すでにおわかりかと思うが、男の子の右側に白いモヤモヤした物体が写っている。その姿は人間のような形をしており、小さい顔にスカートのようなものを履いており、両手をヒラヒラと動かしているように見える。その力の抜け具合はまるで「フラダンス」の踊り子さんのようである。
山口敏太郎はこの謎の人物を「フラダンス小僧」と名付けた(現在、フラダンスは女性が踊るものとなってはいるが男性しか踊れない時代もあった)。
さて、この写真はお送り主の情報によると1965年に撮影されたものと言われている。
実はこの1965年という年代がフラダンス小僧の謎を解く鍵となっているのではと思われる。
1965年は「スパリゾートハワイアンズ」(常磐ハワイアンセンター)の専属ダンサーを育成するための学校「常磐音楽舞踊学院」が設立された年である。翌1966年には「スパリゾートハワイアンズ」が無事にオープンしており、世はまさにフラダンスブーム真っ盛りであった。
(なお、この学校設立からオープンまでの物語は映画「フラガール」として映像化されている)
それだけに1965年という時期にこのような不思議物体が撮影されるというのは非常に感慨深いものがある。
もしかすると、この「フラダンス小僧」は日本のフラダンスブームを祝うべく姿を表した精霊のようなものだったのかもしれない…。
(山口敏太郎事務所)