まずは、KinKi Kidsに決定するまでの背景を説明したい。今回の騒動でジャニーズには、大きな2つの派閥があることが知れ渡った。SMAPの担当マネージャーが率いるSMAP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、A.B.C-Zの派閥。そして、藤島ジュリー氏が率いるTOKIO、嵐、関ジャニ∞、NEWS、KAT-TUNなどが所属する派閥だ。今回のSMAPの騒動は、この2つの派閥の闘争という側面があるため、本来ならば、派閥闘争に勝利した藤島ジュリー氏が率いる派閥のグループが「SMAP×SMAP」の枠を奪い取るのが順当である。
しかし、これでは世論を大きく敵に回すことは明らかだ。さらに、担当したグループへのバッシングにつながる可能性もある。事務所としては、藤島ジュリー氏が率いる派閥のグループの番組を作ることを強引に主張したが、さすがにフジテレビ側が難色を示した。そこで、KinKi Kidsに白羽の矢が立った。KinKi Kidsは、ジャニー喜多川氏直属のグループであり、いわば中間派。とりあえず、この放送枠を死守したいジャニーズ事務所は納得したようだ。
そもそもKinKi Kidsとフジテレビの関係は良好だ。フジテレビでは、1996年から「LOVE LOVEあいしてる」、後継番組となる「堂本兄弟」「新堂本兄弟」を放送しており、現在は、時間帯を日曜の昼間に移して「KinKi Kidsのブンブブーン」を担当している。そこで、フジテレビとしては、再びKinKi Kidsを夜帯の時間に戻すことで、「SMAP×SMAP」の後継とする考えだ。
KinKi Kidsとして、棚からぼたもち、漁夫の利という状況だが、これだけではない。すでに今回の騒動で今年の「NHK紅白歌合戦」のSMAPの出演はなくなったため、ジャニーズ枠が空くことになる。その枠にもKinKi Kidsが抜擢されることが濃厚のようだ。KinKi Kidsは、1997年に発売されたデビューシングル「硝子の少年」で音楽チャートで3週連続第1位を記録。その後も音楽活動を精力的に継続していたものの、NHK紅白歌合戦への出場はない。名実ともに、いつ選ばれてもおかしくなかったが、いわば“ジャニーズ枠”の影響を受けていたため、実現には至らなかったのだ。しかし、今年は念願の出場となりそうだ。
このラッキーな状況を渦中の堂本剛と堂本光一は、どう考えているのか。「さすがに、二人とも腰が引けている」と話すのはテレビ局関係者だ。KinKi Kidsはジュニア時代からSMAPのバックダンサーを多く担当。SMAPへの尊敬の念は大きい。特に剛は、拒否反応を示しており、事務所関係者が説得に動いているという。しかし、「決して悪い話ではないため、最終的には剛も納得するはず」(同)と見られているようだ。
着々と、業界では“脱SMAP”が進んでいる。