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終末の『音』

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画像はイメージです。

 まず、以下のURLにある動画を見て欲しい。曇天の町に響き渡る、低い金属的な響きをもった異様な音。機械音と獣の遠吠えやうなり声が混じったような奇妙な音が、どこからとも無く聞こえてきている。カメラは音の主を探して高層マンションの窓からあちこちズームなどをしてみるが、この奇怪な音は延々音量も変わることなく、ほぼ一定の長さと間隔を保って流れ続けている。

 これらの異様な『音』が町中に響くという謎の現象が、世界中の国で起きているという。先の音はウクライナの首都のキエフで撮影された物であるが、他にもベラルーシやアメリカのフロリダ州やミシガン州、メリーランド州、北欧はスカンジナビア地方などでも報告されているという。海外では、この音を“apocalyptic sounds”、『終末の音』と呼んでいるという。
 この名前は、聖書などで語られる終末神話に基づいている。北欧神話では、世界が終末の日を迎えると、ある神の持つホルンの音をきっかけに神々同士の大きな戦争が起きるとされた。
 また、キリスト教は新約聖書の『ヨハネの黙示録』では、“最後の審判”が始まる時に天使がラッパを吹き鳴らすという。“最後の審判”とは、世界が終わる時にイエス・キリストが再びこの世に現れ、あらゆる死者をよみがえらせて裁きを行い、永遠の生命を与えられる者と地獄に墜ちる者とに分ける事を言う。このラッパは7回吹き鳴らされるのだが、1回鳴るごとに地上に天変地異が起きるとされた。
 また、イスラム教でも世界の終末にアッラーが審判を下す『審判の日』には、大天使ガブリエルの吹き鳴らすラッパによって死んだ人が皆蘇ると信じられている。復活後に神アッラーの審判があり、神を信じて善行を積んだ人は安らぎを得られるが、信仰が足りなかったと判断された者は永遠の苦しみを味わうのだという。

 世界のあちこちで経済不安や情勢不安が広がり、未来に対して先行きも見えず、不安感が世界中を覆っている現在。『最後の審判』が本当に来る日も、実はそう遠くないことなのかも知れない。ただそれは、聖書で語られるようなファンタジックなものではなく、通貨危機や大規模な戦争と言ったものになるのだろうが。

 ちなみに海外では、この音がリメイク版『宇宙戦争』に出てきた宇宙人の乗る巨大なトライポッドが出す咆哮のような異音に似ているため、実際の音や映像とコラージュしたフェイク作品もYouTube上にはアップされている。

<参考動画>
http://www.youtube.com/watch?v=vcUDYBIrWio&feature=player_embedded#!

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