プロ野球
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スポーツ 2020年01月27日 20時58分
「完全に球団ぐるみ」元巨人・中畑氏がサイン盗みに喝 メジャーを揺るがす大騒動に「永久追放ぐらいの厳しい処置を」
26日放送の『SPORTSウォッチャー』(テレビ東京系)に、元巨人でプロ野球解説者の中畑清氏が出演。現在米メジャーを揺るがしている“サイン盗み問題”について言及した。 この問題はアストロズとドジャースが戦った2017年のワールドシリーズにおいて、シリーズを制したアストロズが外野席に設置したカメラを通じてドジャース側の投球サインを盗み、それを口笛やベンチ内のごみ箱を叩く音で打者に伝達していたというもの。 問題を重く見たメジャーリーグ機構は、アストロズに「約5億5000万円の罰金+今年、来年のドラフト1・2位指名権の剥奪」の処分を下すことを決定。また、アストロズを含めた3チームの監督が、選手・指導者時代にアストロズでサイン盗みに関わっていたとして解任される事態となっている。 番組MCのビビる大木から「処分(の内容)を考えると、サイン盗みは事実だったんだろうと」と話を振られた中畑氏は、「悲しいね。まだこんなこと(サイン盗み)をメジャーではやってたのか」と一言。 続けて、大木が「サインを盗めると、やっぱり打者は簡単に打ててしまいますか?」と聞くと、「完全に球種が分かっているという状況で打席に立てるんだったら、プロの打者なら7割から8割はヒットにできる」とサイン盗みによる影響の大きさを指摘した。 また、大木からは「よく(相手投手の)クセを見破るって言いますけど、それとはまた違うんですか?」という質問も出たが、中畑氏は「クセを見破るのは個人個人の技量や努力によるもの。でもこれ(サイン盗み)は完全に球団ぐるみで取り組んでいるわけだから、(盗まれている側にとっては)試合にならない」と全くの別物であることを強調した。 「下手したら永久追放になるぐらいの、厳しい処置を与えるルールを作らないとダメ」と、より厳しい処分を盛り込んだルールを制定すべきと主張した中畑氏。「日本でもこの先もしこんな問題があったら、絶対ファンは野球から離れるよ」と、サイン盗み問題は日本球界にとっても決して対岸の火事ではないと警鐘を鳴らした。 同番組を受け、ネット上のファンからは「インチキしたチームや選手がそれなりの代償を負うのは当然だと思う」、「確かに処分が甘いと、昔のダイエーみたいにやった者勝ちになるな」、「一昔前も騒動になったし、日本球界も改めて警戒すべき」といった反応が多数寄せられている。 「日本球界ではダイエー(現ソフトバンク)が球団職員にモニターを通じて相手側のサインを解読させ、それを外野席に配置したアルバイト職員のメガホンの動きを通じて選手に伝えていたという疑惑が1998年オフに浮上し、調査の結果当時の球団社長に職務停止6カ月、球団代表に同1カ月の処分が下された事例があります。この騒動がきっかけとなり現在では外部からの情報伝達やサイン盗みは禁止されていますが、メジャーでの騒動を機にこの事例を思い返しているファンも多いようです」(野球ライター) 約20年前のような騒動を防ぐためにも、日本球界が警戒を強めることに越したことはないのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年01月27日 19時35分
西武・山川、妻と娘に捧げた祝砲の裏話を披露 「よっしゃー! と喜んで携帯みたら…」狙い通りの本塁打にまつわる“大誤算”とは
