プロ野球
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スポーツ 2020年02月11日 17時30分
原監督が追い求める理想のリリーバーは「背番号47」
巨人・原辰徳監督の「背番号のシャッフル」が止まらない。3度目の指揮官就任となった昨年は17選手を、19-20年オフも13選手の背番号を変更させている。成長著しい若手の背番号が若くなるのは“期待の大きさ”でもあるが、原監督は「ある背番号」に強いこだわりを持っているという。「47番」だ。 「昨季、背番号21だった吉川光夫(現日本ハム)を47番に変更する時、直接話をしています。原監督は『是非、つけてください』と言って」(球界関係者) 原監督の描く理想の47番は、山口鉄也(現・三軍投手コーチ)だ。クローザーに繋ぐセットアッパーとして通算273ホールドを挙げた左腕だが、原監督の第二期政権とも重なる08年から16年まで60試合以上に登板し続けた鉄腕でもある。 47番を託された吉川にも期するものがあった。しかし、その期待に応えられず、昨季途中トレードで放出されてしまった。現在、その47番を継承しているのが、吉川との交換トレード(複数トレード)で巨人にやってきた藤岡貴裕だ。同じ左腕投手だが、藤岡は二軍スタートとなっている。 原監督の「47番=強い中継ぎ左腕」という思い入れは変わっていないそうだ。 「藤岡は千葉ロッテでプロ野球人生をスタートさせ、巨人が3球団目。彼が日本ハムにトレードされた時もそうでしたが、どの球団の二軍首脳陣が言うんですよ、『もったいない。凄い素質があるのに』って。巨人も藤岡の素質を惜しんで、交換要員として指名しました」(前出・同) しかし、藤岡は昨季、2試合しか一軍のマウンドを踏んでいない。原監督による背番号のシャッフルで別番号になるとの予想もされていたが、そうはならなかった。 「藤岡にも期待しているのでしょう。原監督の理想は、左の安定したセットアッパーを作って、最後のクローザーに繋ぐ継投策です。藤岡の復活はファームのコーチ陣に託し、このキャンプでは左右に関係なく、強い中継ぎ投手を見出そうとしているようです」(スポーツ紙記者) キャンプ序盤のブルペンを見る限り、「調整が順調そうなリリーバー」は、中川皓太、田口麗斗、高木京介、そして、ベテランの大竹寛といったところ。新加入のビエイラの投げるボールは本当に速いが、外国人選手の試合出場登録枠の関係で二軍スタートとなる可能性も高い。また、関係者によれば、原監督は昨季途中に獲得したデラロサをクローザーに置く布陣で臨むという。だが、シーズンを通してクローサーを務め上げた経験はなく、不安要素も多い。 「昨季同様、巨人の救援陣は総動員になるのでは?」(前出・スポーツ紙記者) 投手陣が整備された広島、阪神、絶対的なクローザーを持つDeNA。原巨人に「真の47番の継承者」が出現しない限り、厳しい戦いが続きそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年02月11日 11時30分
櫻井・京山らが着々と成長! DeNA、次世代のピッチングスタッフを担う若手高卒投手陣
ベイスターズ期待の高卒ピッチャー陣が、着々と成長を遂げている。8日に沖縄・宜野湾で行われた紅白戦には、活きのいい若手がマウンドで躍動した。 主に一軍メンバーが揃う白組の先発として起用されたのは、高卒3年目の櫻井周斗。昨年中継ぎとして一軍デビューを果たした左腕は、今シーズンから先発としてローテーション入りを狙う。この試合はやや制球に難があり、2回2失点との結果に終わったが、いの一番に先発に抜擢されたことは期待の表れと言える。 昨年12月初旬、メジャーリーグ屈指の理論派、シンシナティ・レッズのトレバー・バウアーが、横須賀にあるベイスターズのファーム施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」を訪れた際には、積極的に質問。「身体の使い方やパワーカーブの投げ方」を伝授され、「目から鱗でした」と目を輝かせていた姿は印象深かった。「ベイスターズのピッチャー陣にない、元阪神のピアース・ジョンソンのようなパワーカーブ」を完全にマスターすることが出来れば、高校時代に現日本ハムの清宮幸太郎から5打席連続三振を奪った伝家の宝刀スライダーと、145キロ超のストレートのコンビネーションで、開幕ローテーションの座を奪って欲しい。 対する紅組の先発は高卒4年目の京山将弥。