「中居と仲間はフジ、テレ朝、日テレに出まくって映画を宣伝。さらには、2人がNHKの紅白の司会に選ばれたので、NHKが勝手に映画の宣伝をしてくれるような状態になった」(映画関係者)
中居は紅白の司会発表会見で「映画の宣伝ではありません」と間接的に映画を宣伝。さらには、映画の名誉宣伝マンを務めたTBSの安住紳一郎アナがフジの「笑っていいとも!」に他局のアナとしては25年ぶりに出演。11月22日の公開までほぼ毎日何らかの形で“メディアジャック”した。
「常識外れの宣伝作戦にTBS以外の各局が協力したのは中居がジャニーズ事務所だから。SMAPのみならず、ほかのジャニーズタレントが各局にレギュラーを持っているので、協力を渋れば今後、不利益を被ることを恐れた。そのために貴重な時間を割いて映画の宣伝に協力せざるを得なかったんです。他局は、映画がヒットしても一銭にもならないのに」(民放ドラマ関係者)
ところが、ふたを開けてみると、観客動員数ランキングは意外な結果だった。
「興行収入30億円を狙える好スタートを切ったにもかかわらず、初登場となったランキングでは公開4週目で4週連続1位の『レッドクリフ Part1』に負けて2位となった。翌週も順位は同じ。各局の情報番組で、ランキングを紹介した際、全く詳細について触れなかった」(映画記者)
中居と仲間主演の「私は貝になりたい」は、俳優のフランキー堺が主演したドラマ・映画のリメーク版。名作が比較対象となるだけに、評価がかなり厳しいようだ。
「旧作は中居の役は堺、仲間の役はドラマで桜むつ子、映画で新珠三千代というどちらも実力派女優が演じ、戦争で引き裂かれる家族愛の悲しさがしっかり描かれていた。ところが、中居も仲間も芝居が軽いため、旧作には及ばず、映画の本筋がうまく表現できていない」(ベテラン映画記者)
それもそのはずで、中居も仲間も映画向きではないという。
「中居は役作りでダイエットに励んだ努力は買えるが、明るいキャラのドラマが合ってる。仲間は映画でしっかり演技力を見せれば、もう一皮むけるチャンスなのに、『ごくせん』のイメージが離れずシリアスな映画になじまない」(同)
興行成績自体が悪かっったわけではないが、日本のみならず、アジアでも高い評価を受けている「レッドクリフ」と公開時期が重なったのが不運だったのか?