26日放送の『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)に、西武・山川穂高が出演。第1子となる娘が誕生した昨年5月15日ソフトバンク戦で2本塁打を放ったことに言及した。 「プロ野球仲良しペアSP」と題された今放送には、山川と共に2014年に西武に入団した同期の森友哉が出演。その森が今放送内で設けられたコーナー「さすがと思った相方のプレー」で挙げたのが今回のプレーで、森は「試合前に山川さんから(子供が)産まれたと報告してもらって、(その後に)きっちり2本打ったのですごいなと思いました」と選出理由を語っていた。 番組MCのダウンタウン・浜田雅功に「これは奥さん、喜んだんじゃないですか?」と聞かれた山川は、「実は前の日に『陣痛来た』って連絡が来て」と、前日5月14日のソフトバンク戦の試合前に妻から連絡を受けていたことを告白。 続けて、「その日もホームラン打ったんですよ。『よっしゃー!』と喜んで試合後に携帯を見たら、『まだ産まれてない』って(連絡が来てました)」と、娘の誕生を自身で祝おうと同戦で本塁打を放つも、出産のタイミングが翌日にずれ込んだことにより“空砲”となってしまったと語った。 妻に対し「おい、ふざけんなよ!」と思ったと暴露し、スタジオの笑いを誘った山川。ただ、その後無事に娘が産まれたことで「今日も打たんといけん」と気持ちを新たにしたことで、15日の試合で狙って“祝砲”を放つことに成功したという。 今回の放送を受け、ネット上のプロ野球ファンからは「本塁打を狙おうと思って、実際に打つのはめちゃくちゃカッコいい」、「家族のためにっていう気合いが、普段以上の集中力をもたらしてくれたんだろう」、「奥さんと娘さんにとっては最高のお祝いになっただろうなあ」、「森も同じプロだからこそ、狙って本塁打を打つ凄さを感じたのかな」といった反応が多数寄せられている。 昨シーズンは「143試合・.256・43本塁打・120打点」といった数字を残し、2年連続でパ・リーグ本塁打王のタイトルも獲得した山川。2017年8月に結婚した妻と昨年産まれた娘の存在は、今後も山川のプレーを大きく後押ししてくれるのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年01月27日 17時30分
DeNA、大卒ルーキー2選手が春季キャンプ1軍スタート! 6位指名・蝦名には要注目?
「2人は一軍スタートさせます。坂本と蝦名です」。スタッフミーティングを終えたラミレス監督は、ルーキーの秋季キャンプの1、2軍振り分けについて、報道陣を前にこう宣言した。 坂本裕哉(立命館大)は即戦力左腕としての期待が高く、順位も2位と指名も上位だったために予想通りの結果であったが、蝦名達夫(青森大)は6位と下位指名ながら抜擢された。 蝦名は青森商業時代からプロに注目されていた野手。青森大学に進学してからも、1年秋から4番として活躍し打点王を獲得。同時に16年秋、17年秋とファーストとしてベストナインにも輝いた。俊足と強肩を活かすために、3年時には外野にコンバートされると、19年春には10戦で3発のホームランを放ち、本塁打王と外野でのベストナインに。19年秋には.406と高打率をマークし、首位打者と4回目のベストナインを獲得し、また主将としてもチームをリーグ戦優勝に導く立役者となった。 ラミレス監督は選考理由を「下位の指名だが、いいポテンシャルを持っているしパワーもある。一軍で見てみたいので機会を与えようと思った」と明かし、「佐野のように機会を与えたい。彼は打つのはいいけどそれ以外はとの評価だったが、今はレギュラーを狙える選手になった。蝦名にも同じような“匂い”を感じる」と、2020年からキャプテンを務める佐野恵太を引き合いに、期待の大きさを示した。 入寮の際には、高校時代から愛用し、「スタミナとパワーが付いた」と実感しているという青森の名産品、黒にんにくを持参。打った後のパフォーマンスも模索中と、周囲を笑わせる明るいキャラクターも佐野恵太と被る面もある。 新人自主トレでも持ち前のパワーで、白球を飛ばす姿が印象的だった蝦名達夫。ベイスターズでは比較的手薄な右打ちの外野手は、入団発表の際に示した「感謝」の心を胸に抱き、背番号61はプロでの第一歩を一軍の宜野湾の地でスタートする。 写真・取材・文 /萩原孝弘