一番レベルの相手に向かって、2回1フォアボール無失点と、ほぼパーフェクトに近いピッチングを披露。2018年には6勝を挙げたが、昨年は勝ち星はなくやや足踏みした印象だが、本人も「何かを変えないといけない」と実感し、「今永さんからの誘い」で、アメリカにある最先端トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」で「身体の使い方や理想的なフォーム」を手に入れることに着手。この日の結果を見ても、この時期に145キロ以上のストレートを投げ込めるなど、着々とスキルアップに繋がっているようだ。 他にも、昨年支配下を勝ち取った高卒3年目の中川虎大も、球威十分のストレートで押しまくり2回を無失点。6年目の飯塚悟史、2年目の勝又温史と共に1回を無失点の好投を見せるなど、順調な仕上がりが目立っていた。 近年ベイスターズのローテーションは、大卒ピッチャーがほとんどを占めている状況。彼らの背中に追いつき追い越すことで、理想的でスムーズな世代交代が可能となる。近未来のベイスターズは彼ら高卒生え抜き組が担っていく。 文 ・ 写真/萩原孝弘
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スポーツ 2020年02月10日 20時30分
ソフトバンク、春季キャンプ10日弱で8人が故障 「昨シーズンの二の舞になる」止まらない“負傷禍”にファン困惑
1日からA組(一軍主体)、B組・リハビリ組(二軍主体)の2つに分かれ、宮崎県宮崎市のアイビースタジアム(宮崎市生目の杜運動公園)での春季キャンプに臨んでいるソフトバンク。そのソフトバンクに故障者が続出していることが、ネット上のファンの間で波紋を広げている。 故障者第1号となったのは、チームのエース投手・千賀滉大。第1クール初日となった1日、千賀は右ふくらはぎの張りを訴え別メニュー調整に。各メディアの報道では軽傷と伝えられていたが、同日から第2クール最終日の9日まで別メニューでの調整が続いている。 翌2日には捕手・海野隆司が右ひじ関節炎、投手・椎野新が右肩違和感でA組から離脱。3日は1人の故障者も出なかったが、第1クール最終日となる4日には投手・田中正義が右肘違和感でA組を離脱となった。 第1クールで発生した故障者の連鎖は、6日から始まった第2クールでも止まらず。7日にB組の投手・野澤佑斗がリハビリ組送りとなると、8日には昨シーズンブレークした投手・高橋純平が右股関節の張りで離脱。 さらに、第2クール最終日となる9日には内野手・内川聖一が左ひざ違和感で別メニューとなった上、この日B組からA組に昇格してきたばかりの投手・大竹耕太郎も左ひじ違和感でシート打撃への登板を取りやめている。 キャンプインから約10日で8名もの故障者が続出するという事態に、ネット上のファンからは「10日で8人はさすがに多すぎるだろ」、「球団はもう少し選手の体調管理を徹底してやるべき」、「このまま怪我の連鎖が続いたら、昨シーズンの二の舞になるかもしれない」、「今の時期からこんなに故障者が出るようじゃリーグ優勝なんか到底無理だぞ」といった反応が多数寄せられている。 「昨シーズンのソフトバンクは開幕直後から、チームの絶対的主砲である柳田悠岐を筆頭に怪我人が続出。これによりシーズンの序盤・中盤はなかなかフルメンバーをそろえることができなかった上、終盤に戻ってきた故障者たちが今一つブランクを埋めきれなかったことが2年連続のV逸につながったと見る向きは強いです。今回の故障者続出は例年より1週間開幕が早いことに選手が焦り過ぎた結果とも、昨シーズンの失敗を踏まえた首脳陣が例年以上に大事を取らせた結果ともいわれていますが、それらを踏まえても8名という人数に危機感を抱いているファンは多いようです」(野球ライター) 3年ぶりのリーグ優勝、そして4年連続の日本一を目標に掲げ、オフにはヤクルトからバレンティンを獲得するなど補強にも余念がなかったソフトバンク。しかし、その目論見には早くもほころびが生じ始めているのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年02月10日 19時00分
元巨人・笠原氏、レイズ筒香に「活躍できない」「レギュラーも獲れない」 メジャーに挑む大砲を酷評したワケは
