○松坂大輔(ソフトバンク) 一軍登板なし
○杉内俊哉(巨人) 6勝6敗(17試合)
○村田修一(巨人) 打率2割3分4厘
○木佐貫洋(日本ハム) 一軍登板なし
○永川勝浩(広島) 1勝1敗9H(23試合)
○新垣渚(ヤクルト) 3勝8敗(13試合)
○久保裕也(巨人) 一軍登板なし
○館山昌平(ヤクルト) 1勝0敗(2試合)
○小谷野栄一(オリックス) 打率2割9分5厘
○後藤武敏G.(DeNA) 打率1割9分2厘
○矢野謙次(日本ハム) 打率3割1分6厘
○江草仁貴(広島) 一軍登板なし
*(7月22日時点)
松坂世代(1980年4月−81年3月末)の劣化だ。14−15年オフ、松坂はメジャー復帰目指すのと同時に先発起用に強いこだわりを見せていた。先発での起用を確約したのがソフトバンクだけで、一気に契約までたどり着けたという。ソフトバンクは選手層も厚いが、昨季は外部補強の中田賢一、スタンリッジが先発ローテーションを支えた。外部補強した選手が活躍しないと、苦しい状況に追い込まれる。もし、松坂が戦力になっていれば、ローテーションのやり繰りはもっと楽になってきたはずだ。
巨人にしても、推定年俸5億円の杉内が勝率5割では困る。村田は二軍落ちも経験した。リーグ打率順位表を見れば、巨人選手は10傑に誰も入っていない。チーム最高打率が2割7分台の坂本勇人では『決定力不足』と非難されても、反論のしようがない。
巨人から移籍した矢野謙次のように、環境を変えて活躍した選手もいるが、松坂世代の全体的な劣化がペナントレースを混乱させたのではないだろうか。また、これに続く田中将大、巨人坂本たちの世代(1988年4月−89年3月末)もハツラツとしたプレーを見せていない。田中のライバルになると期待されていた斎藤佑樹は完全に伸び悩んでいる。彼らの世代がチームの主力になりきれていない現状が、松坂世代の劣化をさらに強調しているようだ。
夏の甲子園大会予選もいよいよ佳境を迎えようとしている。某地方球場でスカウトがこんな話をしてくれた。
「今年は社会人、大学生に即戦力の投手、野手が多い。甲子園に高橋純平クン(県岐阜商=3年)が出場したら、楽しみが増えるね。でも、来年のドラフトはもっと面白いと思うよ。大谷(翔平=日本ハム)、藤浪(晋太郎=阪神)の同級生たちが大学で鍛えられ、けっこうなレベルまで成長しているからね」(7月22日時点/在京球団スカウト)
これからは田中たちの世代が球界を牽引していかなければならない。94年生まれの大谷たちの世代が主役になるのは、ちょっと早すぎる感もしないではないが…。
(スポーツライター・飯山満)