「やっぱり、ガセだったか…」
12月半ば、福岡ソフトバンクホークスが巨人を解雇された村田修一の獲得を検討しているとの情報が流れた。結論から先に言うと、ガセだった。この情報を最初から信用しなかったマスコミ、関係者は圧倒的に多かったか、「可能性はゼロではない」と思った側にその理由を尋ねると、興味深い人間関係も見えてきた。
「ソフトバンク側に、巨人の関係者が『村田をよろしく』と声を掛けたようです」(球界関係者)
これも、村田の人徳だろう。2017年シーズン、村田は出場試合数を減らした。代打などの途中出場があったので、数字上では前年143試合のフル出場から「118」になっただけだが、打席数では150以上も減っている。出場試合数が激減した理由は前年オフの大型補強により定位置を奪われたからである。「まだやれる」との声も多く聞かれたが、世代交代を急ぐチーム事情から戦力外を通達された。解雇から2か月以上が経とうとしているが、いまだ新天地は見つかっていない。
「村田の解雇通達に巨人ナインは驚いていたというか、憤っていました。村田自身に現役を続けたいとする気持ちがあることを確認するなり、チームOBに事情を話し、そのOBが各球団に働きかけたようです。ソフトバンク入りの情報はその一環でしょう」(前出・同)
巨人とソフトバンクは“盟友関係”にある。原辰徳監督の時代、ソフトバンクの王貞治会長に巨人側はいろいろな相談を持ち掛けていたという。両球団の間で一部コーチの行き来があったのはそのためで、いつもそのホットラインは継続されているそうだ。
「村田に代わって正三塁手となったマギーは変化球の多いセ・リーグ投手に戸惑っていた時期もあり、アドバイスを送っていたのが村田でした。村田は外様選手ですが、選手会長の大任も任されたほど。人望も厚い」(スポーツ紙記者)
実績のあるベテラン選手は引き際が難しい。村田の去就同様、こんな情報も聞かれた。上原浩治(42)の「日本球界復帰」の話だ。
上原は米シカゴ・カブスをフリーエージェントになって以来、メジャー一本に去就を絞って調整を続けている。「マイナー契約、日本帰還の話しかなかったら、辞める」と現役引退も視野に入れた発言もしているが、日本の複数球団は獲得に向けた調査を開始していた。そのなかには、古巣巨人も含まれているという。
「日本帰還はないとする発言がキーポイントだったんです。上原に近い関係者に詳しい状況を確認したところ、『メジャーからのオファーがないからといって、日本で通用するほど、日本のプロ野球は甘くない』との意味だったんです。メジャーで上原の新天地が決まらないのは年齢的なものがあって」(前出・球界関係者)
高橋由伸監督(42)は“同級生”であり、投打の中心選手としてともにチームを牽引してきた。村田修一の解雇を決めたのは鹿取義隆GMであり、高橋監督は立場上、ドライに解雇した側となるが、上原帰還の可能性が残っているのならば、自ら交渉に乗り出すだろう。まして、巨人はクローザー澤村の復帰にもメドが立っていない。来季も好不調の激しいカミネロに託すよりも、上原のほうが安定感もある。
「一般的に、メジャーでは控え選手やベテランの去就が決まるのは1月半ば。その時期まで上原がフリーならば、巨人が上原獲得に本腰を入れてくると思われます」(前出・同)
巨人サイドから漏れ伝わってくる話だと、補強はまだ終わっていないとのことだ。投打ともに「あと一枚」の補強を考えているとのことで、バッターに関してはホームランの期待できる右の長距離タイプを探しているという。右の大砲…。めぼしい外国人選手が見つからないのなら、右の大砲・村田の帰還を検討してもいいのでは? 巨人フロントも水面下で村田のために動いている選手やOBのことは知っているはずだ。チームの結束という意味でも村田に頭を下げるのもアリだと思うが…。