プロ野球
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スポーツ 2020年01月21日 11時52分
巨人・原監督、開幕直前の助っ人獲得を示唆か レギュラー争いを踏まえた補強策、計画は昨年末頃から練られていた?
フリーエージェント補強の失敗は、メジャーリーグのロースター漏れを狙って――。 このまま引き下がるはずがなかった。原巨人が外国人選手の補強準備を進めていたことが判明した。巨人のスタッフミーティングが行われた(1月20日)。春季キャンプに向け、選手の一、二軍振り分けや、「強化指定選手」を確認するための会合で、今年の巨人は他球団に比べ、やや遅めの招集となった。 「選手の一、二軍振り分けを決めるのは、さほど時間も掛かりませんでした。意見が割れたのは、一塁手のことです」(球界関係者) 正一塁手不在とも言える。主砲・岡本和真がいるが、阿部慎之助や他の内野手との兼ね合いや対戦投手との相性などで、岡本が三塁、左翼を守る場面も多かった。そのため、岡本は昨季本塁打31、打点94の好成績だったが、ベストナインでの投票が「一塁手部門」と「三塁手部門」に分散してしまい、落選となってしまった。岡本の守備位置を固定することは、昨秋キャンプ時点でも伝えられていたが、ここに阿部の引退も重なり、正一塁手が不在となってしまったのだ。 「ベテランの中島、打撃に定評のある捕手の大城の併用が予想されていました。でも、スタッフ会議後、原辰徳監督はプロ3年目の北村拓己の名前を挙げていました」(スポーツ紙記者) 北村はまだ一軍でヒットを打っていないが、昨秋キャンプから合流した石井琢郎・野手総合コーチの目に留まった若手だ。しかし、原監督はスタッフ会議後、記者団にこうも話している。「外国人選手のお願いはしている」――。 「北村が石井コーチの期待に応え、レギュラーを獲れば御の字。中島が復活すれば、それはそれで面白いし、『捕手・小林、一塁・大城』ということになるかもしれません。打撃力でレギュラーが決められるはず。北村、中島、大城にチャンスを与え、3人とも結果を出せなければ、外国人選手を獲るという流れです」(前出・球界関係者) チャンスを与えた後の外国人選手の獲得であれば、外部補強に関する批判は出ない。北村らのレギュラー争いが終了するのはオープン戦終盤だろう。その時期、メジャーリーグで試合に出場できる26人枠が決定する。その枠に入れなかった選手、いわゆる「ロースター漏れ」を狙う段取りのようだ。「ロースター漏れと言っても、メジャーリーグの試合出場枠を争っていたわけですから、比較的レベルの高い選手ばかりです」(前出・同) 新外国人選手は、一塁手とは限らない。巨人は一塁手が守備のサインを出すチームなので、キャンプでの守備練習に加わっていない途中加入の選手に任せると、他の内野手にも悪い影響を与えてしまう。北村、中島らの打撃力不足を補う外野手か、三塁手だろう。後者の場合、「一塁・岡本、三塁・新外国人選手」となる。 「ロースター漏れの外国人選手をこれから獲るとなると、対戦チームはデータがありません。通常、新加入選手の苦手コースなどのデータはオープン戦で収集するので、その時間がない。データがない分、爆発的な活躍をする可能性もあります」(前出・同) 開幕直前、“緊急獲得”で他球団を混乱させる…。巨人は国内FA市場での獲得に失敗した直後からこの作戦を練っていたのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月20日 11時48分
ヤクルト、トレードで先発補強に動く? ドラ1奥川の右ひじ炎症、元メジャー新コーチが骨格別に緊急調整か
