この日、日テレが放送した番組は、明石家さんまの特番。このバラエティー番組の視聴率は、確実に15%以上を稼ぎ出すとあって、巨人軍からの再三に渡る要請にもかかわらず、日テレはクビを縦に振らなかった。一桁視聴率コンテンツに成り下がってしまった巨人軍優勝よりも、番組を動かしてまで、大御所の明石家さんまの機嫌を損ねるのがいやだったようだ。
視聴者からの抗議の電話が日テレに殺到したそうだが、社内には批判の声はほとんど起きない。すでに日テレは、巨人軍を見放しているのだ。
今季の巨人戦中継は、よくても9%台と、ついに二桁の10%に乗ることはなかった。そりゃそうだろう。野球中継は午後7時から始まるために、前半を見ることはまずできない。そしてクライマックスにさしかかった後半に中継は終了。これではファンは逃げてしまう。サッカーのように時間内に最初から終了まで観ることができるのが、まともなスポーツコンテンツだ。
日テレ幹部によれば、来年巨人戦の中継は、よくて20試合が限界とか。巨人戦の価値は、地に落ちた。だが、ちょっと待て、救いの神はいる。巨人戦中継を熱望している局がある。それは関東ローカルをエリアにしているテレビ東京だ。テレビ東京は10%を越せば万々歳で、7%から8%目標にしているため、巨人戦はテレビ東京には、最良のコンテンツといえよう。
ただし、これまでのように中継料1億円は無理。中継料はせいぜい半額の5000万円がいいところ。球界一の金満経営だった巨人軍の収入が、厳しくなるのは間違いない。
関西では阪神、九州のソフトバンクも20%近い視聴率を誇り、北海道の日本ハム、仙台の楽天も15%以上の視聴率を稼ぎ出している。巨人軍も全国人気を捨てて、地域に密着したローカル球団として球団再建にかけたらいかがだろうか。