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イチローは「ニンジャみたいに姿をくらます」? 指導者となった今の仕事内容とは

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イチロー

 レジェンド・イチロー(45)は、今…。

 現役時代、イチローは米メディアから「ニンジャ」を称されたこともあった。そのスピードと絶妙なタイミングで野手のタッチをかわす走塁技術から来たものだが、今度は違う理由でそう呼ばれているそうだ。

 会長付特別補佐、インストラクター。これがシアトルマリナーズにおける現在のイチローの肩書だ。現地時間4月30日、米メディアが報じたが、主に3Aで打撃、走塁、外野守備を指導しているという。

 3月の日本遠征で引退表明した際、今後については「未定」と語っていた。監督、指導者への転身について聞かれると、「向いていない」と笑っていたが、マリナーズは適任とみていたようだ。

 「マリナーズの監督になるんじゃないかと噂されたこともあります。それは笑い話ですが、マリナーズがチームのインストラクターとして、傘下の3Aチームの指導を任せたのは、将来的にもっと重要な職務に就いてもらうためでしょう。マリナーズ以外にもイチローを尊敬している若い選手は多いので」(特派記者)

 マリナーズの傘下には、タコマ・レイニアーズなる3Aチームがある。そこで、打撃、走塁、外野守備を指導中ということになっているが、実際は少し違う。どこにいるのか、分からないという。取材で現地入りした米メディア、フリーランスの米国人ライターたちの中には、会えずに引き上げた者もいるそうだ。

 「レイニアーズが本拠地にしている球場に行ってみたら、イチローはいませんでした。チームに顔を見せる日もあれば、姿を見せない日もあるみたいです。どこで何をやっているのか、チームスタッフもスケジュールを把握していないみたいでした」(米国人ライター)

 “消息不明”。だから、今もイチローは「ニンジャ」だというわけだ。

 「球場ではなく、別のトレーニング施設に行き、特定の選手を指導することもあるそうです。マリナーズの球団事務所で経営部門のスタッフと打ち合わせをしたり、けっこう多忙だと聞いていますが」(日本のプロ野球解説者)

 イチローはインストラクターであり、打撃、走塁などの担当責任コーチではない。だから、チームに帯同する義務も、選手につきっきりになって教える責任もない。

 「レイニアーズにも打撃、守備、走塁の担当コーチがいます。彼らに気を使って、球場に行く日と行かない日を作っているのだと思う」(前出・同)

 “気まぐれな行動”が容認されるのはそのためだが、このまま指導者の道を進むのかと聞くと、米メディアは懐疑的だった。

 「メジャーリーグの監督、コーチは選手同様にルーキーリーグや1Aなど最下底のチームからスタートするのが一般的です。そこで指導者の勉強をし、認められたら、2A、3Aと昇格し、ようやくメジャーリーグの監督候補に挙げられますから」(前出・米国人ライター)

 年俸も低い。一般の会社員よりも安いそうだ。映画『メジャーリーグ』のシリーズにもあったが、マイナーの監督、コーチも選手と一緒にマイクロバスに乗せられ、長時間移動を強要される。食事も質素なものばかりだ。

 メジャーリーグのOBが引退後の指導者就任を希望しない理由は、このへんにありそうだ。一流選手として名声や地位、高額年俸をつかんだのだから、「貧困生活」はできないのだろう。日本のプロ野球監督は、現役時代の論功行賞のようなニュアンスもあるが…。

 「マリナーズがイチローに指導者の才能があることを認めているのは本当です。でも、イチローだけ例外で、マイナーでの指導者経験を積まなくてもいいとしたら、選手がシラケてしまいます。そのときは、誰も言うことを聞きません」(前出・プロ野球解説者)

 今後、どうやって野球と関わっていくのか。イチローはまだ決めかねているのだろう。だから、ニンジャみたいに姿をくらまし、気まぐれな行動を続けているのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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