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スポーツ 2020年01月27日 11時55分
DeNA、新キャプテン佐野には“アドバイザー”が必要? プロ4年目での大役、前キャプテンが残した“控室の明るさ”も助けとなるか
キャプテンよりも重要となってくるのは…。 横浜DeNAベイスターズの新キャプテンに佐野恵太内野手が任命された。ラミレス監督は「彼は明るいし、コーチ陣ともコミュニケーションを取れる。話もうまいし、話すことを恐れない」と抜てきした理由を語っていた。佐野は今年プロ4年目、広陵高校、明治大学と野球のエリート街道を歩んできたが、目立った成績は収めていない。高校時代は春夏合わせて甲子園の出場経験はなく、大学時代も「4番・一塁」を務めたこともあるが、4年間のリーグ戦出場試合数は63。レギュラーではなかったようだ。 「前キャプテンはメジャーリーグに挑戦する筒香(嘉智)でした。『筒香の後任』ということで何かと大変だと思います」 今さらだが、筒香は侍ジャパンの4番も務めたチームの大黒柱だ。「大変だ」というのは、実績の面を指しているのではない。筒香がキャプテンに就任した時と、今とではあまりにもチームの環境が違うからだ。 「筒香がキャプテンに選ばれたのは、2015年。前任は石川雄洋でした。キャプテンになる前の筒香は、むしろ、無口なほうで、先輩選手の誰かの後ろに隠れているようなタイプでした」 当時を知るプロ野球解説者がそう言う。そんな筒香をチームのまとめ役に選んだのは、中畑清監督(当時)だった。筒香の成長を促すためであり、筒香自身もその期待に応えてみせたが、こうも指摘されている。 「当時は三浦大輔・二軍監督(46)も現役でした。三浦現二軍監督が『何かあったら、オレの名前を使え。オレに言われたからそうしたと言っていい』と、後ろ楯になってくれました」(前出・プロ野球解説者) 筒香はこうした先輩たちに守られてきた。チームが連敗し、雰囲気が暗くなると、全員を集めて檄を飛ばすようにもなった。頼りになる先輩がいて、チームリーダーが育つのなら、佐野にもそんな相談役が必要だ。石川が相談役になると思われるが…。 「チーム全体が若返っているので、佐野と年齢の近い選手ばかり。筒香がキャプテンになった時は年上の選手もたくさんいました。今のチームなら、佐野も気苦労を感じないのでは。本当に困ったとき、石川など年長者に相談する形になると思います」(ベテラン記者) DeNAは一か月に一度のペースで、フロントスタッフと選手がファンサービスや施設面について意見交換を行っている。例えば、ファンサービスの一環で、球場周辺でのサイン会が選手側から提案されたとする。スタッフは都市公園法なども確認し、経営者の視点で企画を立てていく。選手側には試合に影響のない範囲を伝えて――。 DeNAのキャプテンは、こんな風に選手とフロントの橋渡し役もしなければならないのだ。しかし、佐野に決まったということは、ラミレス監督は戦力としても期待を寄せているからではないだろうか。 選手控室の様子は、12球団でさまざま。無駄なことは一切喋らない“職人気質のチーム”もあれば、仲の良いグループで固まっているところもある。DeNAはポップ系のBGMも流れていて、本当に明るい。 「BGMを取り入れたのは筒香。当時は反対した年長選手もいましたが」(前出・プロ野球解説者) このBGMにしても、三浦現二軍監督という後ろ楯があったから、「とりあえず、やってみろ」という雰囲気になったのだ。 明るいチームカラーなので、キャプテンに選ばれても精神的な苦痛はないはずだ。新キャプテン・佐野は良き相談相手を見つけることができれば、飛躍のシーズンとなるだろう。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月27日 11時15分
