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マレーシア航空370便はなぜ消息を絶ったのか?(2)

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画像はイメージです。

 昨年3月に消息を絶ったマレーシア航空370便は、目的地の北京と正反対のインド洋へ飛行し、島ひとつない大海原へ墜落したらしいこと以外、なにひとつ明らかになっていないし、いまだに破片すら見つかっていない。しかし、飛行経路の解析が進んだことで、消息不明事件の焦点は、ひとつの疑問に絞られていった。

 それは「全地球規模での航空包囲測定、航法誘導システムが存在するにもかかわらず、マレーシア航空機はなぜ正反対の方向へ飛行し、レーダーから姿を消したのか?」なのである。

 そして、その疑問に対する答えとして、ひとつの興味深くかつ衝撃的な仮説が提唱されているのだ。

 まず、マレーシア航空機消失事件については、事故説や陰謀説、次元消失説など、さまざまな仮説が唱えられている。しかし、ごく一部で妙な支持を得ていた「東シナ海空中爆発説」を除くと、米軍撃墜説も宇宙人誘拐説も次元消失説も「インド洋で消失した」点では一致しており、いずれにせよマレーシア航空機が目的地とは正反対の方向へ飛行していたことは揺るがない。

 そして、マレーシア航空機方向転換の謎に対する答えとして提唱され、比較的多くの支持を集めたのが、前回紹介した「機内火災説」である。しかし、この仮説については火災が発生している機体が数時間も飛行可能だったかどうかという疑問があり、さらに通信や機体位置を送信する機器が停止したとされるタイミング、推測されている飛行経路がレーダーの探知範囲を「意図的に回避しているかのように見える」ことなどから、方向転換は事故ややむを得ない事情によるものではなく、なんらかの意図を持ってなされた可能性が高いとの指摘がなされたのだ。

 つまり、マレーシア航空機はレーダーを回避しつつ、飛行場の存在しない大海原へ向けて、わざわざ方向展開した可能性が高いとされる。この推測が示す可能性は、マレーシア航空機が乗っ取られたか、あるいは操縦者が意図的に方向転換したかのいずれか、ふたつにひとつである。そして、判明している限りでは乗客に大型旅客機の操縦能力を備えた者はおらず、マレーシア航空機を操縦できたのは機長と副操縦士のみであった。

 このことから導き出された結論は、乗員が自殺を図ったことが機体消失の原因という、極めて衝撃的なものであった。

 機長の自殺説そのものは機体失踪直後からささやかれていたが、それはマレーシアの政治を批判するためのテロというものであり、消息を絶った後に政治的なアピールがなされなかったこともあって、やがて立ち消えとなっていた。しかし、今回の仮説は航空専門家が様々な情報を検討した結果、最も可能性が高いものとして提唱しており、今後の調査にも少なからぬ影響を及ぼすのではないかと考えられている。

(了)

*写真イメージ

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