相手先発・メッセンジャーに8回まで1得点に抑えられるも、1点ビハインドの9回裏2死から、今宮健太のタイムリーで同点に追いついたこの日のソフトバンク。その後の延長戦は森唯斗、モイネロ、武田翔太ら救援陣がなんとか踏ん張り、同点のまま12回の攻撃に漕ぎ着けた。
その12回裏、ソフトバンクは先頭のグラシアルが相手投手のドリスからショート内野安打を放ち出塁。ここからドリスが牽制球の悪送球と暴投を重ねたことにより、労せずしてノーアウト三塁の絶好機が到来した。
しかし、この場面で打席に入った真砂勇介は空振り三振に倒れ、続く松田宣浩もショートゴロ。さらに明石健志もレフトフライと、揃ってチャンスをモノにすることができず、目前まで迫っていた勝利をみすみす逃す結果となってしまった。
相手のミスで“もらった”といえるサヨナラ機を生かせなかったソフトバンクは、ゲーム差無しで並ぶ楽天が勝利したため、首位から0.5ゲーム差の2位に転落。今回の試合を受けたファンからは「なんであそこから1点も取れないんだ」、「真砂が三振した時点で終わってた」、「こんなんでよく交流戦首位にいれるな」といった落胆の声が多数挙がっており、他球団のファンも「ノーアウト3塁から無得点とか(笑)」といった煽り交じりのコメントを寄せている。
また、試合後には「ノーアウト3塁」というワードがツイッターのトレンドランキングに浮上。ヒットはおろか、外野フライも打てなかった拙攻ぶりに、多くのファンにモヤモヤを募らせたことが浮き彫りとなっている。
9回に追いついた点を考慮すれば、今回の試合は“勝ちに等しい引き分け”と考えることもできる。しかし、上記の状況を見る限り、ほとんどのファンは“負けに等しい引き分け”と捉えているようだ。
文 / 柴田雅人