東京ヤクルトスワローズ・奥川恭伸投手(星稜)の育成プランが白紙に戻された。即戦力の可能性も秘めており、「シーズン中盤には一軍マウンド」の声も球団内部から聞こえていたが、右肘の炎症(軽度)が発覚し、新人自主トレでも「ノースロー」の別メニュー調整に陥ってしまった。 「ノックを受けても、捕球だけ。動きそのものは軽快なんで、大事を取っているのは伝わってきますが」(スポーツ紙記者) この奥川を一軍マウンドに立たせることができるのかどうか、その重大な責務を課されたのが、元メジャーリーガーの斎藤隆投手コーチだ。斎藤コーチは故障から這い上がってきた経験もある。奇しくも、奥川が「捕球だけ」のノースロー調整をしていた1月19日、斎藤コーチは「第3回神奈川学童野球指導者セミナー」に講師として招かれ、「怪我防止」と「故障明けの練習」について語っていた。 「斎藤コーチは右ヒジに計4度、メスを入れています。ヒジを故障する怖さはもちろん、なぜ、ヒジを故障してしまうのかについては十分に分かっているはず」(球界関係者) ヤクルトは、どういうわけか、主力投手が故障に見舞われる。歴代エースはシーズンを棒に振った経験があり、16年ドラフト1位で、「超高校級左腕」の呼び声も高かった寺島成輝も肘の故障に見舞われている。才能を持った大型左腕だが、いまだプロ未勝利である。 「ヤクルトは寺島を故障させてしまい、高校卒のピッチャーに関しては、慎重な調整をするようになりました。例えば、プロ一年目は3月中盤まで実戦登板させないとか」(前出・同) 斎藤コーチを招聘したのは、故障の多いチーム状況を変えたかったからだろう。その斎藤コーチは昨秋の就任当初から、こんな言葉を口にしているそうだ。「どういう骨格で、どういう特徴かを知らなければ…」と。 故障を防ぐ万能の方法はない。その投手の骨格に応じ、各々の調整メニューを考えていかなければならないという意味だ。 「斎藤コーチはセミナー後、自身を講師に招いてくれた外科医師と会談しています。奥川のことについて意見を伺ったそうです」(チーム関係者) 日本中が注目する新人投手のケアを任されるなんて、その重圧は並大抵ではない。奥川の一軍デビューが先送りされたとしても、甲子園を沸かせた剛速球が失われないのであれば、ファンも納得するだろう。 「奥川については大事に育てていくと、高津臣吾監督を始め、ヤクルト首脳陣は言っていましたが、内心は1年目からの先発ローテーション入りを期待していたフシも見受けられます。先発タイプの投手を急いで補強することになりそう」(前出・スポーツ紙記者) 奥川に十分なリハビリ期間を与えるためにも、ヤクルトが投手補強のトレードに向けて動き始めることになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月20日 11時00分
ポスト筒香争いに名乗り! DeNA、2年目のイケメン・伊藤裕季也が新年の誓い
一昨年のドラフト2位ルーキー・伊藤裕季也。ルーキーイヤーの昨年は、前半はファームでじっくりと鍛錬を重ね、夏真っ盛りの8月8日、宮崎敏郎の骨折もあり一軍に招集。翌9日にはプロ初安打を含む2本のツーベースデビューを果たすと、10日にはスタメンで5番に抜擢。すると、6回に初ホームラン、8回には値千金の同点弾を放つ活躍で、ただ者ではない雰囲気を醸し出した。その日、初めてお立ち台に上がると、「伊藤裕季也です。好きな4文字熟語は“焼肉定食”です!」と自己紹介。満員のお客さんのハートもガッチリ掴んだ。その際を振り返って、「前日、ラミレス監督がホームラン打つと予言していたので、打たないとまずいなと思い気合いも入って意識もしました」としながら、見事に結果を出すところにスター性も感じさせる。最終的な成績は21試合出場、打率.288、ホームラン4本、OPS.929と、ルーキーとして上々の数字を残した。 シーズンが終了してからも、宮崎のフェニックスリーグ、奄美での秋季キャンプ、台湾でウインターリーグに参加。まさしく、“野球漬け”のオフを送った。台湾では打率も3割を超え、盗塁も5をマーク。すると、体重も「去年の今頃は96か97キロあったけど、今は90キロくらい。減らしたいと思っていたので、ちょうど良く減りました」と減量にも成功し、笑顔を見せた。 新シーズンはキャプテン・筒香嘉智がタンパベイ・レイズに移籍することで、ベイスターズにとっては大きな変革期となる。伊藤は「直接アドバイスもらった訳では無い」と前置きしながらも、「筒香さんのバッティング練習を見ていて閃いた」とし、それを参考にして新フォームのヒントを得たと明かす。「台湾からいい感じ」と、一定の手応えも掴んだようだ。 ベイスターズには貴重な右の長距離・伊藤裕季也。元々の甘いマスクは、ウエイトが落ちたことで更に精悍さを増した。「筒香さんの穴を埋められるように」と、シーズンへの意気込みを語った伊藤への期待度は、加速度的に増している。取材・文・写真 萩原孝弘
