さて、本番組は木梨にとって、今年3月に終了したフジテレビ系『とんねるずのみなさんのおかげでした』以来のレギュラー番組。土曜朝6時という時間帯はライバル局であるニッポン放送では徳光和夫、文化放送では峰竜太など多くの芸能界のベテランがパーソナリティを担当している時間帯で、木梨は彼らより若いとは言え、高い年齢層を狙ったキャスティングであることは間違いないだろう。
事実、とんねるずの全盛期をよく知る「とんねるず世代」と称される世代は現在、40代中盤となっており、スマホを使い出勤途中の電車や車でラジオを聞く人口が増えているという。そのため、今回の木梨のキャスティングは近くシニア世代となるであろう、中年世代のラジオファンをガッツリと朝のTBSラジオへ誘導させていく狙いがあると思われる。
今回の「ラジオ番組を狙う」という戦略は成功するのか。ラジオ番組事情に詳しい放送作家に聞いてみた。
「木梨さんのように、地上波テレビをセミリタイアし、ラジオ番組を始めたタレントには久米宏さんがいます。最初は確かに『都落ち感』こそが強かったですが、TBSラジオの『久米宏ラジオなんですけど』がラジオファンの間で評判となると、ギャラクシー賞のDJ部門を受賞したり、特番での司会仕事が舞い込んだり、シニアタレントとしては完全に勝ち組になりました。木梨さんが今置かれている現状は以前の久米さんに似ているところが多いので、評判次第では木梨さんが今後、TBSラジオの顔のひとつになる日は近いかもしれません」(放送作家)
相方の石橋貴明が古巣であるフジテレビの深夜番組で奮闘するなか、木梨はラジオの王者となるべく新境地へ向かう……コンビながら対照的な活動の多いとんねるずの今後は果たして…