「民主党の鳩山由紀夫幹事長は逮捕の一報が入るとすぐ、『検察の陰謀だ』と激怒したがそうとは言い切れない。小沢代表は自民党にいた当時から、政治献金に絡む多くの疑惑が指摘されてきた。その度にクリアしてきたのは、それこそ“豪腕”だが、検察が長年ターゲットにしてきたひとり。ま、この時期を狙ったふしはなしとはしないが、検察の面子もかかってると見ていい」
そう言うのは、全国紙政治部記者。西松建設と小沢代表の腐れ縁も、こう明かす。
「西松建設は元自民党副総裁の故金丸信氏や経世会(旧竹下派)と深い関係にあった。小沢代表は竹下派七奉行のひとりで金丸副総裁からかわいがられ、実力者になった。西松建設が小沢代表と結びつくのは、ごく自然な成り行きだった」
自民党内からは今回の逮捕劇のほとぼりが冷めないうちに、解散・総選挙に打って出るべきだという強硬論が出ている。永田町関係者が言う。
「麻生首相の頭の中にもそれがあるのは確かだが、そう簡単ではない。自民党内からも逮捕者が出る可能性を否定できず、小沢代表が『違反はまったくない』と堂々としているからだ。逮捕劇は衝撃的だったが、小沢代表の態度も国民は強く印象づけられた。小沢代表のほうが、役者がはるかに上だったということだ」
それでも総選挙はあると見るのは、前出の政治部記者。
「自民党には、千載一遇のチャンスに変わりはない。一説では4月解散、投票日は5月のゴールデンウイークがどうか、という案まで出てきている。連休中に投票日を設けて投票率を下げるプランは、昨秋もあった。策略にたける自民党なら、冗談でなくなる可能性はある」
政権与党はお祭り騒ぎだ。麻生首相が就任当初の解散を渋ったがために、日々状況は悪化するばかり。内閣支持率ひとケタ台は目前に迫っていた。ようやく吹いた“神風”が止む前に…と解散を急ぎたくなる気持ちは分かるが、いったいだれのための選挙なのか。捜査の行方に注目するとともに、国民はシラけるばかりである。