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スポーツ 2020年01月19日 11時00分
本塁打数が100%以上アップしたチームも? 中日も新設を検討か、球界に導入進む「ホームランテラス」の効果は
2019年シーズンのチーム打率がリーグ1位の「.263」だった一方で、本塁打数はリーグ6位となる「90本」にとどまった中日。その中日の本拠地であるナゴヤドームに早ければ2021年シーズンから「ホームランテラス」が導入されることが、今オフ複数メディアによってたびたび報じられている。 「ホームランテラス」とは、既存のフェンスから数メートル前方に新たなフェンスを設けることによって生じる空間のこと。テラスを設置すれば外野が狭くなりフェンスも低くなるため「本塁打不足の状況が解消される」と期待するファンが多い一方、「相手に打たれる本塁打も増える」と懸念する声も根強い。 近年ではソフトバンクの本拠地である福岡ヤフオクドーム(2月29日から福岡ペイペイドーム)で2015年シーズンから、ロッテの本拠地であるZOZOマリンスタジアムで2019年シーズンから運用されている「ホームランテラス」(ロッテでの名称はホームランラグーン)。ここでは、テラスを設置したことで、両軍の本塁打数がどのように変化したのか見ていきたい。 2014年シーズンにおけるソフトバンクのチーム本塁打数はリーグ5位となる「95本」で、そのうち本拠地で放たれた本塁打数も「34本」。投手陣が喫した被本塁打数は、リーグ2位の少なさである「90本」だった。 一方、テラスを設置した2015年シーズンはチーム本塁打数がリーグ1位の「141本」と激増し、本拠地での本塁打も「77本」と前年から2倍以上も増加。その裏で投手陣もリーグワーストタイとなる「113本」の本塁打を浴びているが、それを差し引いても打撃面でのメリットの方が大きかったといえる数字となっている。 ラグーン設置前年の2018年シーズンにロッテが残したチーム本塁打数はリーグ6位となる「78本」で、そのうち本拠地で記録された本塁打数は「36本」。投手陣の被本塁打数はリーグで3番目に少ない「129本」と、本塁打数、被本塁打数ともにそこまで多いチームではなかった。 ただ、ラグーンを設置した2019年シーズン、ロッテのチーム本塁打数はリーグ3位となる「158本」、本拠地での本塁打も「72本」とどちらも激増。被本塁打数はリーグワーストタイの「143本」となったが、こちらも打撃面での恩恵の方が大きかったといえるだろう。 ソフトバンクは46本増(約48%アップ)、ロッテは80本増(約103%アップ)と、両軍ともに本塁打数を大幅に増やすことに成功しているテラスの設置。過去2チームの変化を考えると、中日もテラスを設置すれば同じように本塁打数が増加する可能性は高そうだ。 ただ、ソフトバンクは23本(約26%アップ)、ロッテも14本(約11%アップ)被本塁打数が増えるなど、テラスの設置には反動・リスクが生じる傾向もある。中日投手陣、捕手陣は導入に備えて、2020年シーズンのうちから少しでも被弾を減らせるように投球・配球を練っておいた方がいいのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年01月17日 11時37分
元ロッテ・サブロー氏が楽天へ移籍したワケ ファーム担当への転身、前職での甲子園取材は野望への布石だった?
