千葉ロッテ 3-6 オリックス 観衆 13,813人
8回戦 オリックス5勝3敗
開幕から全試合で起用してきた高卒4年目の宗佑磨が、太ももに強い張りを訴えて16日に登録抹消。軽症ではあるものの、万全を期したという。代わりに福良淳一監督が期待する「斬り込み隊長」宮崎祐樹が昇格した。オリックスの元気印で昨年、交流戦シーズン序盤にかけて大ブレイクした外野手だ。
「打率の数字はいいけど、あまり打席に立ってないからね」
試合前、宮崎に.342というファームでの高打率について尋ねると、控えめな回答が返ってきた。宮崎は「(ファームで)特に変えたということはない。日によって感覚を合わせて考えて。一打席、一打席考えながら立つようにしてます」と続けた。ファンから期待が集まっていることに関しては「応えられるように頑張ります」と頼もしげだった。
一番センターでスタメン出場した宮崎は初回、プロ初登板、初先発となるロッテ・渡邊啓太の初球を叩きセンター前へ運んだ。「1球目から行くと決めていた。あれで(相手は)アップアップでしょ?」という。積極的に打ちに行くと決めていたようだ。その後、無死満塁とチャンスを広げるが、この日も“オリの主砲”ロメロら主軸は大ブレーキ。宮崎は第三打席でも二死からヒットを放ち、二番の“シンデレラ・ボーイ”西野真弘も続いてチャンスメイクしたが、“マッチョマン”吉田正尚が倒れ得点にはつながらなかった。
宮崎は「数少ないチャンスをモノにするために、ファームでやってきた。米村コーチとかファームの人たちも喜んでくれていると思う」と手応えを口にし、「これで記事作れるでしょ?」と笑わせた。
首脳陣からは守備に難があると見られており、この日も3打席で交代した。昨年と同様、主に試合中盤までの起用になりそうだ。福良監督はチャンスメイクした宮崎と西野を称賛する一方で、チャンスに1本出ない主軸に対して「あれでは先発の西(勇輝)がかわいそう」と嘆いた。
この日は8回に“オリの神童”山本由伸がワイルドピッチで同点に追いつかれ、直後の9回に“オリの男前”小田裕也が勝ち越し打を放ちチームに勝利をもたらしたが、勝ち星が消えた開幕投手・西にとっては歯がゆい思いだっただろう。指揮官は連勝の喜びを口にはせず、主軸への苦言を繰り返していた。
3連敗からの2連勝で、借金を「3」まで減らした。19日からは“もうひとつの本拠地”ほっともっとフィールド神戸で、首位・西武と2連戦を行う。
取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