2015年に起こした野球賭博事件での解雇・無期限失格処分を経て、現在はユーチューバーとして活動する元巨人(2009-2015)の笠原将生氏。その笠原氏が9日にアップしたユーチューブ動画が、ネット上のプロ野球ファンの間で物議を醸している。 笠原氏は同日の動画内で、今オフメジャーに移籍した3名の日本人選手が移籍初年度に残す成績を予想。このうち、元横浜(2006-2016)・巨人(2017-2019)の32歳・山口俊(現トロント・ブルージェイズ)に対しては「10勝8敗・防御率3.70」、元西武(2011-2019)の31歳・秋山翔吾(現シンシナティ・レッズ)に対しても「打率.300・10本・180安打・20盗塁」と、それぞれ期待を込めて予想をしていた。 問題となっているのは、残る1名である元DeNA(2010-2019)の28歳・筒香嘉智(現タンパベイ・レイズ)についての予想。笠原氏は3名の中では最年少である筒香に対し「正直、メジャーで活躍できないと思う」とした上で、「ホームランが15本ぐらい、打率は.250もいけないと思うな」と予想。 続けて、「ひょっとしたらレギュラーも獲れないと思うんですよ、筒香選手に限っては」と、山口、秋山とは違いレギュラーの座も危ういのではと危惧した。 筒香を酷評する理由について、笠原氏は「自分と対戦(して)した時と比べて、筒香選手は体のキレがすごくなくなった」と、同じセ・リーグに身を置いた2010~2015年と比べ、現在の筒香は打撃面での瞬発力、対応力が衰えていると指摘。 その上で、「メジャーのボールって手元で動くってよく言われてますけど、それに対応できるかなっていう(ところが不安)。ボールを引き付けて、体をくるっと回すことができれば打てるとは思うんですけど、2017年から見てて(昨年は特に)体のキレがすごく悪くなった」と、メジャーで主流となっているツーシームやムービングファストといった動く直球には対応できないのではと述べた。 今回の動画を受け、ネット上のプロ野球ファンは「まだ始まってもない段階で何決めつけてるんだ」、「メジャー経験の無い笠原に言われても説得力が無い」、「球界から追放された奴が偉そうに語るな」と反発。 一方、「自分も筒香が一番厳しいと思う」、「日本でもストレートに苦戦してる筒香が、メジャーで打てるとは到底思えない」、「ホームランに関しては15本もいかないんじゃないか?」と笠原氏に同調する声も少なからず見受けられた。 「メジャーの投手は日本と比べて平均球速が早く、2017年には150キロ台に突入してもいます。そのため速い球、とりわけ動く直球への対応は必要不可欠と言えますが、昨年の筒香の球種別打率を見ると直球の打率は『.238』。2度の死球や首の張りなどといった故障もあったとはいえ、日本でもこれだけ直球に苦戦していることを考えると、メジャーでも対応に苦慮する可能性は高いと言わざるを得ません」(野球ライター) 動画内では筒香の成績を「ホームラン15本、打率は.250いくかいかないか」と予想している笠原氏。果たして、実際の筒香の成績はどのような数字となるのだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について笠原将生氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCGOKBW_5opgTMC1mJR_fERQ
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スポーツ 2020年02月10日 17時00分
阪神OB・掛布氏、好投の藤浪に「インコースを投げさせて」で賛否 「余計な口を挟むな」解説席からの注文に反発も
9日にCSスポーツチャンネル『スカイA』がCS・ユーチューブで生中継した阪神対日本ハムの練習試合に、元阪神で現在はチームの親会社・阪神電鉄が今季新設したポスト「HANSHIN LEGEND TELLER(HLT)」を務めている掛布雅之氏が解説として出演。この日先発マウンドに上がった阪神・藤浪晋太郎について言及した。 秋・春季キャンプで臨時コーチを務める元中日・山本昌氏の指導の下、直近3年間で8勝という不振からの脱却、具体的には制球難の改善に取り組む藤浪。同戦では2回を投げ四球を2個記録したものの、被安打・失点は共に0だった。 結果を報じる各メディアの報道では、おおむね「好投」と伝えられているこの日の藤浪。しかし、同戦の中継中には解説の掛布氏がたびたび藤浪に注文をつける場面があった。 1回表、日本ハムの2番・石井一成への投球中に掛布氏は「バッターからするとボールが見やすい。