元千葉ロッテのサブローこと、大村三郎氏が東北楽天ゴールデンイーグルスの「ファームディレクター」に就任したのは、1月8日だった。それから約一週間が経過し、ようやく“真意”が見えてきた。 「石井一久GMが仕掛け人です。当初、『ファーム担当のディレクター』に平石洋介前監督(20年よりソフトバンクの打撃兼野手総合コーチ)を充てようとしていました。この時点では、一軍指揮官を平石氏から別の誰かに代えたいだけで、結果を出した監督に解雇を通達するのは忍びないから、ファーム担当なんて聞き慣れない役職を与えたのかと思いましたが」(ベテラン記者) 大村氏を迎え、石井GMがファーム担当の統括者を本当に必要としていたことが分かった。とは言え、大村氏はロッテOBであり、現役時代に楽天とは縁のなかった人物だ。 「大村氏の楽天フロント入りも、19-20年オフ、美馬・鈴木の実質的な交換トレードのように、まとまったフリーエージェント移籍の延長でしょう」(前出・同) 美馬学投手は楽天から千葉ロッテへ、鈴木大地内野手は千葉ロッテから楽天へとそれぞれ移籍し、その後、人的補償や涌井秀章投手の金銭トレードなどが行われた。その結果、両球団の間で7人の選手が大量交換されたことになる。 その過程で、“大村氏の要望”を楽天が知らされたようなのだ。 大村氏は16年の現役引退後、千葉ロッテの「スペシャルアシスタント」の肩書をもらっている。そのアシスタント職の契約は「1年ずつの更新」となっており、19年12月の満了をもって、今回の発表となった。 そのアシスタント職について、他球団からではあるが、こんな内情を教えてもらった。 「元有名選手、監督、コーチを経験したOBが『アシスタント(ないしアドバイザー)』になるケースは他球団でも見られます。そのアシスタントとは、球団の営業か、広報のスタッフなんですよ。要するに、球団の関連会社が企画するイベントに出向し、協力をするのが仕事です。ロッテさんも変わらないはず」(在阪球団スタッフ) 球団のアシスタントになっても、他の仕事は許される。日程が重複した場合は球団の要請を優先しなければならないが、大村氏は専属契約を結ぶ大手メディアに「やりたい!」と要望し、高校野球の取材活動も行っていた。その高校野球の取材を希望した理由というのが、興味深い。 「将来はゼネラルマネージャーや、トレードやドラフト、外国人選手の獲得を統括する様なフロント職に就きたいそうです。その一環で高校野球の取材を介し、将来のスカウティング活動や、自分なりの育成ビジョンを構築したかったようです」(球界関係者) 千葉ロッテは大村氏の希望を聞いていたようだが、チーム編成職に「空き」がなかったそうだ。 「石井GMはチーム強化、大村氏は育成という棲み分けになり、2人が情報を共有して行きます。大村氏はドラフトにも関わることになるので、希望する仕事に就けたわけです。ボビー・バレンタイン元監督の時代を知るロッテOBは、メジャー式のブルペン調整、キャンプ練習を体験しています。それは今でも『ロッテ球団の財産』として、一部が継承されています」(前出・同) 大村氏の移籍により、“ボビー式の調整法”も楽天に流出することになる。 楽天イーグルスは、ソフトバンク、巨人、80年代の西武とも異なる強靱な球団組織を構築しつつある。2020年のペナントレースは楽天が台風の目になりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月16日 19時30分
日本ハム栗山監督「チームを成熟させていく」2020年スローガン決定
北海道日本ハムファイターズは16日の会見で、2020年のチームスローガンが「羽撃く(はたたく)」に決定したと発表した。 今年のコンセプトには「2016年に日本シリーズを制してから丸3シーズン、栄光から遠ざかり悔しさを味わってきたのは、チームだけではない。我々と同じくらい、いやそれ以上に歯がゆい思いを抱き続けてきたファンとともに、再び大空を舞うべく翼を広げ、はためかせる時は訪れた。一人ひとりが殻を破り飛躍を遂げ、4年ぶりの頂点奪回で捲土重来を果たす」という意味が込められている。 会見に同席した栗山英樹監督は「今年9年目のシーズンを迎えて、これまで悔しい思い、辛い思い、いい思いをたくさんしてきた中で、全てを懸けて結果を出さなければいけない年だと捉えています。何が何でも勝ち切るため、その思いをしっかり言葉にしてスローガンを決めました」とコメント。「選手全員が大きく大空を羽ばたくシーズンになり、ファンのみなさんに『今年のファイターズは羽撃いたな』と思っていただけたら優勝できるはずなので、誠を尽くしてチームを成熟させていくつもりです」と抱負を述べた。 2016年を最後にリーグ優勝、日本一から離れているだけに、盟主奪還に向けて、栗山監督にとっても勝負の年になりそうだ。 栗山監督就任時からのチームスローガンは次の通り。2012年:「9+ NinePlus」2013年:「純 ―ひたむきに―」2014年:「前進せよ 〜トゥミコロクル〜」2015年:「EZOlution」2016年:「爆ぜる」2017年:「F-AMBITIOUS」2018年:「道 -FIGHTERS XV-」2019年:「驀進」2020年:「羽撃く」(どら増田)
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スポーツ 2020年01月16日 11時30分
西武、一軍キャンプ帯同も「松坂は別メニュー」か 渡辺GMの目論見がメンバー編成から判明?
