その後、1月末の契約満了をもって、ケニー、Cody、ヤングバックス、ハングマン・ペイジがアメリカAEWに移籍、日本人選手もKUSHIDAがアメリカWWEに移籍し、新日本マットに別れを告げている。
ケニーと行動をともにしていた飯伏幸太は4月に約3年ぶりに新日本に入団したことを発表。本人の口から「生涯、新日本」という言葉まで飛び出した。シリーズにフル参戦するようになった飯伏は、何か吹っ切れたかのようなファイトを展開していく。そして迎えた真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス29』では、ジェイ・ホワイトを破り、初のG1制覇。試合後は、優勝の喜びから、報道陣にビールを自ら配り一緒に乾杯をするなど、テンションは尋常ではなかった。
来年1.4東京ドーム大会でのIWGPヘビー級王座挑戦権利証を与えられると、「1.4はIWGPヘビー級王座に、1.5(東京ドーム)はIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦したい」と、史上初の東京ドーム2連戦を盛り上げるべく、連日のタイトルマッチを提案。IWGPヘビー級は棚橋が1カ月でジェイに敗れて王座陥落、ジェイも4月に開催されたアメリカ・ニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)大会で、オカダ・カズチカに王座を明け渡している。インターコンチ王座は、1.4東京ドーム大会で、クリス・ジェリコから内藤哲也が奪還するも、4月のMSG大会で飯伏に移動。6月の大阪城ホール大会では再び内藤が取り返し、9月の神戸ワールド記念ホール大会でジェイが奪還している。
「覚悟はあるのか?」
これは昨年、棚橋が飯伏に送ったメッセージ。飯伏は今年に入ってから「棚橋さんが言った覚悟の意味が分かってきた」という。その結果、再び新日本に所属するという決断をし、「もっとプロレスを広めるため」に自身がチャンピオンになり、話題を集めようとしている。これはかつて棚橋が新日本でやってきたことだ。棚橋、そしてWWEの中邑真輔を「2人の神」と称える飯伏の覚悟を持った闘いは2020年も続いていく。
(どら増田)