(だから)そんなに怖さというものを感じることはなくなった」と、藤浪の投球から威圧感が失われていると発言。 次打者の3番・王柏融への投球中には、怖さがなくなった理由について「腕の振りがすごくコンパクトになっている。コンパクトになると打者はタイミングを合わせやすくなる。投手に長くボールを持たれた方が打者はタイミングを合わせづらいが、今の藤浪はそう長く持っている感じはない」と指摘した。 また、4番・横尾への投球中には「あとは先発投手としての投球のリズム(が課題)。これはすごく考えなきゃダメ。(野手は)守っていて疲れてしまう」と、投球間隔についても苦言を呈した。 一方、掛布氏はインコースの使い方についてもコメント。2回表、7番・高浜祐仁への投球中に「(捕手はインコースのサインを)出さなきゃいけないと思う。(この試合での要求は)9割以上アウトコース。(藤浪には)意識してインコースを投げさせてほしい」と阪神バッテリーに注文をつけていた。 掛布氏の一連の発言を受け、ネット上の阪神ファンからは「確かにインコース投げないとシーズンは苦しみそう」、「球速は150キロ台バンバン出てたけど、意外とバットには当てられてたな」といった同調の声が多数寄せられている。 一方、「3年も不振の投手にあれこれ求めすぎ、まず大事なのは形はどうあれ0点に抑えることだろ」、「それができないからここ数年苦しんだのに、いい加減なことを言わないでほしい」、「投手コーチでも無いのに余計な口を挟むな、この時期からプレッシャーかけてどうするんだ」といった苦言も複数見受けられた。 直近3年は計8勝にとどまっているものの、その前の4年間では計42勝を挙げ、2015年には最多奪三振(221個)のタイトルも獲得している藤浪。極めて高いポテンシャルを秘めている投手なだけに、掛布氏の要求が高くなるのも致し方ないのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年02月10日 11時59分
阪神、鳥谷の後釜は42歳の福留? 過去2年の主将経験、その裏で次期リーダーと目される“コミュ力抜群”の若手も
「鳥谷ロス」により、矢野阪神にビミョ~な変化が見えてきた。 2月8日、中日と練習試合が行われた。同点で迎えた9回、“新リーダー候補”の一人である北條史也が会心の一撃を左中間スタンドに放り込み、チームを勝利に導いた。 「同学年の木浪聖也とショートのレギュラー争いをしており、負けられないという意地もあるようです」(現地入り記者) 阪神OBを始め、大阪方面で活動しているプロ野球解説者の多くから聞かれたのは「北條はもっと出来る」の声。走攻守に優れ、入団当初から将来を嘱望されてきた選手である。なぜ改めて、北條に注目が集まったかというと、長く阪神を牽引してきた鳥谷敬氏の退団を受け、「新リーダーになるのでは?」とも期待されていたからだ。 「北條の周りには常に人が集まってくるというか、リーダー的な資質も持った選手です。通常、ピッチャーはピッチャー同士、野手は野手同士で固まることも多いんですが、北條は投手陣のグループにも自分から飛び込んでいきます」(阪神OB) そんな新リーダー候補の言動だが、このチームを勝利に導いた練習試合の前日、こんなことがあったそうだ。 「ライバルの木浪とどっちがショートの守備につくかで、ジャンケンをしたそうです。木浪が勝ったので、スタメン・ショートを譲り、北條は指名打者。試合途中からショートの守備に入りました」(前出・現地入り記者) ジャンケンで決めたと聞くと、レギュラー争いの緊張感がないような…。性格的にまだ子どもみたいなところもある。とは言え、チーム内でギスギスするのも宜しくない。どちらが“正遊撃手”で勝利しても、同じチームの一員としてやっていこうと思っているのだろう。 しかし、当面の間、チームリーダーは北條ではなく、福留孝介が務めていくのではないだろうか。 「早出特打ち、ランニングなど42歳とは思えないほど精力的に動いています」(前出・同) 鳥谷氏もそうだった。寡黙に練習に打ち込み、後輩たちがその姿を見倣っていたが、「福留はちょっと違う」という。同じ外野手の若手である高山俊が打撃ケージに入ると、自らバッティングピッチャーを買って出る。「右肩の筋トレ」と笑って、100球以上を投げ込む。そして、ボール拾いなどのインターバルの時に「高めのボールを打つ時に…」と、技術的なアドバイスも送っていた。居残り練習にしても、中堅どころに「もう終わりか?」