オリックス西村監督「確実性を求める」春季キャンプメンバー発表
オリックス・バファローズは2月1日から27日まで、宮崎県・宮崎市清武運動総合公園(清武SOKKENスタジアム、清武第二野球場)で行う春季キャンプのメンバーを発表した。 一軍と二軍の振り分けは次の通り。一軍スタート【投手】山崎(福)・荒西・増井・山本・山岡・近藤・村西・富山・田嶋・K-鈴木・ ディクソン・海田・齋藤・澤田・ヒギンス・山田・榊原・神戸・張・漆原【捕手】松井(雅)・若月・頓宮【内野手】勝俣・白崎・安達・福田・太田・山足・ロドリゲス・中川【外野手】西浦・モヤ・宗・後藤・ジョーンズ・西村・吉田(正)・佐野・小田・T-岡田・杉本二軍スタート【投手】宮城・吉田(一)・竹安・東明・アルバース・比嘉・小林・前・本田・金田・ 左澤・吉田(凌)・鈴木(優)・黒木・東・山﨑(颯)・佐藤(一)・谷岡・中田・松山【捕手】伏見・飯田・山崎(勝)・稲富・フェリペ・鶴見【内野手】西野・大城・紅林・小島・宜保・廣澤・岡崎・比屋根【外野手】松井(佑)・根本・平野・大下・佐藤(優) ルーキーは、ドラフト3位の村西良太投手、ドラフト5位の勝俣翔貴内野手の大卒コンビが一軍スタートに。昨年ファームでリーグ最多セーブを記録し、プエルトリコでのウインターリーグにも参加した育成の漆原大晟投手も一軍スタートとなり、支配下登録へ大きく前進。春季キャンプで首脳陣にアピールしたいところだ。 西村徳文監督は「どんなオフを過ごしたのか春季キャンプが楽しみ」と話しており、昨年は「走るチーム」の印象がついた野手陣に関しては、「確実性を求めていく」とさらに精度を上げていく方針であることを明らかにしている。 投手陣では吉田一将、竹安大知、東明大貴、アルバース、比嘉幹貴、小林慶祐が、野手陣では西野真弘、大城滉二、小島脩平らが二軍スタートになったが、ブルペンは一軍、二軍ともに同じ場所で投げ込みを行っており、練習球場も隣同士に位置しているため、一軍と二軍の選手入れ替えは今年も活発に行われる可能性が高い。紅白戦では二軍の選手が呼ばれることも多々あるだけに、一軍スタートを切ってもオープン戦まで一軍に残るにはハードルが高い。さらに、開幕一軍、開幕スタメン、開幕ローテーションへの争いがあるのだから、春季キャンプは熾烈な「枠」を争う競争の始まりに過ぎないのである。 オリックスとしては、キャンプ中の怪我人を最小限に抑えて、開幕を迎えたい。大物メジャーリーガー、アダム・ジョーンズの打撃練習にも期待したい。(どら増田)
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スポーツ 2020年01月27日 11時00分
ヤクルト春季キャンプメンバー発表!青木、山田、村上ら一軍スタート
東京ヤクルトスワローズは2月1日から25日まで、沖縄・ANA BALL PARK 浦添 (浦添市民球場)で行う春季キャンプの一軍メンバーを発表した。 キャンプを一軍でスタートするのは次の選手たちだ。【投手】石山泰稚、中尾輝、高梨裕稔、大下佑馬、清水昇、寺島成輝、石川雅規、近藤一樹、星知弥、イノーア、坂本光士郎、吉田大喜、小川泰弘、クック、杉山晃基、マクガフ、梅野雄吾、スアレス、大西広樹、高橋奎二、五十嵐亮太、今野龍太、長谷川宙輝【捕手】西田明央、松本直樹、嶋基宏、中村悠平、古賀優大【内野手】奥村展征、山田哲人、エスコバー、西浦直亨、荒木貴裕、廣岡大志、村上宗隆、吉田大成【外野手】中山翔太、塩見泰隆、青木宣親、山崎晃大朗、雄平、坂口智隆、濱田太貴 ファームは同日程で、宮崎・西都原(さいとばる)運動公園野球場で行われ、投手では原樹理、右肘を炎症した高卒のスーパールーキー奥川恭伸、外野手では上田剛史らが二軍スタートとなった。