもある大瀬良大地の「迷い」が、広島の開幕投手争いにも影響を与えそうだ。 「昨季の広島はBクラス低迷で悔しい思いをしたはず。外国人選手の補強を確実に進め、昨秋のドラフト会議では即戦力の森下暢仁投手(明治大)の指名にも成功しました。巨人追撃の一番手は、間違いなく広島です」(プロ野球解説者) 本格的な予想はこれからだが、広島のV奪回をイメージする解説者、スポーツメディアは少なくない。その根拠とされている一つが、先発投手陣の実績と伸びしろだ。 「大瀬良、ジョンソン、野村の3人はまず当確でしょう。昨季、先発ローテーション入りして結果を出した床田、ここに新人の森下が入って…」(ベテラン記者) 岡田、薮田、九里もいる。「実績」という点では、大瀬良、ジョンソン、野村。「伸びしろ」ではまだ24歳と若い床田(7勝6敗)と新人の森下となるが、それだけではない。 「3年目の右腕、遠藤(淳志)ですよ。遠藤は昨季6月に一軍昇格し、その後、リリーフで奮闘し、プロ初勝利と初セーブも挙げています。19-20年オフは先発転向を首脳陣に通達され、かなりの練習量を積んでいます」(関係者) この遠藤の台頭と森下の評判が、先の大瀬良のシンキングタイムと絡んで、良い意味で波乱を呼びそうなのだ。 そもそも、大瀬良のシンキングタイムとは、投球モーションの迷いのこと。昨季、大瀬良は、投球モーションで左足を上げたあとにいったん「溜め」を作り、もう一度、上げる2段モーションを取り入れ、3年連続2ケタ勝利の結果を出した。しかし、オフの間、大瀬良はこの2段モーションを「辞める」と言ったが、キャンプイン直前の自主トレ中、「やっぱり続けるべきか…」と迷い始めたのだ。 「大瀬良に言わせると、2段モーションの方が体力の消耗が激しいそうです。言われてみれば、昨夏、一時的に勝てなくなった時期もありました。『辞める』と言い出したのは体力的な理由。でも、2段モーションを続ける方向でキャンプインしましたが」(前出・同) この迷いが、出遅れにならなければいいのだが…。こんな情報も聞かれた。 「広島はベテランが多くなってきました。ベテランとは年齢的な意味ではなく、レギュラーに定着している選手のこと。刺激が少なくなった分、チームはスロースタートになりがち」(前出・ベテラン記者) 昨季、序盤戦で大きく出遅れたのも、チームに刺激、発奮材料が少なく、モチベーションが上がらなかったからだ。 そんなスロースタートになりがちな状況を打破するためだろう。「新人の森下も開幕投手争いに入っている」との情報も聞かれた。遠藤の先発枠争いに加えて、森下が高いレベルで競争をすれば、チーム全体が活気づく。今回の大瀬良のシンキングタイムは、むしろ、プラスに転じるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月30日 18時30分
ソフトバンク・バレンティンが古巣ヤクルトファンに「大好きです」 新天地への入団会見、直後の感謝メッセージにファン歓喜
ソフトバンク・バレンティンが、29日に自身のインスタグラムに投稿。昨シーズンまで所属したヤクルトのファンへ感謝を述べた。 昨年12月2日にヤクルトの契約保留者名簿を外れて自由契約となり、同月16日に「2年契約・総額10億円(推定)」という条件でのソフトバンク入りが発表されたバレンティン。その後、年が明けた今月29日に本拠地ヤフオクドーム内で入団会見が行われ、「強いチームでプレーする夢がかなった」、「本塁打を30~40本打ちたい」などと語ったことが広く報じられている。 入団会見と同日の29日午後6時半ごろ、バレンティンはインスタグラムに、入団会見中の自身を写した5枚の写真をコラージュ加工して1つにまとめた画像を投稿。 また、英語で「私のキャリアの次なる章であるホークスのための準備はできています」というメッセージと「#letsgohawks」というハッシュタグも添え、移籍初年度となる今シーズンへの意気込みを表明した。 さらに、メッセージの後半には「これまで応援してくれた全てのヤクルトファンのみなさんに感謝します。みなさんのことが大好きです」という英語の記述も。来日1年目の2011年から昨シーズンまで9年間所属した、古巣ヤクルトのファンにも改めて感謝の言葉を述べた。 バレンティンの投稿を受け、コメント欄には「いなくなったのは寂しいけど福岡でも頑張って!」