と声を掛け、いっしょにやらせていた。プロ野球解説者がこう続ける。 「福留は17年から2年間、チームの主将を務めました。その間、必ず言っていたのが『トリ(鳥谷氏)の負担を少しでも減らせたら』でした。昨季から主将役を若い糸原に譲り、自分は後方からチームを見守っていました。投手陣は藤川球児がまとめていますが」 糸原も先輩が多いからか、遠慮している感がある。内野ノックで声を出しているのは、大山か、北條。自身は二塁の定位置を守るのに必死だからだろう。 鳥谷が退団し、存在感が増したのが福留だ。北條がまだオトナになりきれず、糸原が遠慮している間、福留に“リアルリーダー”を務めてもらうしかない。今年のトラは、“福留のチーム”に変貌しつつある。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年02月09日 17時30分
鳥谷にもチャンスか、それとも…春季キャンプでテスト入団に漕ぎつけた選手たち、育成からMVPに成り上がったケースも
昨シーズン限りで阪神を退団し、オフシーズンはその去就がたびたび取りざたされた鳥谷敬。しかし、新たな所属先が決まらないまま、球界は早くも2月のキャンプインを迎えている。 現在に至るまで状況が進展しなかったこともあり、「もう引き取り手はないのでは?」、「獲得してもメリットがないと見られているのでは?」と見る向きも強まりつつある鳥谷。しかし、球史を振り返ると、春季キャンプ中にテストを受けて新天地に入団し、その後一軍の戦力としてチームに貢献した選手は存在する。 2017年の春季キャンプで楽天にテスト入団した久保裕也は、巨人(2003-2015)、DeNA(2016)でプレーした14年間で主に中継ぎとして427試合に登板。DeNAでプレーした前年は「9登板・0勝0敗・防御率5.25」と振るわなかったが、4日間にわたった入団テストでは自分の実力をアピールすることに成功した。 2017年に血行障害の影響で一時育成契約となった時期がありつつも、現在まで楽天に所属し続けている久保。3年間で合計74試合に登板しており、昨年9月15日オリックス戦では通算500試合登板という節目の記録も達成している。 2007年のキャンプで中日に入団した中村紀洋は、それまで近鉄(1992-2004)、ドジャース(2005)、オリックス(2006)の3球団でプレーし、通算319本塁打をマークしていた長距離砲。中日入団当初は支配下選手ではなく育成選手としての契約だったが、オープン戦を経て3月23日に支配下契約を結んだ。 中村はシーズンでは三塁のレギュラーとして、「打率.293・20本塁打・79打点」といった数字をマーク。また、チームが53年ぶりの日本一となった日本シリーズでは「打率.444・4打点・8安打」とヒットを量産し、日本シリーズMVPにも輝く活躍ぶりを見せた。なお、中村は翌2008年限りで中日を退団するが、その後も楽天(2009-2010)、DeNA(2011-2014)の2球団でプレーしている。 2004年にオリックス・ブルーウェーブを戦力外となった吉井理人は、同年オフに近鉄と合併して新体制となったオリックス・バファローズの入団テストに参加。そこでアピールに成功したことにより、出戻りのような形での再入団を果たした。 前年は3試合の登板にとどまり白星もゼロだった吉井だが、2005年は15試合に登板し6勝をマーク。同年を含め、2007年6月にロッテにトレード移籍するまでに計14勝を挙げるなど、“掘り出し物”といっても差し支えない活躍を見せた。 2004年から2019年まで阪神一筋でプレーし、「2169試合・.280・138本塁打・822打点・2085安打」といった数字を残している鳥谷。ここまでの各報道ではロッテ、中日が獲得を検討している球団とされる一方、阪神に電撃復帰するのではとの噂も聞こえてくるが、果たして春季キャンプの間にチャンスを与える球団は現れるのだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年02月09日 11時30分
ソフトバンク・千賀、さまざまな「舞台」に臨むシーズンへ 数年来のポスティング要望、自らの腕で夢の扉を開けるか