休日は2月5、10、14、20日の各日となっている。 高津臣吾新監督のもと、昨シーズン最下位からの巻き返しを図るヤクルト。石川雅規、近藤一樹、五十嵐亮太、嶋基宏、青木宣親、坂口智隆といったベテラン勢が元気に一軍スタートするのは心強いところ。山田哲人、そして昨年ブレイクした村上宗隆もタイトル奪取に向けて、春季キャンプから好調をアピールしたい。 5年振りのリーグ優勝を目指す高津ヤクルトがいよいよ動き出す。(どら増田 / 写真・萩原孝弘)
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スポーツ 2020年01月26日 17時30分
日本一、そして世界一を掴むシーズンへ 広島・鈴木の2020年、「神ってる」打棒で責任と期待に応えられるか
プロ野球は春季キャンプを目の前にし、新シーズンへ向け、選手たちの自主トレのニュースで賑わっている。その中で、カープの鈴木誠也も、21日から広島県廿日市市内の練習場に場所を移し、若手選手たちのトレーニングに合流している。 今季は鈴木にとって、カープの4番としてだけでなく、あらゆる意味で特別な一年となりそうだ。昨シーズンは首位打者と最高出塁率に輝き、自身初の打撃タイトルを手にした。出場試合数、打席も自己最多となり、カープの「顔」として十分な活躍を続けた。 反面、チームは4年ぶりに優勝を逃し、Bクラスに沈んでいる。レギュラーに定着した2016年からの3年間、何れも優勝を果たしていただけに、昨年のチームの成績は誰よりも不本意に感じていたことは想像に難くない。 2020年シーズンは佐々岡新監督が新たに就任し、新しいカープの再出発の年と言える。チームの転換期こそ、さらに鈴木の打棒に大きな責任と期待が込められることも確かであり、プレーヤーとしてさらに飛躍しなければならない1年になるだろう。 また、東京五輪でもすでに侍ジャパンの4番としての出場が確実視されている。稲葉篤紀日本代表監督は就任当初より「右の4番」への強いこだわりを明かしており、現段階では鈴木誠也「1択」であることは揺らいでいない。 何より、初優勝に輝いた昨年のプレミア12では全試合で日本の4番に座り、そして3試合連続本塁打、さらには打率も4割を越え、MVPに選出されている。主軸としてチームを引っ張り、2009年第2回WBC以来となる世界大会での優勝に導いた功績は、貴重な事実として人々の脳裏に刻まれる。日本の4番という立場は、3大会振りでの開催される五輪での野球競技での成績はもちろん、世界中に野球の魅力を伝える「伝道師」としての役割も少なからず担うはずだ。 既に球界を背負う存在にまで成長したものの、25歳という年齢からもまだまだプレーヤーとしての伸びしろは計り知れない。走・攻・守、全てのスキルにおいてトップクラスであり、また、試合を決定付ける場面などでの「神ってる」一打もファンは待ち続ける。昨年末には結婚したことも発表し、まさに公私とも充実し、さらに重要な一年を迎えることとなる。様々な節目の年となる2020年、カープの背番号1、鈴木誠也は球界No.1プレーヤーを目指し、邁進する。(佐藤文孝)
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スポーツ 2020年01月26日 11時00分
牧田1年目の結果、前例は参考になる? 最多勝、2ケタ、一軍登板ゼロ…明暗分かれるメジャー帰り投手たち
