既にメインイベントでは、レジェンド選手権試合として、王者の藤田和之に船木誠勝が挑戦するタイトルマッチが決定している。このカードは「出し惜しみをしない」ストロングスタイルプロレスのブレない姿勢が貫かれた夢のカード。藤田はPRIDEで、船木はパンクラスやヒクソン・グレイシー最後の相手を務め日本人で最も追い込むなど、お互いに総合格闘技のスキルは高い。その原点であるストロングスタイルプロレスで、どんな試合を行いどちらが最後にベルトを持っているのか興味深い。
今回の会見では、藤波辰爾の長男で、今年10月に1年3か月におよぶ長期欠場から復帰を果たしたLEONAが、第1試合で鈴木秀樹とシングル初対決を行うことが決定した。1980年代の新日本プロレスでは、若手同士による第1試合からピリピリと張りつめた空気感の中、派手さはないがプロレスの基本であるレスリングを中心にした試合が行われており、LEONAも鈴木もUWFインターナショナルなどで活躍した宮戸優光氏のもとで指導を受けていたこともあり、先輩にあたる鈴木のビル・ロビンソン氏直伝であるヨーロッパスタイルのレスリングに対して、LEONAがどこまでついてこられるのかがポイントになるだろう。
LEONAは「こうしてまたリアルジャパン、ストロングスタイルプロレスの中で自分の試合が組まれたということは、自分にとってもすごく意義を、そしてすごく特別に感じるものもあります。今回、鈴木秀樹さんとのシングル。これまで同じ道場に通って練習をしたということはありますが、鈴木さんとは違うタイミングでの入門ということもあり、そして、リングで対戦の形では触れ合うことはこれまでありませんでした。鈴木選手のリングでの強さ、レスリングに対する信念、そして、その日、ボクに対する気持ち、そういったものを自分のファイトを通して正面から鈴木選手にぶつけたいと思います。もう一度真正面からプロレスに向かい合うこのタイミングにこの対戦カード、自分にとって意義のあるカードとして当日、思い切ってプロレスをしたいと思います。10月27日、ドラディションの大阪で(獣神サンダー・)ライガーさんときっと最後になるかもしれない対戦をして、そのとき自分よりキャリアのある選手と向かい合うときに、遠慮であったり、そういったものをするべきではないと。怒りであったり気持ちであったり、もちろん技術もそうですけど、それをぶつけてこそプロレスだと。攻撃であったり言葉であったり、そういったもので自分自身すごく心に感じるものがありました。だからこそこの闘い、本当に正面からプロレスのリングで勝負したいと思います」と、今回の一戦への意気込みを語っている。
当日は全6試合が組まれているが、メインの次に注目されるべき試合は間違いなく、この第1試合になる。鈴木とLEONAによるストロングスタイルプロレスのオープニングマッチを堪能させてもらいたい。
(どら増田)