『ONE:A NEW ERA-新時代-』
▽3月31日 東京・両国国技館 観衆11,098人(超満員札止め)
『RISE125』幕張メッセ大会(昨年6月)で、“神童”那須川天心を延長まで追い込んだロッタン・ジットムアンノン(タイ)が3月31日、ONEチャンピオンシップ(ONE)日本初進出となる『ONE:A NEW ERA-新時代-』両国国技館大会に出場。ムエタイルールでハキム・ハメッシュ(フランス)と対戦した。
「今回、体調が良くなかったのが残念」というロッタンは、ハキムにフルラウンドまで持ち込まれたが、判定で勝利を収めた。試合後、インタビューに応じたロッタンは10カ月ぶりの日本について「東京には僕のファンがたくさんいる」とファンに感謝し、天心戦のリベンジプランについて次のように話した。
「テンシンがONEに上がればやりたい。テンシンがONEに参戦してくれれば、キックボクシングルールでもムエタイルールでも構わない。昨年の試合の判定に僕としては不満がある。(10月に日本大会を予定しているが)テンシンとの試合を実現させたい。待ってます!」
ロッタンは天心に熱烈なラブコールを送った。現在RISEで開催している世界トーナメントに出場予定だったが、今大会に出場することもあり、トーナメントには参加しなかった。天心はトーナメントの決勝で、ロッタンと再戦することを想定していただけに、“肩透かし”を喰らった形となっていた。いずれにせよトーナメントを優勝し、本人もスッキリしていないロッタンとの再戦に臨みたいところ。
「きょうフロントロー(客席の前方)に天心は来ていた。本人が『ONEに出たい』『ロッタンとやりたい』と言っていたことを知っている。将来的に実現させたい」
ロッタンの発言をONEのチャトリ・シットヨートン会長兼CEOは歓迎した。今大会の中継にはフロントローで観戦する天心が、カメラに笑顔で手を振る場面もあった。山口芽生のセコンドに父の弘幸氏がつき、試合後はケージ内に入り一本勝ちを収めた山口を祝福していた。RISEの伊藤隆代表も来場しており、パイプがないわけではない。
天心はRIZINとの契約もある。ONE参戦はひと筋では行かないかもしれないが、敵地に乗り込んでいくつかある“宿題”のひとつを片付けるようなことがあれば日本のキックや格闘技が盛り上がるのは必至。天心の次戦は4.21RIZIN横浜アリーナ大会が予想されるが、ボクシング企画同様、今後の展開が見逃せない。
取材・文 / どら増田
写真 / 萩原孝弘