松坂大輔(39)にとって、キャンプは「試される機会」ともなりそうだ。 松坂が一軍キャンプに帯同することが決まった。辻発彦監督(61)がそれを示唆した時点で、「スロー調整の松坂が実戦重視の班に振り分けられても付いていけない」の批判が出たことは、本サイトでもお伝えしたが、その後発表された西武キャンプの日程表、メンバー編成表を見たら、一つの仮説が成り立った。渡辺久信ゼネラルマネージャー(54/以下=GM)に試されているのではないだろうか。 「一軍に振り分けられた選手で、注目はドラフト1位の宮川哲(24)、同2位・浜屋将太(20)の両投手です。2人ともストレートのキレには定評があります」(スポーツ紙記者) 両投手とも、即戦力と伝えられている。松坂に対しても、辻監督を始め、西武の関係者たちは「戦力として獲得した」と話していたが、この3人が試されるのは、2月22、23日だろう。 「両日、初の対外試合が予定されています(対千葉ロッテ)。宮川、浜屋の2人は期待が大きいので、早い時期に実戦デビューさせると聞いています。22、23日が2人のデビューマウンドになるかも」(前出・同) 一方の松坂だが、チーム関係者によれば、「右肩、右肘に異常はない」とのこと。しかし、練習メニューに関しては「ピッチングコーチと話し合ってから決める」という。その言葉通りなら、キャンプ初日から別メニューなんてことになりそうだが…。松坂は「投げたがり」の性格だ。一般論として、ピッチャーは走り込みや遠投を重ねてからブルペン投球に入るが、松坂は違う。いきなりでも、ブルペン投球をやりたいと思うタイプだ。 「西武の他のピッチャーは、松坂の西武時代を知らない年下ばかりです。極端な例え話になりますが、ドラフト2位の浜屋は松坂が甲子園で活躍したときはまだ生まれていません。『どんな練習をするんだろう?』と、西武投手陣から好奇の目にさらされるわけです」(プロ野球解説者) キャンプでの練習メニューは投手コーチと話し合ってから決めるというのも、気になる。西口文也(47)、豊田清(48)の両一軍投手コーチは「松坂に任せる」と言うだろう。しかし、松坂は子どものような一面もある。今までは、「投げたいから投げる」でやってきた。良く言えば天才肌なのだが、「どういう目的、意図があって、今日は投げるのか」をきちんと説明できなければ、両投手コーチは「新人で西武に入ってきた頃と何も変わっていないな。成長していない」と思うだろう。 「新人自主トレを見ていると、宮川、浜屋はハイペースで調整しています。キャンプ中盤には、ほぼ100%になるのでは」(前出・スポーツ紙記者) 初の対外試合で、両新人投手の登板が予想される理由も、そこにある。松坂は仕上がりの早い両新人投手を見て、張り合ったりしなければいいのだが…。渡辺GMはオトナになった松坂を見たいと思っているはずだ。自分で立てた練習メニューの根拠、体調管理、練習態度。松坂は一軍に振り分けられ、「見られている」「試されている」という自覚を持てるのか否かが試される。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月16日 11時00分
DeNA・倉本寿彦、「周りを気にしている立場ではない」6年目の決意
ベイスターズの倉本寿彦が、今シーズンへの意気込みを横浜市内で行われたトークショーで語った。 倉本はプロ入り2年目の2016年に、ショートのレギュラーの座を奪取すると、翌2017年シーズンではフルイニング出場を果たし、不動のレギュラーとして君臨していた。しかし、タイガースから大和をFAで獲得すると、倉本の出番は激減。2018年は85試合出場に留まり、昨シーズンに至ってはわずか24試合出場で、打率.121と不本意な結果に終わってしまった。 現状を打破すべく、多くの選手が出身学校など、縁のある施設で練習する中、倉本はこのオフ、「同じメニューをこなす」など、充実した練習を積むために「平塚に球場を借りて、社会人時代の同僚、現役プロ選手や沖縄でプレーする仲間」とトレーニングを行っている。「お互いに投げて、打ってを繰り返していると、気付いたら3時間くらい時間が経っている」こともあると明かし、今季に賭ける思いがひしひしと感じられた。 復活に向けて、「フェニックスリーグから変えた」新打撃フォームの定着を目指す。