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マレーシア航空370便はなぜ消息を絶ったのか?(1)

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画像はイメージです。

 マレーシア航空370便が消息を絶ってから1年になるが、今もなおブラックボックスはおろか機体の破片すら発見されておらず、墜落位置も特定されていない。しかし、国際的な協力体制のもとで、文字通り地球規模の捜索活動が展開された結果、消息を絶つまでのおおまかな流れが明らかとなり、落想定海域も絞りこまれつつある。だが、民間航空史上、最大のミステリーとも呼ばれる事件の闇は深く、解明が進むにつれて新たな謎も浮かび上がってきた。

 まず、マレーシア航空機はインド洋南部の陸地から遠く離れた、人類がほとんど活動していない海域に、それも機体が大きな損傷を受けていない状況で墜落した可能性が最も高いと考えられている。その根拠はいくつかあるが、レーダーや通信の記録、人工衛星からの情報に加えて、破片や遺体が発見されていないことなどだ。もし、墜落前に機体が大きな損傷を受けていたなら、破片は広範囲に飛散しており、どこかに漂着している可能性が高いのである。

 そのため、マレーシア航空機は最後の瞬間まで正常に飛行しており、恐らくは燃料切れによって墜落した可能性が最も高いとの見方が主流となっている。いちおう、インド洋上空で撃墜されたとの説も唱えられているものの、客観的な根拠に乏しく、単なる陰謀論の域を出ない。いずれにせよ、本来は北京へ向かうはずのマレーシア航空機が、なぜ、どのようないきさつで正反対の南へ進路を変更したのかが、原因究明の大きな焦点とされている。

 これまで唱えられたマレーシア航空機の失踪に関する仮説で、ある程度の支持を集めていたのは機内で火災が発生し、急上昇と急降下によって消火に務めたものの鎮火せず、自動操縦に切り替えて乗員が客室内で対処したが、有毒ガスもしくは酸欠によって死亡し、遺体を乗せたまま飛行を続けたというものであった。この仮説は奇妙に思えるかもしれないが、これまでにも飛行中の航空機で火災が発生した事例はいくつかある。さらに、機内空調の故障によって乗員乗客が死亡あるいは人事不省となったまま、自動操縦によって燃料が切れるまで飛び続け墜落した、ヘリオス航空522便の事例もあり、あながちありえない想定とは言えないのだ。

 ただし、マレーシア航空機は進路変更から4時間も飛行しており、また緊急通報も発せられていない点は、機内火災説の大きな疑問点となっている。乗員が進路変更を決断するほどの機内火災が発生した場合、正常な飛行を続けられるのは数分から十数分と考えられているのだ。そのため、最近ではもうひとつの仮説が注目を集めているが、それはより衝撃的な内容であった。

(続く)

*写真イメージ

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