台風が猛威を振るいながら近畿地方を北上していた午後4時31分に、自身のツイッターを更新したのはルーカス・ポドルスキ(ヴィッセル神戸)。強風によってトラックが横転する様子を収めた動画付きのツイートを“リツイート”した上で、青ざめた顔の絵文字や手を合わせる絵文字を綴っている。あらゆるものをなぎ倒す自然の猛威には、さすがのポドルスキも驚きや不安を隠せなかったようだ。
一方、チームの同僚であるアンドレス・イニエスタも、同日に自身のインスタグラムを更新。台風関連のニュースを伝えるNHKのテレビ画像を投稿すると、その後、自身で撮影したと思われる複数本の動画に「Coming」、「During」、「After」といった英単語を添え、リアルタイムで台風を“実況”している。カメラを手に取るイニエスタの胸中は本人のみぞ知るところだが、恐らくはいくばくかの恐怖心も混ざっていたことだろう。
ちなみに、前述したイニエスタの一連の行動は、『アス』や『マルカ』といった母国スペインメディアにも取り上げられている。本国の人々の中には、これらの記事でイニエスタが置かれていた状況を把握したという人もいたのかもしれない。
ヨーロッパ出身の両名にとっては、恐らく人生で初めてとなる体験となったと思われる今回の記録的台風。物的被害のみならず、数多くの死傷者も出てしまっている中、共に無事であったことは何よりだろう。
ただ、これから次々と露わになる被害の全容を受け、彼らが精神的ショックを受ける可能性も否定できない。過去には自然災害による精神的ショックを理由にJリーグを去った助っ人もいることを考えると、チーム関係者には両名への今後のサポートを切にお願いしたいところだ。
文 / 柴田雅人