右ふくらはぎの違和感により、キャンプ初日から別メニューでの調整が続いたソフトバンクホークスの千賀滉大。昨季のチャンピオンチームにとっては戦力が豊富とはいえ、エースの負傷はやはり不安が付きまとう。 ただ本人は、回復へ向けて「時間をかけてやっていく」と、落ち着きを見せている。その様子からは自身の立場や、選手としての自覚が十分に伝わってきており、ファンは安心感を抱くとともに、早くも新たなシーズン、そしてさまざまな「舞台」で投げる姿を思い描き、期待を膨らませている。 先発に定着した2016年から昨年まで、両リーグ通じて唯一となる4年連続二桁勝利を続けている。4年間、いずれも奪三振の数が投球回数を上回り、昨年は最多奪三振(227個)のタイトルも手にした。もはや名実ともに球界を代表する本格派投手であることは疑う余地もなく、今年も日本シリーズ4連覇を狙うチームの原動力となることはもちろん、最多勝タイトル獲得も目標の一つだ。 さらに今年は東京オリンピックへの出場も見込まれている。昨秋のプレミア12には不参加だったものの、五輪への出場は本人のみならず、稲葉篤紀監督他、ファンも含めて、大きな期待を寄せている。2017年のWBCでのパフォーマンスを振り返ってみても、千賀のストレート、そしてフォークは国際試合において無類の強さを見せつける。 また、抱き続けている、米大リーグ移籍への強い想いは現在も変わっていない。常に上を目指すことでプレーヤーとしての成長を遂げてきた千賀にとって、さらなるステージは必須だ。 数年にわたり要望しているメジャー挑戦も、絶対的エースであるがゆえ、ソフトバンク球団はポスティング移籍を容認しておらず、さらに、年棒も昨季より1億円以上も上乗せされていることにも、期待と信頼がはっきりと表れている。現段階において米球団への移籍を実現させるには 数年先のFA権取得まで待つ必要がある。 それでも、チーム、そして日本代表での活躍など、あらゆる面において投手としての実力をさらに大きなものとした先に、新しい道が開かれていくはずだ。育成出身選手としてさまざまなハードルを乗り越え、理想を現実のものとしてきた頼もしい右腕にはファンも大きな夢を重ねる。 2020年、また一つ、新たな扉を開く千賀滉大の姿を思い浮かべて、訪れるシーズン開幕を楽しみに待つ。(佐藤文孝)
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スポーツ 2020年02月08日 17時30分
ソフトバンク、優勝はおろか最下位も? 球団史に残る名将も再起不能に、今シーズン危惧される“ねずみ年の呪い”とは
昨シーズンパ・リーグ2位からCS、日本シリーズと勝ち上がり、3年連続の日本一に輝いたソフトバンク。今シーズンはオフにバレンティン(前ヤクルト)を獲得したこともあり、早くも「リーグ優勝は固い」、「順当なら4年連続の日本一」との見方も強い。 しかし、あまり取り沙汰されてはいないが、決して軽視するべきではないと思われる不安要素が1つある。それは今年2020年の干支である「ねずみ年」。今年で球団創設82年を迎えるソフトバンクだが、実は過去のねずみ年シーズンは前身球団も含めてかなりの苦戦を強いられている。 現在に至るまでに南海軍(1938秋-1944)、近畿日本軍(1944-1945)、グレートリング(1946-1947)、南海(1947-1988)、ダイエー(1989-2004)、ソフトバンク(2005-)という変遷を辿っている球団が、これまでに戦ったねずみ年のシーズンは計6シーズン。南海時代に迎えた最初のシーズンである1948年は「87勝49敗4分・勝率.640」で優勝と好結果だった。 しかし、次の1960年は「78勝52敗6分・勝率.600」で2位、その次の1972年は「65勝61敗4分・勝率.516」の3位と、Aクラスではあるものの1つずつ順位が低下。そして、南海時代では最後となる1984年は「53勝65敗12分・勝率.449」の5位とBクラスに転落してしまった。 さらに、南海からダイエーに移行し、前年から王貞治監督(現球団会長)が指揮を執っていた1996年は「54勝74敗2分・勝率.422」で最下位という結果に。ちなみに、同年は負けが込むチームに怒ったファンがチームのバスに生卵を投げつける、いわゆる“生卵事件”が起こったシーズンでもあった。 ダイエーはその後王監督の下でリーグ優勝3回、日本一2回と黄金期を迎え、ソフトバンクに移行した2005年以降もAクラスを継続。しかし、ソフトバンク時代で最初のねずみ年である2008年、チームは「64勝77敗3分・勝率.454」で1996年以来の最下位に沈み、王監督も辞任を余儀なくされてしまった。 