「スムーズにバットが出るように、バットのヘッドをあまり頭の後ろに入れない」ことに重点を置き、「しっかり練習して、実戦でどう対応していけるか」と、徐々に自分のものにしていきたいとの考えを示した。 ベイスターズは昨年のドラフト1位で、同じショートがポジションの森敬斗を指名したが、「周りを気にしている立場ではない。結果を残すしかない」と、自らの立ち位置は痛いほど理解している。 出身は茅ヶ崎、地元横浜高校を経てベイスターズに入団した倉本寿彦。小さい頃から観戦して応援してきたチームを、勝利に導く味は格別であろう。ストロングポイントである無類の勝負強さと、ショート、セカンドにサードと内野はどこでも守れるユーティリティ性を武器に、背番号5が再び輝いてくれることを、横浜の街も願っている。 取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘
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スポーツ 2020年01月15日 11時57分
巨人、オフ補強失敗が意外なベテランに影響? 元木ヘッドコーチも期待、若手を差し置いての優先起用もあるか
「復活」ということも十分にあり得る。 二軍本拠地でもあるジャイアンツ球場で、汗を流しているベテランがいる。陽岱鋼外野手だ。この時期、実績のある主力選手は若手を従えて、海外などで自主トレを行うもの。しかし、陽はあえて自分を追い込む環境を選んだという。 「ゲレーロが退団しても、チームはワールドシリーズ覇者・ナショナルズでも活躍したヘラルド・パーラを獲得しました。パーラはレフトでの起用が予定されており、センターには丸がいて、ライトにはベテランの亀井がいます。今季、結果を残さなければ、陽は本当にアブナイ」(スポーツ紙記者) 昨季の陽は110試合に出場したが、うち68試合は途中出場だ。2020年は5年契約の4年目だが、成績次第では球団が契約破棄を突き付けてくるかもしれない。そんな危機意識が陽を必死にさせたと見るメディアもあったが、そうではないらしいのだ。 「パーラは日本のピッチャーに対応できないかもしれませんよ」(米国人ライター) そんな懸念も聞かれた。パーラが巨人と契約した当初から指摘されていたことだが、メジャーリーグでは「30歳を過ぎた野手」に対しては、ドライな評価を下している。移籍先を決めるオフの米フリーエージェント市場において、これまで積み上げて来たキャリアまで否定されるような低年俸提示しかされず、「だったら、レギュラー扱いしてくれる日本へ」という流れがあるそうだ。今季、日本球界にやってきた他球団の元メジャーリーガーも、そんな事情を抱えている。 もっとも、日本球界で活躍してくれれば、米FA市場での低評価なんて関係ないのだが、パーラに関してはこんな声も聞かれた。 「守備は本当に巧いですよ。でも、低めの変化球が苦手で…。日本のピッチャーはコントロールが良いので、失投も少ないし、厳しい結果になると思われます」(前出・同) 「パーラに弱点アリ」の情報は、すでに他のセ5球団にも広まっている。そうなると、陽にもスタメン復帰のチャンスは十分にある。 「亀井は今季38歳ですよ。休みながらの起用になるでしょうし、陽だけではなく、石川、重信、山下といった他の外野手も出場機会が増えそう」(ベテラン記者) 原辰徳監督を始めとする首脳陣は、山下航汰に期待しているという。昨年は高卒1年目ながら支配下登録を勝ち取り、イースタンリーグ(二軍)で首位打者のタイトルも獲得した。巨人ファンの間でもイチオシの若手だが、山下は左打ち、陽は右打ち。対戦ピッチャーによっては、陽が優先的に起用されるケースも出てくるかもしれない。 一部報道によれば、元木ヘッドコーチが陽に「もう、後がない」とハッパを掛けたとあったが、これも「パーラに弱点アリ」の状況によるものなのかもしれない。外野のレギュラー争いが熾烈化すれば、連覇も見えてくる。しかし、巨人移籍以降、パッとしなかった陽が期待されるところからして、「オフの補強失敗が響いているんだな…」と言わざるを得ない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月14日 11時44分
中日・根尾が二軍、ルーキー石川が開幕一軍? 就任2年目のシーズン、与田監督が目論むチーム構想とは
