鳩山氏が間隙を縫って夫人とともに観賞したのはアニメ映画「サマーウォーズ」(細田守監督)である。3党党首会談を無事終えた鳩山氏は、午後5時45分ごろ永田町の党本部で記者会見。その足で同6時半前にはお台場の映画館「シネマ メディアージュ」に駆け付け、アニメの世界にどっぷり浸かった。
鳩山氏は観賞後、「デジタル時代になっても一番大事なことはきずな、愛だと思った。いろんな意味でヒントをもらった。連立合意ができた直後だけに、楽しませてもらった」と感想を述べた。
しかも帰宅途中には、ハンバーガーチェーン店「モスバーガー」に立ち寄って商品をテイクアウト。ライフスタイルはヲタクそのものである。
永田町関係者は「夫人との映画デートは微笑ましく何ら問題はない。しかし、なぜアニメ映画なのか。政治家が観る映画といえば、ヒューマンドラマか歴史スペクタクル、国家危機の絡むハリウッド映画とだいたい相場が決まっている。もうすぐ首相になろうという人だけに脱力した」と話す。
鳩山氏はつい最近もメディアのインタビューで、時間があったら何をしたいかとの質問に「漫画を読みたい」と回答したばかり。確かにヲタク化が加速しているようだ。
一方、鳩山氏は9日の党首会談で、社民党の福島瑞穂党首、国民新党の亀井静香代表に両党党首級の入閣を要請。これを受け福島、亀井両氏の入閣が内定した。鳩山氏は既に内定した主要ポスト以外の閣僚人事などについて「あす(10日)以降、スタートしたい」と記者団に表明。週内にも固める方向で作業を本格化させている。
調整が続いていた外交・安全保障政策では社民党の意見に配慮し「沖縄県民の負担軽減の観点から日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地の在り方について見直しの方向で臨む」とすることで合意した。
鳩山氏は菅直人代表代行を国家戦略局担当相(副総理、党政調会長兼務)、岡田克也幹事長を外相、平野博文役員室長を官房長官にそれぞれ起用することを内定。直嶋正行政調会長が経済産業相など経済閣僚で入閣することも固まっている。