昨年11月26日に、楽天が獲得を発表した牧田和久。西武(2011-2017)からポスティングでサンディエゴ・パドレス(2018-2019/2019年はマイナー)に移籍していたアンダースロー投手の日本球界復帰は、各メディアによって広く報じられた。 メジャー挑戦した投手が、その後帰還する事例も珍しくはなくなってきている近年の日本球界。復帰1年目から健在ぶりを見せつけている投手がいる一方で、期待に応えられなかった選手もいる。 広島(1997-2007)から海外FAでメジャー挑戦した黒田博樹は、ロサンゼルス・ドジャース(2008-2011)、ニューヨーク・ヤンキース(2012-2014)でプレーし2015年に古巣に復帰。前年まで5年連続で2ケタ勝利を挙げていた投球は健在で、復帰1年目も「26登板・11勝8敗・防御率2.55」と2ケタ勝利をクリアした。 なお、2016年も「24登板・10勝8敗・防御率3.09」と2ケタ勝利をクリアした黒田は、チームの25年ぶりのセ・リーグ優勝を置き土産に同年限りで現役を引退している。 ダイエー・ソフトバンク(2003-2011)から海外FAで海を渡った和田毅は、ボルチモア・オリオールズ(2012-2013)、シカゴ・カブス(2014-2015)に所属した後2016年に古巣復帰。メジャー時代は左ひじの怪我もあり思うような成績が残せなかったが、復帰1年目のシーズンは一転して「24登板・15勝5敗・防御率3.04」で最多勝、最高勝率(.750)の2冠に輝く大活躍を見せた。 ただ、その翌年から2019年までの3年間は左ひじや左肩の故障で今一つ成績は残せず、2018年に関しては一軍登板ゼロ。復帰5年目となる今シーズンに向け、現在は並々ならぬ覚悟で自主トレに励んでいることが伝えられている。 一方、西武(1999-2006)、ボストン・レッドソックス(2007-2012)、ニューヨーク・メッツ(2013-2014)でプレーした後2015年にソフトバンクへ入団した松坂大輔(現西武)は、右肩故障の影響から復帰1年目の一軍登板はなし。そればかりか、ソフトバンク在籍3年間で一軍登板は2016年10月2日楽天戦のわずか1試合のみで、その試合も「1回・3安打5失点・4四死球」と大乱調に終わってしまった。 しかし、ソフトバンク退団後に加入した中日(2018-2019)では、1年目に「11登板・6勝4敗・防御率3.74」と復活しカムバック賞を受賞。しかし、2019年は「2登板・0勝1敗・防御率16.88」と振るわず、オフに退団となった後、古巣西武に復帰している。 その松坂と同じ結果となってしまったのが、近鉄(2000-2004)、オリックス(2005)、楽天(2005-2011)、シアトル・マリナーズ(2012-2017)と日米4球団を渡り歩き、2019年から巨人に加入した岩隈久志。同年2月の春季キャンプでは1軍スタートだったが、2017年8月に受けた右肩手術の影響でなかなか状態が上がらず。結局、復帰1年目は一軍未登板、二軍でも2試合しか登板できず、2年目の今シーズンに再起をかけている。 メジャーでは「27登板・0勝1敗・防御率5.40」と振るわなかったが、日本時代は「276登板・53勝49敗54ホールド25セーブ・防御率2.83」と確かな実績を残している牧田。チームの石井一久GMは獲得発表時に「これまでの日米での経験からイーグルス投手陣の底上げを期待してオファーをしました」と牧田加入の狙いを明かしているが、来たる復帰1年目の今シーズンは果たしてどのような成績を残すのだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年01月25日 19時30分
16勝、34ホールド、37セーブ…メジャー1年目で記録を残した一流投手たち、ブルージェイズ・山口の目標は?