2年目のキャンプは「重圧」との戦いとなりそうだ。 2020年シーズン、中日の開幕戦は、「ルーキー・石川が一軍、2年目の根尾が二軍」なんてことも十分にあり得る状況だ。 「与田剛監督は高橋周平を中心とした若い、新しいチームに作り替えようとしています」(地元メディア) 昨秋のキャンプ中もそうだった。記者団にチームビジョンを聞かれると、必ず名前が出ていたのが高橋。そして、根尾昂、昨秋ドラフト1位の石川昂弥(東邦)を指して、「高橋が」と、また彼の名前を出して、2人の兄貴分になってもらいたいとも期待していた。 3人とも、ドラフト1位だ。高卒1位である。地元ファンの注目度も高く、経験者にしか分からない苦しみもある。それを乗り越えた高橋に、根尾、石川を牽引してもらいたいと思っているのだろう。しかし、高橋に続く根尾、石川はキャンプ、オープン戦で明暗を分けそうなのだ。 根尾は昨秋から外野守備の練習にも取り組んでいる。その外野守備について、与田監督のビジョンも見えてきた。 「根尾にとっては試練のシーズンとなりそうですね。それも、オープン戦までに結果を出さないと…」(関係者) 根尾が外野守備の練習を始め、地元メディアには「1つの疑問」も芽生えた。外野の守備練習は出場機会を増やすためだが、2020年は「外野手として、二軍でフル出場させるのか」、それとも、「一軍に帯同させ、守備固め要員、代打で起用するのか」――。与田監督と一軍首脳陣は、春季キャンプの選手振り分けを話し合うミーティングで、根尾の起用法を改めて確認したそうだ。 根尾がオープン戦期間中、打撃で結果を出したら、一軍待遇。ダメだったら、二軍、と。 前出の関係者がこう続ける。 「根尾に対する期待の大きさですよ。走攻守の全てにおいて、トップレベルに育てなければならない逸材です。オープン戦で打てなかったら、二軍落ち。好成績を残したら、一軍でスタメンを争わせるつもりですが」 バットで結果を出さなければならないが、「この数字以上を残したら」という、打率、ホームラン数などの具体的なノルマは決められていない。与田監督が合格点を与えるか否かで一軍入りの当落が決められるそうだ。 一方の石川については、こんな情報も聞かれた。 「これも高橋中心のチーム作りの一環ですが、高橋を安心させないため、石川と競わせます。例えば、打撃練習の組分けをいっしょにして、高橋に常に緊張感を与えていくつもり。その流れで、石川は開幕戦も一軍で迎えることになりそう。プロ1年目の石川に一軍の雰囲気を勉強させる目的もあって」(前出・地元メディア) 根尾は不慣れな外野守備の練習に加えて、打撃練習にも相当な時間を割かなければならない。「バットで結果を出せ」ということは、ある意味、与田監督からオトナ扱いされたわけだ。ここで踏ん張らなければ、「後輩の石川が一軍で、自分が二軍」となってしまう。根尾にとっては、試練のキャンプ、オープン戦となりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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2020年01月13日 09時00分
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.350、22本、106打点…メジャー1年目の日本人野手が残した打撃記録、筒香・秋山は更新なるか?
2020年01月12日 18時00分
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西武・松坂、一軍キャンプ投入は危険? 渡辺GMの意味深発言、昨季未登板の内海とも明暗分かれるか
2020年01月11日 17時30分
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日本ハム・中田も怯える「プロ野球選手寮」 心霊現象の頻発、球団が対応に追われたケースも?
2020年01月11日 11時00分
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阪神、現コーチ陣には存在意義がない? 山本昌待望論が渦巻く春キャンプ、秋に敷かれた“かん口令“も継続か
2020年01月10日 11時40分