ダイヤモンドをモチーフにした柄がプリントされた斬新なデザインのユニフォームに袖を通し発表会見に現れた吉田正尚は、照れ笑いを浮かべながらもダイヤモンドと勝利をしっかり絡めてコメントしてみせた。
ファンに大人気の『夏の陣』シリーズは今年で10年目を迎える。過去9年の戦績とユニフォームをまとめてみた。
『Bs大坂夏の陣』対戦カードとユニフォームカラー、戦績
2009年 対千葉ロッテ 赤 1勝2敗
2010年 対福岡ソフトバンク 赤 0勝3敗
2011年 対福岡ソフトバンク リベンジレッド 3勝0敗
2012年 対千葉ロッテ レジェンドレッド 1勝1敗1分け
2013年 対埼玉西武 シャイニングレッド 1勝2敗
※球場は全て京セラ
『Bs夏の陣』対戦カードとユニフォームカラー
2014年 対埼玉西武、対千葉ロッテ(京セラ・ほっと神戸) ストリームブルー 1勝4敗
2015年 対ソフトバンク、対東北楽天、対千葉ロッテ(ほっと神戸・京セラ) 地球柄 1勝4敗
2016年 対北海道日本ハム、対埼玉西武(京セラ) 宇宙柄 2勝3敗
2017年 対北海道日本ハム、対ソフトバンク(京セラ) ファイティングレッドのデジカモ柄 2勝2敗
通算成績12勝21敗1分け
このイベントは、2009年シーズンに「昨今ブームである『戦国時代』の世界観を使い、西軍をオリックス・バファローズ、東軍を千葉ロッテマリーンズに置き換え、”野球”という形に変えた戦(いくさ)で、大坂夏の陣を再現する」ことをコンセプトに据えて始めたもの。「熱い夏の大坂のイメージを再現するため、京セラドームを真っ赤なユニフォームで赤く染め上げ」ようとした。
2009年は、当時契約していた外国人選手の名前を「変更」。ローズを「狼主」、カブレラを「亜力士」、ラロッカを「羅六華」とそれぞれビジョンに表記させる徹底ぶり。『戦国時代』とのコラボレーションを楽しむ企画を展開し、ファンの心を掴んだ。
2014年からはタイトルから『大坂』を削除し、神戸でも特製ユニフォームを着て試合するようになった。しかし、2016年からは日程的な問題や、屋外球場の神戸では雨天中止のリスクもあったことから、タイトルはそのままにしつつ、再び京セラのみで開催するようになった。
前売り券にユニフォームの特典が付くこともあってファンにとっては一番の人気企画だが、戦績は悪い。勝ち越したのは3連勝した2011年のみ。昨年は勝ち越しに王手をかけたが、最終日に敗れてしまい五分の成績に終わっている。
今年は8月7日(対埼玉西武)から12日(対千葉ロッテ)まで『東軍』2チームと対戦する。「夏の陣」シリーズ初の6連戦だ。担当者の話によると、昨年採用したファイティングレッドは「原点回帰の意味もあった」とのこと。今年は10周年を記念した企画や、グッズの販売も計画しているという。
今年のダイヤモンド柄は、宇宙柄以来の斬新な柄。久々に『攻めるオリックス』をアピールした形になったが、ファンの間では“予想通り”賛否両論が飛び交っている。肝心な選手はどう思っているのか気になり、何人かの選手に話を聞いてみたが、選手からは批判的な言葉は皆無。若い選手からは「中途半端なものを着るぐらいなら、これぐらい振り切った方がいい」、「カッコイイと思います。これならスタンドから見ても分かりやすい。ロッテみたいにスタンドを白一色で埋めてもらいたいですね」といった前向きな声が聞かれた。
10周年の夏の陣。やはり勝ち越さなければ、いくら柄が格好良くても縁起のいいユニフォームにはならない。毎年「選手に格好いいユニフォームを着てもらいたい」と熟慮を重ねるスタッフの期待に応えるためにも、オリックスナインの活躍が期待される。今年は“追加公演”を望む声が聞こえるぐらいの快勝劇を見せ、優勝争いに向けて勢いをつけてもらいたい。
取材・文 / どら増田
写真提供 / (C)オリックス・バファローズ