今オフ、ポスティングによりメジャーへ移籍した山口俊(巨人→トロント・ブルージェイズ)。純粋な日本人投手のメジャー挑戦は、昨年の菊池雄星(西武→シアトル・マリナーズ)、一昨年の平野佳寿(オリックス→アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、牧田和久(西武→サンディエゴ・パドレス/現楽天)に続き3年連続の出来事となる、 横浜・DeNA(2006-2016)、巨人(2017-2019)の2球団でプレーし、「64勝・25ホールド・112セーブ」をマークしている山口。メジャーではどの役割を担当するのかも注目されているが、ここではそれぞれの役割での目標として、日本人投手のメジャー1年目における勝利数、ホールド数、セーブ数の歴代1位記録をそれぞれ見ていきたい。 メジャー1年目の日本人投手が挙げた勝利数の最高記録は、2012年のダルビッシュ有(日本ハム→テキサス・レンジャーズ/現シカゴ・カブス)、2016年の前田健太(広島→ロサンゼルス・ドジャース)がそれぞれマークした「16勝」となっている。 2011年オフに日本ハム(2005-2011)からレンジャーズへポスティング移籍したダルビッシュは、それまでに最優秀防御率を2回(2009-2010)、最多奪三振を3回(2007、2010-2011)、最高勝率(2009/当時の名称は最優秀投手)を獲得し、同年まで6年連続で2ケタ勝利をクリアしてもいたチームの大エース。メジャー1年目でも、その実力を存分に見せつけた形となっている。 2015年オフにポスティングで広島からドジャースへ移った前田も、ダルビッシュと同じく同年まで6年連続で2ケタ勝利を継続し、最多勝を2回(2010、2015)、最優秀防御率を3回(2010、2012-2013)、最多奪三振を2回(2010-2011)獲得するなどタイトル経験も豊富。メジャー1年目の勝ち星が同数となったのは、決して偶然ではないのかもしれない。 日本人ルーキーの最多ホールド記録は、2004年に大塚晶則(中日→パドレス)が記録した「34ホールド」。当初近鉄(1997-2002)でプレーしていた大塚は、2002年オフにポスティング移籍を目指すも失敗。その後オフに金銭トレードで移籍した中日(2003)で1年プレーし、オフに申請した2度目のポスティングでパドレスへ移籍した。 日本時代は7年間通算で137セーブを挙げ、1998年には最優秀救援のタイトルも獲得するなど抑えとして鳴らしていた大塚。メジャーでは抑えではなくセットアッパーとして、73登板に登板するなど1年目からフル回転した。 メジャー1年目の日本人投手が残した最多セーブ記録は、2000年に佐々木主浩(横浜→マリナーズ)が記録した「37セーブ」。佐々木は大洋・横浜(1990-1999)でプレーした期間中に、最優秀救援のタイトルを5回(1992、1995-1998)獲得。日本を代表する守護神として、1999年オフに海外FA権を行使しメジャーに参戦した。 佐々木は移籍先のマリナーズでも守護神の座をつかみ日本人ルーキー最多記録、そして当時のメジャー新人記録をも更新する37セーブをマーク。また、チームが所属するアメリカン・リーグの新人王にも選出された。 先発・中継ぎ・抑えのどこで起用されるかは、各報道でもまだ見方が分かれている山口。ただ、日本時代にいずれの役割も経験していることや、移籍直前に投手3冠を獲得したことなどを考慮すると、どこで起用されても先人の記録を更新するチャンスは少なからずあるのではないだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年01月25日 17時30分
史上初の快挙を成し遂げた選手も? 先発転向がハマった元リリーフ投手、楽天・松井も期待大か
昨年68試合の登板で38セーブを挙げ、パ・リーグ最多セーブのタイトルを獲得した楽天・松井裕樹。その松井がオフの契約更改で表明した今年からの先発転向は、多くのプロ野球ファンに驚きをもたらした。 プロ1年目の2014年に17試合に先発した経験はあるものの、リリーフに転向した翌年から昨年までの先発はわずか2試合となっている松井。報道では自らの意思に加え、若手で柱となれる先発が不足しているというチーム事情も転向の理由とされているが、ブランクの長さを理由にネット上には今回の決断を不安視する声も少なからず見受けられた。 ただ、元リリーフ投手が先発転向で成功を収めたケースは、近年だけを見ても複数存在する。 横浜・DeNA(2006-2016)でプレーした山口俊は、プロ入りから2013年までの8年間で「295登板(先発では9登板)・17勝28敗・111セーブ」をマーク。抑えとしての実績が目立っていたが、開幕から調子が上がらなかった2014年の途中に抑えから先発に転向。転向から約2年後の2016年には2ケタ11勝を挙げるなど活躍を見せた。 