「普段、家にいる時は結構ラフな格好をしているんですよ。でも、時々その格好で娘の学校の集まりに行ったりするともう大変。『もっと何とかしなさい』って娘に怒られるんです。昔からマセていた子なんですけれど最近は生意気になってきて…」
10歳の娘と過ごす日常を生き生きと話す田中。
かつてドラマ、バラエティーで引っ張りだこだった彼女は1997年に結婚。翌年、出産を機に一時休業を宣言。芸能界からしばらく距離を置いていたが、07年ごろから仕事を再開。現在、女優としてはもちろん、環境保護のNPO団体を立ち上げるなど積極的に活動の幅を広げている。
そんな田中が今回、ドラマ「やさしいうた」に主演。幼い娘を抱えながら日々の生活のプレッシャーに押しつぶされそうなシングルマザーを好演している。
「私の周りにも今回演じた役柄と同じ状況の友達が何人かいて、他人事とは思えなくて…。世の中が世の中ですし、みんなすごい不安と戦っていると思うんです。ドラマを見た人が前向きに生きていれば、人生には喜びがあるんだと希望を感じてくれたら…」
田中も数年前から、母の日には娘からプレゼントをもらっているという。
「絵を描いてくれたり、去年は“肩たたき券”をくれて、さっそく使わせてもらいました。その程度のことですけど毎年母の日は娘の成長を実感できて、すごくうれしい日なんです」
では、夫からプレゼントをもらうとしたら…? 「一日掃除をしてくれたりご飯の後片付けをしてくれたり。お金が掛かっていたり、豪華じゃなくても全然いいんです。“いつもと違う日常”をプレゼントしてくれたらそれが一番うれしい」
田中の話からは、家庭生活の充実ぶりがうかがえる。母として、妻として、幸せな日々を送るには何が必要なのだろう。
「やっぱり“楽しむこと”が一番大切だと思います。“つまらない”とクヨクヨしていたら周りの人まで暗くさせちゃう。数年前から環境のために自分が何かできないかとNPO団体を立ち上げましたが、その活動も私が楽しんでやっていたら、いつしか娘も一緒に楽しんで参加するようになっていた。自分が楽しんで取り組むことで、たくさんの言葉を並べるより人に伝えられることがあると思います」
最後に今後の活動について聞いてみた。
「実は結婚したとき芸能界は引退しようと思っていたんです。でもそれまで一緒にやってきた仕事関係の人たちがたくさん私を待っていてくれてすごくうれしかった。これからは、そうやって私を必要としてくれている人たちに私なりに貢献できるようになりたいと思っています。母親としての自分、芸能の仕事をする自分、環境活動をする自分。どれもまだまだ勉強しなくちゃいけないことがたくさんあるけれど、それぞれすごく充実している。今みたいな感じで続けられたらそれが一番うれしいですね」