報道によると、事件が発生したのは7月2日。堺市南区の府道を時速60キロ程度で走っていた大学生に対し、乗用車の40歳の男が煽り運転をし、最終的に衝突。大学生は転倒し、頭の骨を折って死亡した。
警察の取り調べに対し当初、男は「あえてぶつけたのではない」などと供述。あくまでも事故であるとして、「煽り運転」を明確に否定した。しかし警察は故意性があるとして、男の車に搭載されていたドライブレコーダーや付近を走っていた車のレコーダーを解析するなどして捜査していた。
23日になり、その詳細が判明。男が60キロで走行していたところをバイクが追い抜き、それに立腹し急加速。パッシングする、クラクションを鳴らすなどして約1キロにわたりバイクを追い続け、100キロのスピードで追突したことが、映像によって立証された。
さらにこの男は衝突したあと、「はい、終わり」と発言したことも確認。この言動は明確に殺意があり、衝突を済ませて「終わり」と発言したとも解釈できるだけに、警察は「殺意があった」と判断。殺人罪を適用する方針だ。今回のように煽り運転事件で殺人罪が適用されることは極めて異例の事態と言える。
煽り運転は全国各地で発生しており、社会問題化している。昨年は東名高速道路で煽り運転をした上、無理矢理停車させられた車にトラックが追突し夫婦が死亡する事件が発生。さらに今年に入っても、医師が乗ったポルシェがバイクを追い回し、車をぶつけ負傷させるなど、全国各地で卑劣な煽り運転が発生している状況だ。
このような行為は明らかに故意に相手を負傷させる目的で行っており、殺人罪の適用は当然のことのように思える。
煽り運転を撲滅する意味でも、卑劣な行為で大学生を死なせた男に、厳罰を下す必要があるのではないだろうか。