ズレ漫才を武器に『M-1グランプリ2008』準優勝をしたオードリーだったが、春日俊彰の風貌や地味すぎる若林正恭のキャラクターは、当初、「一発屋芸人」の予備軍として見られていた。
「髭男爵やピスタチオなど、“ネタ衣装”が決まっているキャラ芸人は、長く芸能界に生き残るためにも、私服にするタイミングが重要になります。オードリーはブレイクして10年ほど経ちますが、いまだに春日はピンクベストにテクノカットを崩さない。それでも露出し続けられるのは、彼らがもともと実力者だったからでしょう」(お笑いライター)
芸人はブレイクすると、各局のバラエティー番組を一周する。二周目に呼ばれるかどうかは実力次第だ。しかし、オードリーは二周目どころか、レギュラー番組を次々と獲得し、若林はMC、春日はアスリート芸人として引っ張りだこである。テレビタレントとしての魅力のウラにもうひとつ人気の理由があるという。
「ラジオでは、若林の話に春日が的確なツッコミを入れる形ができており、テレビやネタとは真逆の立場。また、毎週2人ともフリートークをする時間があるのですが、これが非常に好評です。バラエティーではトークが苦手のようなレッテルを貼られている春日ですが、彼の話が『人志松本のすべらない話』でMVS(最優秀すべらない話)に輝いたこともあります」(前出・同)
昨年、ニッポン放送の岩崎正幸社長が「驚異的な数字」とコメントしたほど聴取率が非常に高い『オードリーのオールナイトニッポン』。業界内のファンも多く、スタッフのみならず、タレントの佐藤栞里や、つるの剛士もリトルトゥース(番組リスナー)である。こうしたことを鑑みても、深夜放送の番組イベントが、武道館で開催されるのは必然なのかもしれない。