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「渋井哲也の気ままに朝帰り」キャバ嬢としての成長を見たい!

 キャバ嬢としての成長を見たい! サービスやトーク、 容姿の質が高いキャバ嬢が人気があるのは当たり前の話です。そうした嬢と仲良くなっても、数多くいる客の一人になるしかありません。

 もちろん、嬢の側も人としての好き嫌いはあるし、恋愛もします。だからこそ、太い客でなくても、特別な関係になることだってあります。とはいっても、そんな客になれることは滅多にないって、思ってしまいます。 ある嬢は言いました。「お客さんと店で会うことも、出会いの一つ。私だって女だし、お客さんと恋をすることもあるし、付き合ったことがありますよ」さらに詳しく聞くと、付き合ったのは客がほとんどで、キャバクラで働くようになってから、客しか付き合っていないといいます。私は、キャバクラに通い出して10年ほどが経ちます。

 知人の中には、「キャバクラ嬢と付き合った」という人もいます。でも、私自身、付き合ったことはありません。

 それを目的としていない、ということもあるでしょう。ただ、同伴抜きのデートをしたことがあるくらいです。

 「それ以上」の関係にはなったことがない。「それ以上」が何を指すかはわからないが、プライベートの相談に乗ったことがある、を含めるとすれば、「ある」ことになりますが…。なぜ、付き合うことを目的にしないのでしょう。

 たとえば、人気があるキャバクラ嬢ほど、ドレスの着こなしも、トークも、間の取り方も上手です。

 それは、数多くの客が育てた結果だからでしょう。ここを見てしまうと、私ではなく、「過去の男達」が彼女を育てたって思ってしまうのです。「私が育てた」と思えないと、いくら人気の嬢でもなにか気が入らないのです。逆に言えば、「私が育てた」とちょっとでも思えるのなら、その嬢が気になって仕方がありません。もちろん、そう思わせてくれるのも、嬢たちの演技の一つですが、それを演技と思わせてくれなければいい、ということになります。そうなれば、中堅やベテランの嬢よりも、新人の嬢のほうが、そう思わせてくれる確率が高まります。ただ、「私が育てた」と思い込めるには相当の年月がかかることになるでしょう。

 数年前、新宿・歌舞伎町で、九州出身のK嬢(18)がいました。最初、私ではなく、友人に付いたのですが、相性が良かったのか、その後も連絡を取り合っていました。メールや電話営業の仕方をアドバイスしたり、またプライベートの話もするようになり、仲良くなった気がしました。ある年の、K嬢の誕生日。店に行こうとしたとき、「六本木に移ったんだ」ということを聞かされました。かわいくて、周囲に気を使え、さらに後先を考えている賢いK嬢だったこともあり、六本木でも人気が出ました。そして、1年も経たないうちに、銀座のクラブで働くことになったのです。このK嬢の場合、「私が育てた」という意識はありませんでした。むしろ、彼女が勝手に「育った」と思っています。

 でも、育って行く姿を見届けている、と思うことでも、私はうれしく思ってしまうのです。

 新人のキャバ嬢が育っていく姿が見たい。

 できれば、そこに「私」の痕跡を見つけたい。

 私は、ただ、キャバ嬢が成長するプロセスが好きなのです。

<プロフィール>
渋井哲也(しぶい てつや)フリーライター。ノンフィクション作家。栃木県生まれ。若者の生きづらさ(自殺、自傷、依存など)をテーマに取材するほか、ケータイ・ネット利用、教育、サブカルチャー、性、風俗、キャバクラなどに関心を持つ。近刊に「実録・闇サイト事件簿」(幻冬舎新書)や「解決!学校クレーム “理不尽”保護者の実態と対応実践」(河出書房新社)。他に、「明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中」(幻冬舎文庫)、「ウェブ恋愛」(ちくま新書)、「学校裏サイト」(晋遊舎新書)など。

【記事提供】キャフー http://www.kyahoo.jp/

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