「キラー出しますよ」。そう舌ナメずりした元五輪銀メダリストの目は、すでに獣のように飢えていた。ミドル級初挑戦ながらいきなり昨年の準優勝ファイター宇野薫(和術慧舟會)との対戦。開幕戦から総合格闘技のパイオニアに挑戦する格好だが、不安など一切ない。
本紙にウズウズした様子で「もう早くヤリたいッスよ」とニヤリ。試合を前に高鳴る鼓動を抑えきれない様子。無理もない。6日に実兄でIWGPヘビー級王者・永田裕志の血みどろ防衛を観戦した永田克は、あの一戦で心の奥底に眠っている魂がくすぐられたという。
「あのチャンピオン永田裕志はすごかった。なんか闘争心をかきたてられました。オレだってやられたらキラー出ますよ。っていうか、キラー永田になりますよ」。キラー降臨を予告し、おどろおどろしい闘いをみせることを約束。そればかりか「みんなオレが負けるとか思ってるかもしれないけど、オレはかませ犬じゃない」と、ハングリー精神むき出しだ。