タナカバナナは明治初期創業の老舗青果熟成加工会社で、「バナナのパイオニア」を自認。同社ウェブサイトには、「ハイランドバナナ」「パックバナナ」「スティックバナナ」「オーガニックバナナ」など、「今では当たり前となった販売形態を同社が普及させてきた」と謳っている。
そんな老舗メーカーが、北海道地震の被災者ために、8万本のバナナを寄贈することを決定。横浜の倉庫から陸路・フェリーなどを使い贈り届け、道内の避難所や札幌市内で無料配布するという。
タナカバナナの田中社長は「生ものが足りないと聞き、すぐに食べられるバナナを贈ることにした」と説明。そして、『おいしい』と言っていただければそれで十分です」と話しているそうだ。
北海道地震では、タナカバナナのような民間レベルでの「助け合い」が進んでいる。道内では地元のコンビニエンスストア「セイコーマート」が、他社コンビニが営業を中止せざるを得なくなる中、自動車から電気を供給し営業を続け、被災者から「助かった」「温かい食べ物を提供してくれて精神的な支えになった」など、大絶賛された。
また、札幌市内では無償で焼き肉の炊き出しを行う焼き肉店や、風呂を銭湯として1回500円で提供するソープランドも登場。国民全体で助け合おうという日本人らしい精神が見られた。
「人間関係が希薄になった」、「他人に関心を示さない人が増えた」と言われる日本だが、まだまだ、「人情」が残っている。