その後FAで移籍した巨人(2017-2019)でも先発を務めた山口は、2018年にノーヒットノーラン(7月27日中日戦)を達成し、2019年には「15勝4敗・防御率.2.91・奪三振188」で最多勝、最高勝率(.789)、最多奪三振の投手三冠に輝くなど大活躍。チームの5年ぶりのリーグ優勝を置き土産に、今オフポスティングでトロント・ブルージェイズへ移籍している。 山口と同じく、昨年タイトルを獲得した元リリーフ投手が現在オリックス(2017-)に所属する山本由伸。山本はプロ1年目の2017年に先発として5試合に登板したが、翌2018年はリリーフとして54試合に登板する一方で先発登板はゼロ。しかし、迎えた昨年は自ら直訴して再び先発に転向し「20登板・8勝6敗・防御率1.95・127奪三振」をマークし、最優秀防御率のタイトルを手にした。 山本はシーズン終了後の昨年11月、侍ジャパンの一員としてプレミア12にも出場。大会中は先発ではなくリリーフとして全8試合中5試合で起用されたが、「防御率1.80・6奪三振」と活躍しチームの世界一に貢献している。 先発転向後にプロ野球史上初の快挙を成し遂げたのが、かつてソフトバンク(2009-2018)でプレーした摂津正氏。摂津氏はプロ1年目から2年連続で最優秀中継ぎ投手に輝いていたが、3年目のシーズンとなった2010年に自身の意向と右のエースが欲しいチーム事情が一致し先発転向。そこから現役を引退する2018年まで1試合(2017年10月1日オリックス戦)を除き全て先発として試合に登板し、5年連続2ケタ勝利を含む70勝(通算は79勝)をマークした。 その摂津氏が最も輝いたのが、「27登板・17勝5敗・防御率1.91・153奪三振」といった数字を残し、最多勝、最高勝率(.773/当時の名称は最優秀投手)の2冠を獲得した2012年。同年の摂津氏は投手最高の栄誉とされる沢村賞に選出されているが、同賞と最優秀中継ぎ投手の両タイトル獲得はプロ野球史上初の快挙だった。ちなみに、この年以降から昨シーズンまで、摂津氏の後に続く選手は現れていない。 今回名を挙げた以上3名のうち、山口は本格転向以前に9試合、山本は5試合先発を務めた経験を持っており、山本、摂津氏は自らの意思を持って先発に転じている。このことを考えると、ルーキーイヤーを含めこれまで19試合で先発した経験を持ち、自ら転向を決断した松井も十分期待できるのではないだろうか。文 / 柴田雅人
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西武、一軍キャンプ帯同も「松坂は別メニュー」か 渡辺GMの目論見がメンバー編成から判明?
2020年01月16日 11時30分
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DeNA・倉本寿彦、「周りを気にしている立場ではない」6年目の決意
2020年01月16日 11時00分
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スポーツ
巨人、オフ補強失敗が意外なベテランに影響? 元木ヘッドコーチも期待、若手を差し置いての優先起用もあるか
2020年01月15日 11時57分
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中日・根尾が二軍、ルーキー石川が開幕一軍? 就任2年目のシーズン、与田監督が目論むチーム構想とは
2020年01月14日 11時44分
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ソフトバンク・コラスも復帰絶望か 給料を持ち逃げした選手も、球団との契約を反故にしたお騒がせ助っ人
2020年01月13日 09時00分
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.350、22本、106打点…メジャー1年目の日本人野手が残した打撃記録、筒香・秋山は更新なるか?
2020年01月12日 18時00分
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西武・松坂、一軍キャンプ投入は危険? 渡辺GMの意味深発言、昨季未登板の内海とも明暗分かれるか
2020年01月11日 17時30分
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日本ハム・中田も怯える「プロ野球選手寮」 心霊現象の頻発、球団が対応に追われたケースも?
2020年01月11日 11時00分
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阪神、現コーチ陣には存在意義がない? 山本昌待望論が渦巻く春キャンプ、秋に敷かれた“かん口令“も継続か
2020年01月10日 11時40分