、「パ・リーグに行っても応援するから、その分本塁打を量産して大活躍してほしい」、「競争も激しいチームだけど、頑張って不動のレギュラーになってくれ」、「交流戦ではヤクルト相手にあんまり打たないでね」などとヤクルトファンから激励の声が寄せられている。 ヤクルトでプレーした9年間で「1022試合・.273・288本・763打点・959安打」といった数字を残し、2013年にはそれまでのプロ野球記録(55本)を更新するシーズン60本塁打をマークしてもいるバレンティン。移籍先のソフトバンクでもその長打力を発揮することが期待されているが、果たして2020年シーズンはどのような成績を残すのだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用についてバレンティンの公式インスタグラムよりhttps://www.instagram.com/therealcocobalentien/
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スポーツ 2020年01月30日 17時30分
ベイスターズ史上最強助っ人の“23”を背負う男 DeNA、新外国人タイラー・オースティンにかかる期待
ベイスターズの新外国人選手、タイラー・オースティン内野手が25日に来日、29日に球団事務所で会見を開いた。 会見中、海を渡り日本球界でプレーすることについて、「ベリーエキサイティング!(とてもワクワクしている)」を何度も繰り返し、来日を心から喜んでいる様子で笑顔を見せていた。 オースティンはメジャー4シーズンで、トータル33ホームランをマークした長距離ヒッター。2016年に名門ニューヨーク・ヤンキースで初打席初ホームランの離れ業をやってのけ、さらに次打者のアーロン・ジャッジも初打席初ホームランと、MLBでも初の快挙を達成。また、2018年にはデッドボールを膝に受け、激昂しピッチャーへ直行。報復的なデッドボールでもあったため大乱闘を引き起こし、出場停止の処分を受けたことでも有名になってしまった。自身の性格について、「闘争心の強い性格。ゲームをハードにプレーしているので、情熱的になってしまう」と分析。チームの一員として許せない気持ちが乱闘となってしまったようだ。 一方、「勝利に貢献することが一番重要なこと」とし、「何事にも全力で取り組む」と生真面目な一面もあり、チームメイトのネフタリ・ソトらにも「出来る限り沢山のことを学びたい」と、ヤンキースの若手有望株だった選手が、意外とも言える謙虚さも見せていた。 会見場の後方にはモデルでもある美人妻も同席。「妻と一緒に焼肉に行った。ライスの上に卵の乗った“ビビンバ”が美味しかった!牛タンは歯ごたえが好きではなかったけど」と告白。妻からも笑いが漏れ、仲睦まじい様子も伝わってきた。 三原一晃球団代表からは「筒香の穴を一人で埋めてくれというわけではないが、大きな役割を期待している」と、獲得の理由を説明。ベイスターズは外国人が支配下に6人となり、「競争が始まります。キャンプやオープン戦で実力を診断していく」と、外国人の間でもサバイバルとなる。「日本に来るという一番いい機会を与えてもらった。そして、今までで一番良いオフを過ごせている」と自信ありげにコメントしたオースティン。外国人枠を勝ち取り、レギュラーの座をも掴み取ることが出来るのか。サバイバルキャンプはもうすぐそこに迫っている。取材・文 ・ 写真/萩原孝弘
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2020年01月16日 11時30分
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DeNA・倉本寿彦、「周りを気にしている立場ではない」6年目の決意
2020年01月16日 11時00分
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.350、22本、106打点…メジャー1年目の日本人野手が残した打撃記録、筒香・秋山は更新なるか?
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2020年01月11日 11時00分
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2020年01月10日 11時40分