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単なる途中退場ではない!意外と深刻なイチローの故障

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イチロー

 シアトルマリナーズに復帰した米現役最年長野手・イチロー(44)が“窮地”に立たされた。3月14日(現地時間)、ジャイアンツとのオープン戦に「1番・左翼」で先発出場したが、アクシデントはいきなり訪れた。1回裏、「代打」がアナウンスされ、観客席がざわつく。イチローはレフトの守備から小走りにベンチに帰って来たが、そのままクラブハウスに向かい、応急処置を求めたのだ。
 「右ふくらはぎの痛みが出て、打席に立つのは無理だと自ら交代を申し出ました」(特派記者)
 メジャーリーグでの現役続行にこだわり続けた男が自ら退場を申し出るということは,よほどの痛みがあったのだろう。正式な球団発表はまだだが(15日時点)、「5年ぶりの開幕スタメン」も危うくなってきた。

 「イチローが勝負できるのは開幕から1か月だったんです。なのに、この怪我…。地元メディアのなかには『ひどくなるのを予防するため、あえて大事を取った』と予想する声もありましたが」(米国人ライター)
 そもそも、マリナーズがイチローを帰還させた理由は、レギュラーを予定していた外野手が故障してしまったため。左翼のギャメルがオープン戦途中で右脇腹を負傷し、右翼のハニガーも右手の故障を抱えており、他外野手も手術明けであったりと、苦しい状況に陥っていた。イチローは救世主となるはずだったが、こんな指摘も聞かれた。
 「ギャメルが戦線を離脱したとき、重症と報じられましたが、4週間から6週間の離脱で済みそうなんです。開幕には間に合いませんが、4月下旬にはチームに合流できそう。イチローはギャメルのいない間にアピールしなければ…」

 イチローはギャメルが守るはずだったレフトを任されている。ギャメルは昨季134試合に出場した成長株だ。16年途中、ヤンキースからトレードでやってきて、マリナーズでその才能を開花させた。同じ左バッターということもあり、復帰後は「ベテランよりも若いギャメル」という流れになるだろう。
 また、地元メディアもイチローの帰還には必ずしも好意的ではない。シアトル・タイムズ紙はWeb上でアンケートを実施したが、賛成と反対はほぼ同数。地元ラジオ局・ESPNシアトル人気キャスター、ジム・ムーア氏は「故障者が多いのなら、チーム内のルートで若手を登用してカバーすべき。さらに、FAの選手を獲るにしても、カルロス・ゴンザレスやメルキー・カブレラといった、今のイチロー以上の選手がいるではないか。イチロー以外でお願いしたい!」と、酷評していた。現地入りした日本人メディアの一人がこう続ける。

 「故障者続出で『イチローを使う』と決めて獲得したのは間違いありません。ギャメル以外の外野手も故障を抱えながらの出場を続けているのでチャンスは残っていますが、マリナーズはイチローを『ゲスト』として迎えた感もありました」
 その理由はクラブハウスにあるという。メジャーリーグでは、クラブハウスで序列が分かる。まず、レギュラー選手、チーム功労者のベテランには2つのロッカーが与えられる。その“2つ持ちの主力”にも序列があって、チームの看板選手に対しては、そのロッカールームの奥、入り口の四隅のいずれかが与えられる。オープン戦途中での加入であったため仕方ないとはいえ、今回、古巣マリナーズがイチローのために用意したロッカーの場所は入り口の真正面。若手か、マイナーとメジャーを行ったり来たりしている控え選手に与えられる場所だ。

 「イチローに四隅のどこかを与えるとなれば、誰かに退いてもらわなければなりませんし…。でも、正面の奥とか、入り口前よりももっと良い場所はあったはず」(前出・同)
 2012年、ゴジラ松井の失墜が思い出される。松井の所属球団が決まったのは、同年4月末。自主トレは続けてきたが、実戦感覚は戻らず、キャンプ、オープン戦をやっていない代償はあまりにも大きかった。イチローには同じ轍を踏んでほしくない。ギャメルのいない4月上旬まで猛アピールできるか否かで、この先の現役生活が決まりそうだ。

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