以上に挙げたねずみ年6シーズンの内、全てBクラスに沈んだ後半の3シーズンはいずれもチーム防御率が4点台以上(1984年4.89/1996年4.04/2008年4.05)という共通点がある。この点を考慮すると、過去の二の舞とならないために2020年のソフトバンクが回避すべき点は、“投壊”であると言えるだろう。 なお、ソフトバンクの投手陣は翌2009年から昨シーズンまで一度も防御率4点台を突破してはいないため、順当に行けば今シーズンも防御率は4点台を下回る可能性が濃厚。ただ、近年は投打共に怪我人が続出し、チーム戦略に狂いが生じるシーズンが続いているため、このあたりのケアをどのようにするのかも、“投壊”を防ぐための重要な要素であると言えそうだ。 文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年02月08日 11時30分
一茂、Mattだけじゃない! プロ野球選手を親に持つ意外な二世芸能人、“恐妻家”として知られたアノ人も
有名人を親に持つ、いわゆる“二世芸能人”が多数存在する芸能界。そのような二世芸能人の中には、プロ野球選手を親に持つ芸能人も少なからず存在する。 有名どころでは、長嶋一茂(巨人・長嶋茂雄終身名誉監督)、Matt(元巨人・桑田真澄氏)や工藤阿須加(ソフトバンク・工藤公康監督)などが該当するプロ野球選手の二世芸能人。ただ、芸能界にはこの他にも、プロ野球選手を親に持つ二世芸能人がいる。 俳優・タレントの杉浦太陽はドラマ・映画・バラエティなどに幅広く出演。2007年6月に元モーニング娘。・辻希美と結婚し、現在は4人の子供がいる父親としても広く知られているが、幼少期は野球ではなくバスケットボールに打ち込んでいたという。 その杉浦の父親は、1972年にドラフト外で南海(現ソフトバンク)に入団した杉浦三六。杉浦は前年の入団テストでは不合格となったものの、同年に受けた二度目のテストに合格。しかし、一軍の公式戦に出場することはなく、わずか一年で南海を退団・引退。引退後は不動産業などに携わっていたが、2014年4月に59歳の若さでこの世を去っている。 ヴィジュアル系ロックバンド『SHAZNA』のボーカルで、タレントとしても活動するIZAM。一時期は、現在の妻でタレントの吉岡美穂としばしばテレビで共演し、“恐妻家タレント”とも評されていたが、こちらも杉浦と同じく野球経験はない。 そんなIZAMの父親は、元国鉄(現ヤクルト)の日根紘三。日根は1961年に国鉄に入団したものの、一軍公式戦出場経験はないまま、翌1962年限りで退団・引退。なお、引退後は東京都内で印刷業を営んでいるという。 これまでに、テレビドラマ・映画・CMなど、多数の作品に出演している女優の吹石一恵。2015年9月にシンガーソングライター・俳優の福山雅治と結婚し、世間から大きな注目を集めたことも記憶に新しいだろう。 その吹石の父親は、1975年から1988年にかけて近鉄でプレーした吹石徳一。内野ならどこでも守れるユーティリティープレイヤーとして1020試合出場し、「打率.229・52本塁打・200打点・424安打」といった通算成績を一軍でマーク。引退後は近鉄(1989-2004)、楽天(2005-2012)でコーチやスカウトを歴任した後、2013年からは社会人野球・日本製薬で監督やアドバイザーを務めている。ちなみに、吹石自身には野球の経験がないが、2人の弟は共に高校時代は野球に打ち込んでいたという。 父親のキャリアはそれぞれだが、いずれも芸能界で活躍しているプロ野球選手の二世芸能人たち。現在現役で活躍している選手たちの子供の中にも、もしかしたら将来芸能界入りを果たす人物がいるのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ
西武・松坂、一軍キャンプ投入は危険? 渡辺GMの意味深発言、昨季未登板の内海とも明暗分かれるか
2020年01月11日 17時30分
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日本ハム・中田も怯える「プロ野球選手寮」 心霊現象の頻発、球団が対応に追われたケースも?
2020年01月11日 11時00分
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阪神、現コーチ陣には存在意義がない? 山本昌待望論が渦巻く春キャンプ、秋に敷かれた“かん口令“も継続か
2020年01月10日 11時40分