旅好きスタッフのつぶやきに端を発した今回のイベントは“プロ野球×旅行”をコンセプトにした斬新な企画なのだが、なぜインドが選ばれたのかは謎に包まれている。広報担当者に聞いても「何でインドなん?って思ったでしょ?」と笑うだけで、それ以上のことは答えてくれない。SNSなどで発信されている「ナマステ」動画を撮影した選手にも話を聞いてみたが、「何でインドなんでしょうね」と企画を理解していない様子。
インドが選ばれた理由は謎だが、「京セラドーム大阪をまるごとインドに染めて、野球観戦と一緒に旅行気分も味わえる1日になりますよ」と当日のイベント内容については教えてくれた。担当者は続けて「インドに決めてからわかったことですが、インドという国は我々関西人が思わずツッコミたくなる国なんですよね(笑)。一度は行ってみたくなる憧れのワンダーランドみたいな国なんです。街中を牛が闊歩する時点で、バファローズと縁があるなと。すごく親近感を抱きました。この日、ご来場される皆さんには、『人生が変わるかも?!』ぐらいの衝撃を受けるような、プロ野球観戦とインド旅行を楽しんでいただきたいですね」。担当者の口ぶりを見る限り、関西ならではの遊び心を究めたイベントになりそうだ。
今回のイベント開催に際して、インドのT.アムストロング・チャングサン総領事は、「インドのクリケット、日本の野球、どちらの国民もバットとボールを使う球技に親しんでいます。けれど、お互いのスポーツについてはあまり知られていません。今回のイベントを通して、互いの愛するスポーツに対しての理解が深まり、人気が出ることを期待しています。それによって距離がさらに近づくでしょう」とコメント。今回の交流をキッカケに日本とインドがスポーツ交流を深め、両国の距離が縮まることに期待を寄せている。
また、神戸在住で、ラジオやテレビ、イベントのMCで活躍中のインド人タレント、サニー・フランシスが来場し、試合前に場外ステージBsStageで行われるトークショーを盛り上げる他、京セラドーム内で試合前に流されるBsラジオでは、ヒンディー語講座を披露、マスコット始球式にも参加する。当日はBsGirlsもサリーを着用し、インド映画さながらにパフォーマンスを披露する他、バファローブル・ベル兄妹もインドの民族衣装で登場。当日、「ナマステ!」と元気よく2人(2匹)に挨拶すると、インドのあのポーズでお返しをしてくれるそうだ。さらに、インスタ映えを意識したスポットを設置し、来場者にインド民族衣装クルタとサリーを貸出しを行う徹底ぶり。
もちろん、京セラグルメも「Bs TRAVEL」限定仕様。インド人シェフが来場し、おいしいナンとカレーを特設ブースで販売したり、球場内各店舗でも、イベント限定オリジナルのカレーや、カレー以外のインド料理もラインナップされるという。いてまえドッグなど定番メニューもインドバージョンになる可能性は十分にあり得るだろう。この辺の詳細はまもなく発表される見込みで、追加企画も検討されているようなので、遊び心からスタートするという、いかにもオリックスらしいミステリアスな業界初のコラボレーションイベントに期待したい。
取材・文 / どら増田
写真提供 / (C)オリックス・バファローズ