本番組は、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同)が終わってすぐの2018年4月から放送が開始。『たいむとんねる』のタイトルの通り、昭和から平成を駆け抜けた石橋貴明が当時の人気カルチャーを振り返る番組となっており、『勝手に語りつぎたい 夢中になった昭和のイケメン』『世代をこえて盛り上がる! ささるカラオケ』など多くの企画を行ってきた。
ところが、番組が1年を迎えた2019年4月に入ってから、番組全体がリニューアルとなり、『たいむとんねる』要素が皆無となり、4月29日の放送で「血液型特集」、5月20日の放送で「美味しいお米特集」と続き、5月27日の放送では「コーヒー特集」と無難なテーマが続いている。
ネットでは、このリニューアルに対し「当初のコンセプトが無視されている」「もはや全くの別番組」「これじゃただのオジサン向けの情報番組」といった厳しい声が相次いでいるという。
もっとも、『石橋貴明のたいむとんねる』が現在のような情報・グルメ路線にシフトチェンジしたのは、致し方ない側面もあるという。
『たいむとんねる』は放送開始当初から2%〜3%の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)しか獲得できておらず、フジテレビからまとまった予算が組まれない「ジリ貧状態」が続いているという。また、石橋のギャラは『みなおか』時代から変わらないため、製作費が圧迫。そのためか、1年間に渡り出演してきたミッツ・マングローブが降板している。
そこでスタッフが一計を案じたのが「タイアップ作戦」。企業の商品を番組内で紹介することで、足りない予算をカバーすることにしたという。
現に5月20日の「お米特集」では、日本各地のブランド米やオススメ炊飯器の紹介のほか、「ご飯のお供15連発」と40分の放送時間まるまるを「お米だけ」という内容でゴリ押すことになった。
また、スタジオにはひとつ900円の高級卵や、一般市場に出回らない貴重な焼海苔などのお供が用意されたが、これらはすべてタイアップ企業からの支給されたものであり、徹底した予算削減が行われたと思われる。
さらに、「お米特集」のゲストは女優の長澤まさみであったが、彼女も映画『コンフィデンスマンJP』の宣伝タイアップで参加しているため、こちらも普段より格安のギャラでキャスティングできていると思われる。
「グルメはテレビのお約束」という言葉もあるが、お米にコーヒーと「直球」すぎるのがかえって番組の“崖っぷち”感を演出しているようにも見える。